期限時間を使用した出荷の管理
期限時間を使用して、納期回答ですでにスケジュールされているが、なんらかの理由で本日出荷できない販売オーダーの予定出荷日を変更します。
たとえば、運送業者が品目を集荷できる時間の後に出荷日時が発生した場合、納期回答では、出荷組織、運送業者および顧客の事業所の出荷カレンダに従って、使用可能な次の日に出荷日を移動します。
この機能が特に有用な例を次に示します。
- 販売オーダーを24時間365日発行する場合。
- 同日出荷の納期処理をする場合。
月曜日の午後6時に販売オーダーを発行しますが、運送業者によるその日の最後の集荷が午後5時であるとします。 期限を使用して、納期回答に対して出荷日を火曜日に移動するように指示できます。
納期回答での処理を次に示します。
- オーダーを初めてスケジュールするとき、有効数量をチェックするとき、販売オーダーを手動で再スケジュールするとき、自動スケジューリング時など、様々なスケジューリング・フローに期限を適用します。
- リード・タイム・オフセット、カレンダなど、期限を適用するかどうかを決定するために様々な設定を考慮します。
- 履行の最後のステップ(顧客に品目を出荷するときなど)にのみ期限を適用します。 受入組織を顧客として設定しないかぎり、内部組織間で供給を転送する場合、期限は適用されません。
- 納期回答で販売オーダーを受け取った時刻と期限時間を比較します。 納期回答では、システム日付を使用して出荷日を決定する場合にのみ、このアプローチを使用します。
- 予定出荷日が現在または過去に発生した場合、納期回答では期限が適用されますが、将来発生した場合、納期回答では期限は適用されません。
ノート
- 期限を設定するには、「プラン入力」作業領域に移動して、「タスク」→「供給ネットワーク・モデルの保守」をクリックし、品目を検索して「事業所間の出荷ネットワーク」をクリックし、「オーダー出荷期限時間」属性を設定します。 運送業者用に設定するには、「事業所間の出荷ネットワーク」のかわりに「運送業者」をクリックします。
- 期限は出荷日または出荷セットで使用できます。 「要求タイプ」を「出荷日」または「到着日」に設定した場合にも使用できます。
- 期限は直接出荷では使用できません。
ファイル | ワークシート |
---|---|
ScpOrganizationImportTemplate.xlsm | 組織 |
ScpCarrierImportTemplate.xlsm | 運送業者 |
ScpInterLocationShipMethodsImportTemplate.xlsm | InterLocationShipMethods |
- サプライ・チェーン・プランニングの運送業者
- サプライ・チェーン・プランニングの事業所間の出荷方法
- サプライ・チェーン・プランニングの組織
タイム・ゾーン
納期回答では、出荷組織が存在する現地タイム・ゾーンに従って期限が適用されます。 この時間は、販売オーダーの納期処理を行うときに使用されます。 たとえば、期限を午後5時に設定し、納期回答でオーダーの納期処理を行う組織の現地時間が次の場合、次のように処理されます。
- 午後4時の場合、納期回答では現在の出荷日が保持されます。
- 午後6時の場合、納期回答では出荷日を使用可能な次の日に移動します。
優先度
複数の期限時間を指定した場合、納期回答では階層を使用して、使用する期限時間の優先度(1が最高、3が最低)が付けられます。
- ソース、搬送先および運送業者に指定した期限時間を使用します。
- 運送業者に指定した期限時間を使用します。
- 組織に指定した期限時間を使用します。
例
設定例 | 組織 | 運送業者 | 出荷方法 | 移動先 | 期限時間 |
---|---|---|---|---|---|
A | ファクトリ1 | - | 2日、空路 | リージョン1 | 17:00 |
B | - | クイック出荷 | - | - | 18:00 |
C | ファクトリ1 | - | - | - | 19:00 |
D | ファクトリ2 | - | 3日、トラック | リージョン1 | - |
次のように仮定します。
- 納期回答で販売オーダーを納期処理する出荷組織の現地時間は月曜日17:30です。
- 出荷組織、運送業者および搬送先のスケジュールは、すべて火曜日に機能します。
納期回答で3つの異なる販売オーダーに期限を適用する方法を次に示します。
販売オーダー | 販売オーダーの属性値 | 納期回答で適用される期限時間 | 当初の予定出荷日 | 新しい予定出荷日 |
