転送のためのプロジェクト固有在庫

プロジェクト駆動のサプライ・チェーンを使用して、移動中にプロジェクト所有の資材を保管場所から使用場所にオンデマンドで転送し、移動中に分離された状態を保つことができます。また、プロジェクトに対して資材を転入および転出する場合に、その原価がプロジェクトに適切に計上されるようにすることもできます。

プロジェクト駆動のサプライ・チェーンでは、中央倉庫を管理して、タスクで必要なときに資材を使用地点に転送することにより、保管在庫に関連する資産を減らしてプロジェクト・スケジュールを速めることができます。

最初に、該当する組織に対してプロジェクト別の在庫トラッキングを有効にし、デフォルト支出タイプを設定する必要があります。

プロジェクト固有在庫の転送機能を使用して、次のことを行います。

在庫配賦先転送オーダーの購買依頼の作成
サプライ・チェーン・オーケストレーションでの購買依頼からの転送オーダーの作成
転送オーダーの管理
資材のピック
資材の出荷
原価および勘定科目転送オーダー
プロジェクト固有の転送オーダー原価の管理

在庫配賦先転送オーダーの購買依頼の作成

セルフサービス調達を使用して、在庫配賦先品目の内部購買依頼を手動で作成し、プロジェクト原価計算詳細を配分に含めることでプロジェクトに転送原価を賦課します。ユーザーのプリファレンスに入力したプロジェクト原価計算詳細は、カートに品目を追加するときに在庫配賦先の購買依頼明細にもデフォルトで設定されます。

購買依頼の承認後、転送オーダーが自動的に作成され、購買依頼のプロジェクト詳細が転送オーダーにコピーされます。 Oracle Project Costingを使用すると、プロジェクトに対して未処理の購買依頼のコミット済原価をレポートできます。

ノート: 在庫配賦先への社内転送購買依頼明細は、予算管理の対象ではありません。購買依頼発行ビジネス・ユニットに対して予算管理を有効にした場合、プロジェクト詳細の有無に関係なく、在庫配賦先への社内転送購買依頼明細の資金ステータスは適用なしになります。

プロジェクト会計担当は、調達によって購買依頼が作成されると、プロジェクトを参照する社内資材転送購買依頼のコミット済原価を表示できます。購買依頼がプロジェクト転送オーダーに変換されると、品目受入時にリリーフされた転送オーダーに対してコミット済原価がレポートされます。プロジェクト・マネージャは、コミット済原価をプロジェクト・パフォーマンスのレビュー・ページに表示できます。

サプライ・チェーン・オーケストレーションでの購買依頼からの転送オーダーの作成

Oracle Supply Chain Orchestrationは、セルフサービス調達を介して、プロジェクト原価計算属性が設定された在庫配賦先および費用配賦先の組織間転送要求を受け取ることができます。セルフサービス調達では、プロジェクト原価計算属性が事前に検証されるため、サプライ・チェーン・オーケストレーションは転送オーダー要求を在庫に転送し、在庫は購買依頼の詳細に基づいて転送オーダーを作成します。

「供給要求例外の管理」ページと「供給明細の管理」ページで、プロジェクト属性およびタスク番号属性を使用して供給要求を検索および管理することもできます。同様に、「供給オーダー詳細」ページでプロジェクト原価計算属性を表示できます。

転送オーダーの管理

Inventory Management内で、購買依頼または供給要求に基づいて、在庫配賦先の転送オーダー配分レベルで、プロジェクトおよびタスク詳細が設定された転送オーダー明細が作成されます。そのような転送オーダーの履行に共通資材を使用する場合、資材はそのプロジェクトおよびタスクに再分類され、必要に応じてソースおよび配賦先の両方で対応する会計調整が実行されます。転送オーダーの資材を返品する場合は、元の転送オーダーのソース組織でプロジェクトとタスクが有効であるかどうかに応じて、返品転送オーダーの適切なプロジェクトとタスクにスタンプが設定されます。状況によっては、返品転送オーダーの出荷前または受入後に、プロジェクトから共通に資材を再分類して会計仕訳が正確に元に戻るようにする必要がある場合があります。

