サプライ・チェーン財務オーケストレーションの概要
Oracle Supply Chain Financial Orchestrationにより、財務オーケストレーション・フローを実行し、財務オーケストレーションのビジネス・ルールを定義できます。 サプライ・チェーン財務オーケストレーションを使用して、次のことができます。
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会社間トランザクションおよび社内フローを管理します。 同じ法的エンティティに属する2つの異なる利益センター・ビジネス・ユニット間に財務オーケストレーションが存在する場合は、社内フローがあります。 このトランザクションの物理的な部分を財務的な部分から分離できます。
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サプライ・チェーンの効率を損なうことなく、複雑なグローバル構造をサポートします。
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商品の物理的移動に影響を与えずに、グローバル環境での法人税の構造を効率的にモデル化します。 顧客に商品およびサービスをできるだけ迅速に提供できると同時に、サプライ・チェーン原価合計を下げることができます。
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ソーシング機能とオーダー管理機能の集中化により、運用効率を最適化します。
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実装コストおよびサイクル時間を削減します。
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会社の組織変更または取得に対して効率的に対応します。
次の図は、Vision Corporationの会社間トランザクションの例を示しています。
この例では、財務オーケストレーション・フローがVision Distribution Center (シンガポール)とVision Operations (北米)の間に存在します。 Vision Distribution Centerは、トランザクションに関与する物理的な製品を小売業者に送付します。 また、財務情報を送信し、トランザクションの財務台帳の製品所有権をVision Operations (北米)に移動します。 各組織は、Vision Corporationの個別の法的エンティティです。 ただし、これらの組織は、異なる国に存在します。 会計および税金レポートが個別に必要となります。 サプライ・チェーン財務オーケストレーションを使用して、イベントの会計の取得、処理および実行を行うことができます。 イベントは、Vision Corporationと類似した企業内の会社間トランザクションで発生しています。 たとえば、これを使用して次のことを実行できます。
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作成する会計文書のタイプを指定する文書ルールおよび会計基準を作成します。 たとえば、会社間請求書の作成、在庫の利益の追跡、または取引配分の追跡を行うかどうかなどです。
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販売者とバイヤー間の会社間振替価格を計算する基準としてトランザクション原価、購買オーダー価格または販売オーダー価格を使用するかどうかを指定する振替価格設定ルールを作成します。 値上率または値下率を社内販売に適用する振替価格設定ルールを作成できます。
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財務オーケストレーションが会社間請求書の作成に使用する会社間バイヤー・プロファイルおよび会社間販売者プロファイルを作成します。 次のものを提供するビジネス・ユニットを指定できます。
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プロファイル・センターのビジネス・ユニットに対する調達および買掛/未払金請求。
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受入会計情報を提供するビジネス・ユニットです。
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請求先ビジネス・ユニットおよび請求先事業所。
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調達ビジネス・ユニット。
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財務オーケストレーション・フローをいつ実行するかを指定する、財務オーケストレーション・クオリファイアを作成します。 たとえば、特定のサプライヤがトランザクションに関与する場合にのみオーケストレーション・フローを実行するというルールを作成できます。
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財務オーケストレーション・フローを作成します。 次のことを指定できます。
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フローに関与する法的エンティティおよびビジネス・ユニット
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フローを使用するタイミングを制御する財務オーケストレーション・クオリファイア
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フローに使用する財務ルート
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振替価格設定ルールと、文書ルールおよび会計基準
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フローが有効になる日付
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異なるフロー間の優先度を指定します。
一般に、財務オーケストレーションという用語は、財務オーケストレーション作業領域および関連タスクを説明するために使用されます。 この作業領域は、製造およびサプライ・チェーン資材管理のオファリングの一部です。 サプライ・チェーン財務オーケストレーションの実装の詳細は、『製造およびサプライ・チェーン資材管理の実装』ガイドを参照してください。