TADの補助元帳会計の構成

「トランザクション勘定科目定義」を使用して、補助元帳トランザクションが計上される前にデフォルトの勘定科目組合せを導出する方法を構成します。トランザクション勘定科目定義は元帳および補助元帳のレベルで割り当てられます。勘定科目ルールでトランザクション属性を使用できます。次にトランザクション勘定科目定義で勘定科目ルールを使用してGL勘定科目の組合せを導出できます。

TADの実装には、あまり多くの設定は必要ありません。ただし、すべてのビジネス・シナリオに対応し、勘定科目の導出を正確に自動化するには、複数のルールを構成する必要がある場合があります。

次のビジネス・ユースケースを例として考えてみます。

勘定体系(COA)詳細:

  • COA名: Operations Accounting Flex
  • セグメント数: 5

最初の3つのセグメントは、トランザクション属性に基づいて動的に導出されます。残りの2つのセグメントには定数値が設定されています。

この例では、品目の明細タイプの費用勘定を導出するルールを構成します。

ノート: 「運送費」および「その他」の明細タイプの費用勘定の導出がサポートされています。必要に応じて、それらのルールを構成できます。

各COAセグメントとトランザクション属性およびそれぞれの値のマッピングを示す表を次に示します。

COAセグメント番号 COAセグメント名/セグメント・ラベル 属性にマップされたCOAセグメント トランザクション属性 対応するセグメント値
1 会社(プライマリ貸借一致) 請求書に記載された法的エンティティ。 Vision Operations 01
請求書に記載された法的エンティティ。 02
2 部門(コスト・センター) 請求書のビジネス・ユニット Vision Operations 110
Vision California 120
3 勘定科目(勘定科目) サプライヤ・サイト付加フレックスフィールド 財務 5320
調達 7120
4 補助科目

なし(定数値を使用)

該当なし 0000
5 製品

なし(定数値を使用)

該当なし 000

この属性マッピングを使用すると、法的エンティティVision Operationsビジネス・ユニットVision Californiaサプライヤ・サイトFlorham Parkのシナリオでは、請求書明細にデフォルト設定される費用勘定の組合せは01-120-5320-0000-000になります

勘定科目ルールの作成

勘定科目ルールを使用すると、補助元帳仕訳明細の勘定科目組合せの導出方法をユーザーが決定できます。勘定科目ルールは、すべての会計の組合せに対して定義することも、個々のセグメントごとに定義することもできます。会計の組合せによるルールの場合は、勘定科目の組合せ全体が決定されます。また、セグメント・ルールの場合は、会計の組合せの単一セグメントの値が作成されます。

ここでは、セグメント・レベルで適用され、COAのすべてのセグメントに対して作成される次のルールを定義します。後でこれらのルールを使用して、品目の明細タイプの費用勘定を導出します。

ルール1: 会社セグメント

このルールは、COAの最初のセグメントであるセグメント「会社」を導出するために使用します。このセグメントはクオリファイア「貸借一致」でタグ付けされ、請求書の「法的エンティティ」にマップされます。このルールでは、法的エンティティと目的とする結果の間で値をマップするマッピング・セットを作成し、それらを勘定科目ルールで関連付けます。これを実行する方法を次に示します。

  1. 「設定および保守」ページにナビゲートし、「マッピング・セットの管理」タスクを検索します。
  2. 「製品」のスコープで、「買掛管理」を検索して選択します。
  3. 「作成」アイコンをクリックし、これらの値で新しいマッピング・セットを作成します。
    • 名前: 法的エンティティ・マッピング・セット
    • 短縮名: LEGAL_ENTITY_MS
    • 出力タイプ: セグメント
    • 補助元帳アプリケーション: 買掛管理
  4. 「入力」セクションで、「作成」アイコンをクリックし、これらの値を入力します。
    • 入力ソース: 請求書法的エンティティ名
    • 値セット: ORA_AP_LEGAL_ENTITY_NAME_VS
    • 参照タイプ:
  5. 「勘定体系」セクションで、「作成」アイコンをクリックします。
    • 勘定体系: Operations Accounting Flex
    • セグメント: 会社
  6. 「Operations Accounting Flex: マッピング」セクションで、「作成」アイコンをクリックします。
    • 入力: Vision Operations
    • 出力: 01
    • 別のレコードの作成
    • 入力: Vision Leasing
    • 出力: 02
  7. マッピング・セットの変更を保存します。
  8. 「設定および保守」ページに再度移動し、「勘定科目ルールの管理」タスクを検索します。
  9. 「製品」のスコープで、「買掛管理」を検索して選択します。
  10. 「作成」アイコンをクリックし、これらの値で新しい勘定科目ルールを作成します。
    • 名前: 会社セグメント
    • 短縮名: COMPANY_SEGMENT
    • 摘要: 会社セグメントの摘要を入力します。
    • 勘定体系: Operations Accounting Flex
    • ルール・タイプ: セグメント。次のフィールドで、セグメント名として「会社」を選択します。
  11. 「ルール」セクションで、「作成」アイコンをクリックし、新しいルールを作成します。
    • 値タイプ: マッピング・セット
    • 値: 法的エンティティ・マッピング・セット
  12. このユースケースでは、条件は追加しません。変更を保存します。