---|---|---|---|---|
76845 |
ファクトリ1 2日、空路 リージョン1 |
17:00 | 月曜日 | 火曜日、23:59 |
37608 |
ファクトリ2 クイック出荷 2日、空路 リージョン1 |
18:00 | 月曜日 | 月曜日、23:59 |
11564 |
ファクトリ1 3日、トラック リージョン1 |
19:00 | 月曜日 | 月曜日、23:59 |
太字のテキストは、納期回答で使用される値を示します。
次のように仮定します。
- 販売オーダー76845はファクトリ1組織にあり、販売オーダーでは2日、空路を使用するように指定され、オーダーの顧客はリージョン1であるため、納期回答では設定例Aが使用されます。 納期回答では月曜日17:30に納期処理を行い、それはAの17:00の期限後であったため、納期回答では出荷予定日を火曜日の最後の時間(23:59)に移動します。
- 通常、納期回答では、出荷組織の現地時間のタイム・スタンプが23:59に設定されます。 これは、出荷日が本日であるインスタンスで、現在のシステム時間と期限時刻を一貫して比較できるようにするためです。
- 販売オーダー37608は、ファクトリ2の組織にあり運送業者が指定されていることを除き、76845と同じです。 ただし、ファクトリ2、2日、空路およびリージョン1に一致する設定がないため、納期回答では優先度2に移動し、運送業者が一致する設定(例B)が使用されます。 例Bの期限は18:00で、現在のシステム時間は17:30であるため、納期回答では予定出荷日が火曜日の23:59に変更されます。
- 販売オーダー11564は3日、トラックを使用するように指定されていることを除き、76845と同じです。 ただし、ファクトリ1、3日、トラックおよびリージョン1に一致する設定がないため、納期回答では優先度3に移動し、組織が一致する設定(例C)が使用されます。 例Cの期限は19:00で、17:30より後であるため、納期回答では期限が適用されず、予定出荷日は変更されません。
出荷方法は、運送業者、サービス・レベルおよび輸送モードの組合せであることに注意してください。
設定
クイック出荷の運送業者を介して出荷する各地上出荷について、期限時間を午後5時に設定する必要があるとします。
設定は次のとおりです。
- 期限時間を使用せずに動作を確認します。
- 「オーダー管理」作業領域に移動し、販売オーダーを問い合せて、「処理」→「履行ビューに切替」をクリックします。
- 「オーダー」ページで、「履行明細」、「有効数量のチェック」の順にクリックします。
- 「有効数量のチェック」ページで、値を確認します。
属性 値 予想出荷日 02/21/22 遅延日数 0 有効数量ステータス 空白 - 「有効数量オプション」領域で、「処理」→「有効数量詳細」をクリックします。
- 「有効数量詳細」の「現行オプション」ページの「有効数量詳細」領域で、「処理」→「ペグされたプロパティ」をクリックします。
- 「ペグされたプロパティ」ダイアログで、値を確認します。
属性 値 運送業者 クイック出荷 輸送モード 空路 サービス・レベル 2日、空路 - 「完了」→「完了」→「完了」をクリックします。 「オーダー」ページに戻ります。
- 期限時間を作成します。
- 別のインターネット・ブラウザをオープンし、納期回答にサイン・インします。
- 「プラン入力」作業領域に移動し、「タスク」→「供給ネットワーク・モデルの保守」をクリックします。
- 「供給ネットワーク・モデルの保守」ページで、「事業所間の出荷ネットワーク」をクリックし、検索を実行します。
属性 値 運送業者 クイック出荷 輸送モード 空路
- 検索結果で値を設定し、「保存」をクリックします。
属性 値 オーダー出荷期限時間 15:00
hh:mm書式を使用します。
説明
- hhは24時間表記の時間です。
- mmは時間後の分です。
24時間表記を使用する必要があります。 たとえば、午後5時を示すのに5:00は使用できません。 かわりに17:00を使用してください。
- 改訂された動作を確認します。
- 販売オーダーをオープンするために使用したブラウザに戻ります。
- 「オーダー」ページで、「有効数量のチェック」をクリックします。 納期回答では日付が再計算され、新しい期限が使用されます。
- 「有効数量のチェック」ページで、「予想出荷日」が翌日になり、1日の遅延があることを確認します。
属性 値 予想出荷日 02/22/22 遅延日数 1 有効数量ステータス 遅延