契約エキスパートの仕組み

企業契約、購買オーダー、ソーシング契約など、すべての種類の契約に対して会社のポリシーと基準を適用するには、契約エキスパートを使用します。

契約エキスパートは、次のことができるビジネス・ルールの設定に役立ちます。

契約への適切な契約条件テンプレートの適用
たとえば、契約が北米オペレーションズ・ビジネス・ユニットで作成され、契約金額が100万ドルを超える場合、契約条件テンプレートのソフトウェア・ライセンスおよびサービス契約が適用されます。
契約の特定の事前定義済の場所への追加条項の挿入
たとえば、監査が必要な場合、監査条項が追加されます。
企業ポリシーから外れる契約差分のレポート
たとえば、金額が100万ドルを超え、支払条件が90日より長い契約がレポートされます。

契約エキスパートは2つのコンポーネントで構成されます: ルール設定およびルール実行。

ルールの設定

管理者は、ルールを作成して契約条件ライブラリに保存します。次の条件を基にしてルールを作成できます。

契約内の変数の値: たとえば、オーダーの出荷日が90日より大きい場合に追加の条項を推奨します。
契約作成者による質問に対する回答: たとえば、危険物に関する質問への回答に応じて、追加の責任条項を推奨します。
契約の条項の存在: たとえば、契約に危険物条項が含まれている場合は、追加の保険条項を挿入します。

最初の2つのタイプの条件については、作成の間に作成者の入力が必要です。

ルールの実行

契約作成の間に、契約エキスパートはルールを評価します。作成者の入力を必要とする条件があるルールの場合、作成者が契約エキスパートの実行処理を選択すると、契約エキスパートは作成者に、足りない変更項目の値を指定し、質問に回答するように要求します。その後、作成者は契約への推奨される条項の挿入を評価できます。契約に関連付けられた条件テンプレートでこれらの事業所を定義した場合は、そのような条項を事前定義済の事業所に挿入することもできます。作成者は、「契約差分のレビュー」処理を選択することによって、ポリシーと条項の差分をレビューできます。条項の差分は、契約エキスパート・ルールを必要としないので、ダッシュが表示されたボックスで示されます。

次の図は、契約エキスパートの設定および契約オーサリングのコンポーネントを示しています。

契約エキスパートのルールの設定

作成しているルールのタイプに応じて、次のものをルールの条件の基にすることができます。

変更項目

この条件は、契約に含まれる変更項目の値に基づきます。値は、アプリケーションによって契約から自動的に導出されるか、または作成者が契約エキスパートを実行するときに入力します。
質問

この条件は、契約エキスパートを実行すると示される質問に対する回答に基づきます。
条項

この条件は、特定の条項が契約に存在することに基づきます。

契約エキスパートは、契約エキスパートが有効な契約条件テンプレートに対してのみ適用されます。ルールの適用対象がすべてのテンプレートか、選択した条件テンプレートのみかを指定できます。

契約作成中の契約エキスパート・ルールの実行

タイプに応じて、契約で使用される契約条件テンプレートのすべてのアクティブなルールが自動的に評価されます。評価は、契約条件のオーサリング中、または「契約条件」タブで契約エキスパートを実行したときに行われます。

ルールの条件でユーザー入力が必要な場合、契約エキスパートは作成者に変更項目の値および質問の回答の入力を求めます。質問に対する回答は、フォローアップの質問を引き起こすことがあります。この図では、Question 1に対する回答がフォローアップのQuestion 2を引き起こしました。

契約エキスパートには、レビューの推奨条項が表示されます。作成者は、十分な権限がある場合は、推奨される条項のうち契約に挿入するものを選択できます。

契約エキスパートは、契約条件ライブラリで条項の設定の間に指定された契約条件セクションに、条項を挿入します。条項でセクションが指定されていない場合は、契約条件テンプレートで指定されているデフォルト・セクションを使用します。契約エキスパートは、デフォルト・セクションが契約に存在しない場合、自動的に挿入します。契約に関連付けられている条件テンプレートでこれらの場所を定義した場合は、挿入用に推奨されている条項を事前に決定した場所に配置しておくこともできます。

後の実行では、契約エキスパートは前の実行において契約に挿入した条項を最初に削除します。これには、移動された条項および非標準化された条項も含まれます。

この図は、契約オーサリングにおける契約エキスパートの動作を示しています。

入力されていない必須項目があると、または契約エキスパートが実行されていないと、作成者が契約条件を検証したとき、または契約差分レポートをレビューしたときに、警告が表示されます。