プロジェクト固有在庫の転送を使用する際は、プロジェクト関連の内部資材転送の取引約定を追跡できます。プロジェクト・パフォーマンス・データの更新プロセスを使用して、プロジェクト情報を要約し、コミット済コストをProject Portfolio Managementに表示できます。

資材のピック

「ピック・ウェーブの作成」ページで原価計算プロジェクト番号およびタスク番号を入力すれば、転送オーダーをピック・リリースできます。ピック・リリースでは、予約が許可され、予約に基づいて資材が割り当てられます。プロジェクト資材を需要に割り当てると、在庫プロジェクトとタスクがピックに移入されます。共通資材に割り当てると、これらのフィールドは空白になります。単一のピック・スリップに同じプロジェクトおよびタスクが設定されたピックをグループ化することもできます。

ピックは、在庫プロジェクト、在庫タスク、プロジェクト番号およびタスク番号で検索できます。在庫プロジェクトおよび在庫タスクで検索すると、需要に割り当てられた資材に基づいて、ピックが検索結果に表示されます。プロジェクト番号とタスク番号に基づいて検索すると、需要のプロジェクトおよびタスクに基づいて、ピックが検索結果に表示されます。

資材の出荷

プロジェクトおよびタスクを指定した出荷明細を作成して、プロジェクト原価計算プリファレンスを指定できます。プロジェクトおよびタスクは、それらが出荷組織で有効でない場合、またはプロジェクトで出荷組織を使用可能にしていない場合でも指定できます。原価計算プロジェクトおよびタスクが同じ明細を一緒に管理および処理できます。

また、クイック出荷を使用して、ピック・リリースおよびピック確認をバイパスし、プロジェクト在庫または共通在庫から資材を出荷できます。

原価および勘定科目転送オーダー

プロジェクト駆動のサプライ・チェーンを使用して、プロジェクトベースの組織間転送および転送オーダー発行トランザクションの原価を計算できます。

共通在庫またはプロジェクト固有在庫の転送を実行する際に、プロジェクト固有在庫からの転送に対しては、原価計算によって次の支出が送信されます。

転送元組織を参照するプロジェクトに対するマイナス支出
配賦先組織を参照するプラス支出

共通在庫が転送される場合は、転送先組織を参照してプロジェクトに賦課されます。送信側組織を参照するプロジェクトには、これに対応する貸方調整は行われません。

利益センター・ビジネス・ユニット間で転送が発生し、サプライ・チェーン財務オーケストレーションがフローに適用される場合、原価計算では、振替価格を使用して、振替先組織を参照するプロジェクトに賦課されます。他のすべてのタイプの転送については、プロジェクト・トランザクションは原価で実行されます。プロジェクト・タイプ別にプロジェクト原価収集の除外を設定することで、支出をプロジェクトに送信するかどうかを指定できます。また、会計ソースとして使用可能なプロジェクト属性に基づいて、プロジェクト固有会計を管理することもできます。振替価格または原価に加えて、間接費を定義して、出庫トランザクションに直接適用できます。

返品転送オーダー、およびプロジェクト転送オーダーを参照するトランザクションを廃棄するための返品転送オーダーは、原価計算されてプロジェクトに適切に計上されます。

プロジェクト固有の転送オーダー原価の管理

Project Portfolio Managementでは、コストのインポート・プロセスを使用して、転送オーダー搬送トランザクションをインポートできます。

Project Portfolio Managementでは、ソース・トランザクションと宛先タイプに応じて、転送オーダー搬送文書に対して次の文書入力が1つ以上作成されます。

品目原価
控除対象外税
控除対象外税(内税)
プロジェクト在庫間接費

Project Portfolio Managementの「原価」作業領域で「プロジェクト・コストの管理」タスクを使用して、転送オーダーに関連付けられた支出項目およびプロジェクト原価計算詳細を検索および表示できます。

プロジェクトに対して発生したコストが請求可能コストである場合は、プロジェクトで達成した完了率またはマイルストンに基づいて顧客に請求できます。資産計上可能な原価である場合、資産計上フローの実行に進めます。必要に応じて、他のプロジェクト、プロジェクト・タスクまたはアカウントに原価を配分することもできます。