企業体系の概要
Oracle Fusion Applicationsは、企業を法律上および管理上の目的にあわせてモデル化できるように設計されています。
Oracle Fusion Applicationsの実装に関する判断は、次の要素の影響を受けます。
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業種
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ビジネス・ユニットの自律要件
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ビジネスおよび会計のポリシー
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ビジネス・ユニットによって実行されるビジネス機能、およびオプションとして、共有サービス・センターで集中管理されるビジネス機能
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施設の場所
すべての企業には3つの基本体系があり、これらの体系は企業の運営を説明し、レポートの基準を提供します。
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Legal
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管理
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機能
Oracle Fusionでは、これらの体系は勘定体系および組織階層を使用して実装されます。 多数の代替階層を実装してレポートに使用できます。 多くの場合、ビジネスを次の要素に編成する主要体系を1つ保持します。
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ディビジョン
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ビジネス・ユニット
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部門
これらの体系を戦略目標に沿って配置します。
この図は、企業ディビジョンを表すBusiness Axis、会社を表すLegal Axis、およびビジネス機能を表すFunctional Axisを含むグリッドを示しています。
法的体系
この図は、様々なビジネス上および機能上の組織を運営している、一般的な法的エンティティのグループを示しています。 購入、販売、所有および雇用する資格は、法制度で許可されることによって与えられます。 企業の特徴は次のとおりです。
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その所有者や経営者とは異なる、別個の法的エンティティです。
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株主(個人または別の企業)によって所有されます。
個人事業、パートナシップ、政府機関など、法的エンティティには多くの種類があります。
法的に認められたエンティティは、登録している管轄区域内での資産の所有と取引、および個人の雇用を実施できます。 これらの権限が付与されている場合、法的エンティティには、次のことを実施する責任も割り当てられます。
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法定レポートおよび外部レポートを介した、公に対する自らに関する説明。
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国別仕様および規制への準拠。
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所得税およびトランザクション税金の支払。
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税務当局の代理としての付加価値税(VAT)徴収の処理。
多くの大企業では、子会社を法人化することによって、リスクを切り離して、税金を最適化します。 法令遵守の推進、運営の分離、税金の最適化、契約関係の履行およびリスクの切離しのために、法的エンティティを作成します。 企業は、法的エンティティを使用して、その企業が運営している各国の法律の範囲内で自社のアイデンティティを確立します。
この図は、次のことを示しています。
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個々のカードは、登録された一連の会社を表します。
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公開持株会社InFusion Americaを含め、各会社はビジネスを行う国で登録されている必要があります。
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各会社は、管理レポートのために作成された様々なディビジョンで構成されています。 これらは、各カードの垂直方向の列で示されています。
たとえば、1つのグループで、米国(US)ではビジネスごとに別々の会社を保持し、英国(UK)ではすべてのビジネスを英国の法的エンティティで表すことができます。
ディビジョンは、1つのビジネスを一部または全部のカードに表示できるように、カードをまたがってリンクされます。 たとえば、大気質モニタリング・システムのビジネスを米国、英国およびフランスの会社が運営できます。 ビジネス・ディビジョンのリストはBusiness Axisにあります。
各会社のカードはまた、営業チーム、財務チームなどの機能グループごとに、水平方向に区分けされています。 この機能リストは、Functional Axisと呼ばれます。 図全体からわかるように、1つのグループ環境において、少なくとも会社、ビジネス、ディビジョンおよび機能ごとに情報を追跡できます。 Oracle Fusion Applicationsでは、法的エンティティを使用して法的体系を実装します。
管理体系
複数のビジネスを正常に管理するには、それらを戦略目標ごとに区分けして、その結果を測定する必要があります。 ビジネスの組織階層は、法的体系に関連していますが、企業の法的体系に直接反映させる必要はありません。 管理体系には、ディビジョン、サブディビジョン、事業分野、戦略的ビジネス・ユニット、収益およびコスト・センターを含めることができます。 図では、管理体系はBusiness Axisに表されています。 Oracle Fusion Applicationsでの管理体系は、ディビジョンとビジネス・ユニットを使用して実装され、勘定体系に反映されています。
機能体系
個人およびそのコンピテンシを中心に構造化された機能組織は、法的組織およびビジネス組織にまたがっています。 たとえば、営業、製造およびサービスの各チームは機能組織です。 この機能体系は、この図ではFunctional Axisで表されています。 機能組織の業績および費用は、損益計算書に直接反映します。 組織は、収益、販売原価、さらに研究開発費、販売および一般管理費などの機能上の費用を管理およびレポートする必要があります。 Oracle Fusion Applicationsでの機能体系は、部門および組織(販売組織、マーケティング組織、プロジェクト組織、原価組織、在庫組織など)を使用して実装されています。