ルール2: 部門セグメント

このルールは、COAの2番目のセグメントであるセグメント「部門」を導出するために使用します。セグメントはクオリファイア「コスト・センター」でタグ付けされ、請求書の「ビジネス・ユニット」にマップされます。このルールでは、ビジネス・ユニットと目的とする結果の間で値をマップするマッピング・セットを作成し、それらを勘定科目ルールで関連付けます。以下を実行します。

  1. 「設定および保守」ページにナビゲートし、「マッピング・セットの管理」タスクを検索します。
  2. 「製品」のスコープで、「買掛管理」を検索して選択します。
  3. 「作成」アイコンをクリックし、これらの値で新しいマッピング・セットを作成します。
    • 名前: ビジネス・ユニット・マッピング・セット
    • 短縮名: BUSINESS_UNIT_MAPPING_SET
    • 出力タイプ: セグメント
    • 補助元帳アプリケーション: 買掛管理
  4. 「入力」セクションで、これらの値を含む新しい行を追加します。
    • 入力ソース: 請求書ビジネス・ユニット名
    • 値セット: ORA_AP_ORGANIZATION_VS
    • 参照タイプ:
  5. 「勘定体系」セクションで、これらの値を含む新しい行を追加します。
    • 勘定体系: Operations Accounting Flex
    • セグメント: 部門
  6. 「Operations Accounting Flex: マッピング」セクションで、これらの値を含む新しい行を追加します。
    • 入力: Vision Operations
    • 出力: 110
    • 別のレコードの作成
    • 入力: Vision California
    • 出力: 120
  7. マッピング・セットの変更を保存します。
  8. 「設定および保守」ページに戻り、「勘定科目ルールの管理」タスクを検索します。
  9. 「製品」のスコープで、「買掛管理」を検索して選択します。
  10. 「作成」アイコンをクリックし、新しい勘定科目ルールを作成します。
    • 名前: 部門セグメント
    • 短縮名: DEPARTMENT_SEGMENT
    • 摘要:
    • 勘定体系: Operations Accounting Flex
    • ルール・タイプ: セグメント。次のフィールドで、セグメント名として「部門」を選択します。
  11. 「ルール」セクションで、「作成」アイコンをクリックし、これらの値で新しいルールを作成します。
    • 値タイプ: マッピング・セット
    • 値: ビジネス・ユニット・マッピング・セット
  12. このユースケースでは、条件は追加しません。変更を保存します。

ルール3: 勘定科目セグメント

このルールは、COAの3番目のセグメント(勘定科目セグメント)を導出するために使用します。このセグメントはクオリファイア「勘定科目」でタグ付けされ、サプライヤ・サイト付加フレックスフィールドの「属性3」にマップされます。このルールでは、サプライヤ・サイト付加フレックスと目的とする結果の間で値をマップするマッピング・セットを作成し、勘定科目ルールで関連付けます。以下を実行します。

  1. 「設定および保守」ページにナビゲートし、「マッピング・セットの管理」タスクを検索します。
  2. 「製品」のスコープで、「買掛管理」を検索して選択します。
  3. 「作成」アイコンをクリックし、新しいマッピング・セットを作成します。
    • 名前: サプライヤ・サイト・マッピング・セット
    • 短縮名: SUPPLIER_SITE_MS
    • 出力タイプ: セグメント
    • 補助元帳アプリケーション: 買掛管理
  4. 「入力」セクションで、これらの値を含む新しい行を追加します。
    • 入力ソース:
    • 値セット: 製品ファミリ
    • 参照タイプ:
  5. 「勘定体系」セクションで、これらの値を含む新しい行を追加します。
    • 勘定体系: Operations Accounting Flex
    • セグメント: 勘定科目
  6. 「Operations Accounting Flex: マッピング」セクションで、これらの値を含む新しい行を追加します。
    • 入力: 財務
    • 出力: 5320
    • 別のレコードの作成
    • 入力: 調達
    • 出力: 7120
  7. マッピング・セットの変更を保存します。
  8. 「設定および保守」ページに戻り、「勘定科目ルールの管理」タスクを検索します。
  9. 「製品」のスコープで、「買掛管理」を検索して選択します。
  10. 「作成」アイコンをクリックし、新しい勘定科目ルールを作成します。
    • 名前: 勘定科目
    • 短縮名: ACCOUNT
    • 摘要:
    • 勘定体系: Operations Accounting Flex
    • ルール・タイプ: セグメント。次のフィールドで、セグメント名として「勘定科目」を選択します。
  11. 「ルール」セクションで、「作成」アイコンをクリックし、新しいルールを作成します。
    • 値タイプ: マッピング・セット
    • 値: サプライヤ・サイト・マッピング・セット
  12. このユースケースでは、条件は追加しません。変更を保存します。

