DBMS_VECTOR
DBMS_VECTOR
パッケージは、ユーザー・データからのチャンクまたは埋込みの抽出、特定のプロンプトまたはイメージに対するテキストの生成、ベクトル索引の作成、索引の正確性のレポートなど、Oracle AI Vector Searchによる一般的な操作を簡略化します。
この表は、DBMS_VECTOR
サブプログラムを示し、簡単に説明しています。
表12-1 DBMS_VECTORパッケージのサブプログラム
サブプログラム | 説明 |
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ONNXモデルに関連するプロシージャ: これらのプロシージャを使用すると、ONNXモデルをOracle Databaseにロードできます。また、そのONNXモデルを削除できます。 |
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ONNXモデルをデータベースにロードします |
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オブジェクト・ストレージからデータベースにONNXモデルをロードします。 | |
ONNXモデルを削除します |
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チェーン可能ユーティリティ(UTL)関数: これらの関数は、ベクトル・ユーティリティのPL/SQLパッケージ内のモジュール化された柔軟な関数のセットです。これらを連鎖して、エンドツーエンドのデータ変換および類似検索操作を自動化できます。 |
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データを小さな部分またはチャンクに分割します。 |
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テキストまたはイメージを1つ以上のベクトル埋込みに変換します |
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プロンプト(入力文字列)またはイメージのテキストを生成します |
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資格証明ヘルパー・プロシージャ: これらのプロシージャを使用すると、データベース内で認証の資格証明を安全に管理できます。RESTコールを行うためにサードパーティ・サービス・プロバイダへのアクセスを有効にするには、これらの資格証明が必要です。 |
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資格証明の名前を作成します |
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既存の資格証明名を削除します |
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データ・アクセス関数: これらの関数を使用すると、データの取得、索引の作成、および単純な類似検索操作を実行できます。 |
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ベクトル索引を作成します |
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ベクトル索引の再構築します |
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ベクトル索引作成のステータスを示します |
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ベクトル索引ユーザーおよび索引名のチェックポイント機能を有効にします |
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ベクトル索引ユーザーおよび索引名のチェックポイント機能を無効にします |
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ベクトル索引に必要なベクトル・メモリーのサイズを判断します |
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類似検索問合せを実行します |
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より関連性の高い出力のために検索結果を並べ替えます |
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精度レポート関数: これらの関数を使用すると、既存の検索索引の精度を判断し、過去のワークロードで実行された近似検索によって達成された精度値を取得できます。 |
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ベクトル索引の精度を検証します |
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近似検索によって達成された精度値を取得します |
ノート:
DBMS_VECTOR
は、テキスト処理や要約操作をサポートしない軽量パッケージです。そのため、UTL_TO_TEXT
およびUTL_TO_SUMMARY
チェーン可能ユーティリティ関数とすべてのチャンカ・ヘルパー・プロシージャは、拡張DBMS_VECTOR_CHAIN
パッケージ内でのみ使用できます。
- CREATE_CREDENTIAL
ユーザー認証の詳細をOracle Databaseに格納するための資格証明名を作成するには、DBMS_VECTOR.CREATE_CREDENTIAL
資格証明ヘルパー・プロシージャを使用します。 - CREATE_INDEX
ベクトル索引を作成するには、DBMS_VECTOR.CREATE_INDEX
プロシージャを使用します。 - DISABLE_CHECKPOINT
特定のHierarchical Navigable Small World (HNSW)の索引ユーザーおよびHNSW索引名に対するチェックポイント機能を無効にするには、DISABLE_CHECKPOINT
プロシージャを使用します。この操作は、HNSW索引のすべての古いチェックポイントをパージします。また、HNSWグラフのリフレッシュの一部としての今後のチェックポイントの作成も無効にします。 - DROP_CREDENTIAL
データ・ディクショナリから既存の資格証明名を削除するには、DBMS_VECTOR.DROP_CREDENTIAL
資格証明ヘルパー・プロシージャを使用します。 - DROP_ONNX_MODELプロシージャ
このプロシージャは、指定したONNXモデルを削除します。 - ENABLE_CHECKPOINT
特定のHierarchical Navigable Small World (HNSW)索引ユーザーおよびHNSW索引名のチェックポイント機能を有効にするには、ENABLE_CHECKPOINT
プロシージャを使用します。 - GET_INDEX_STATUS
ベクトル索引作成のステータスを問い合せるには、GET_INDEX_STATUS
プロシージャを使用します。 - INDEX_ACCURACY_QUERY
特定の問合せベクトル、上位Kおよびターゲット精度についてベクトル索引の精度を検証するには、DBMS_VECTOR.INDEX_ACCURACY_QUERY
関数を使用します。 - INDEX_ACCURACY_REPORT
過去のワークロードから、特定のベクトル索引を使用した近似検索で得られた精度値を特定の期間取得するには、DBMS_VECTOR.INDEX_ACCURACY_REPORT
関数を使用します。 - INDEX_VECTOR_MEMORY_ADVISOR
特定のベクトル索引に必要なベクトル・メモリーのサイズを判断するには、INDEX_VECTOR_MEMORY_ADVISOR
プロシージャを使用します。これにより、シミュレートされた各ベクトル・メモリーのサイズに適合する索引の数を評価できます。 - LOAD_ONNX_MODEL
このロシージャを使用すると、ONNXモデルをデータベースにロードできます。 - LOAD_ONNX_MODEL_CLOUD
このプロシージャを使用すると、ONNXモデルをオブジェクト・ストレージからデータベースにロードできます。 - QUERY
上位k件の結果をJSON配列として返す類似検索操作を実行するには、DBMS_VECTOR.QUERY
関数を使用します。 - REBUILD_INDEX
ベクトル索引を再作成するには、DBMS_VECTOR.REBUILD_INDEX
関数を使用します。 - RERANK
より関連性の高い検索出力を取得するために、結果の初期セットを再評価および並替えするには、DBMS_VECTOR.RERANK
ファンクションを使用します。 - UTL_TO_CHUNKS
大きなプレーン・テキスト・ドキュメントをテキストの小さなチャンクに分割するには、DBMS_VECTOR.UTL_TO_CHUNKS
チェーン可能ユーティリティ関数を使用します。 - UTL_TO_EMBEDDING and UTL_TO_EMBEDDINGS
テキスト・ドキュメントおよびイメージから1つ以上のベクトル埋込みを生成するには、DBMS_VECTOR.UTL_TO_EMBEDDING
およびDBMS_VECTOR.UTL_TO_EMBEDDINGS
チェーン可能ユーティリティ関数を使用します。 - UTL_TO_GENERATE_TEXT
サードパーティのテキスト生成モデルにアクセスして、特定のプロンプトまたはイメージに対するテキスト応答を生成するには、DBMS_VECTOR.UTL_TO_GENERATE_TEXT
チェーン可能ユーティリティ関数を使用します。
親トピック: ベクトル検索のPL/SQLパッケージ