ルール4: 補助科目セグメント

このルールは、セグメントの補助科目(4番目のCOAセグメント)を導出するために使用します。このセグメントには常に定数値0000が設定され、どのトランザクション属性にもマップされません。以下を実行します。

  1. 「設定および保守」ページにナビゲートし、「勘定科目ルールの管理」タスクを検索します。
  2. 「製品」のスコープで、「買掛管理」を検索して選択します。
  3. 「作成」アイコンをクリックし、新しい勘定科目ルールを作成します。
    • 名前: 補助科目
    • 短縮名: SUB_ACCOUNT
    • 摘要:
    • 勘定体系: Operations Accounting Flex
    • ルール・タイプ: セグメント。次のフィールドで、セグメント名として「補助科目」を選択します。
  4. 「ルール」セクションで、「作成」アイコンをクリックし、新しいルールを作成します
    • 値タイプ: 定数
    • 値: 0000
  5. このユースケースでは、条件は追加しません。変更を保存します。

ルール5: 製品セグメント

このルールは、COAの5番目のセグメントであるセグメント「製品」を導出するために使用します。このセグメントには常に定数値000が設定され、どのトランザクション属性にもマップされません。以下を実行します。

  1. 「設定および保守」ページにナビゲートし、「勘定科目ルールの管理」タスクを検索します。
  2. 「製品」のスコープで、「買掛管理」を検索して選択します。
  3. 「作成」アイコンをクリックし、新しい勘定科目ルールを作成します。
    • 名前: 製品
    • 短縮名: PRODUCT
    • 摘要:
    • 勘定体系: Operations Accounting Flex
    • ルール・タイプ: セグメント。次のフィールドで、セグメント名として「製品」を選択します。
  4. 「ルール」セクションで、「作成」アイコンをクリックし、新しいルールを作成します。
    • 値タイプ: 定数
    • 値: 000
  5. このユースケースでは、条件は追加しません。変更を保存します。

トランザクション勘定科目の定義の作成

TADを使用すると、実装チームが勘定科目ルールをトランザクション勘定科目タイプに割り当て、これらの割当をグループ化してアプリケーションの定義をすべて網羅できます。「補助元帳会計オプションの管理」タスクで任意のプライマリ元帳にこれらの定義を割り当てれば、その元帳に関連付けられた買掛管理トランザクションのデフォルト勘定科目を導出できます。

次の手順に従ってTADを作成し、勘定科目ルールを割り当てます。買掛管理では3つの取引勘定科目タイプ(品目、運送費およびその他)に対する勘定科目の導出がサポートされていますが、このユースケースの例は「品目」勘定科目タイプの勘定科目を導出するルールの構成に限定されています。したがって、これらの設定では、他のトランザクション勘定科目タイプに割り当てるルールは構成しません。

  1. 「設定および保守」ページにナビゲートし、「トランザクション勘定科目定義の管理」タスクを検索します。
  2. 「製品」のスコープで、「買掛管理」を検索して選択します。
  3. 「作成」アイコンをクリックして、新しいトランザクション勘定科目定義を作成します。
    • Name: 買掛管理TAB
    • 短縮名: PAYABLES_TAB
    • 摘要: 買掛/未払金請求書の勘定科目組合せを導出します。
    • 勘定体系: Operations Accounting Flex
  4. 「勘定科目ルール割当」セクションで、前の項で作成した勘定科目ルールを「品目費用」のトランザクション勘定科目タイプに割り当てます。
    • 勘定科目組合せルール: なし
    • セグメント・ルール - 会社:
    • セグメント・ルール - 部門:
    • セグメント・ルール - 勘定科目:
    • セグメント・ルール - 補助科目:
    • セグメント・ルール - 製品:
  5. このユースケースでは、条件を追加する必要はありません。変更を保存します。
  6. トランザクション勘定科目定義をアクティブ化します。

買掛/未払金補助元帳のトランザクション勘定科目定義の割当

補助元帳会計では、プライマリ元帳と補助元帳アプリケーションの組合せに対してTADが有効になっています。次のステップでは、プライマリ元帳と補助元帳アプリケーションの組合せに対してTADを関連付ける方法について詳しく説明します。

  1. 「設定および保守」ページにナビゲートし、「補助元帳会計オプションの管理」タスクを検索します。
  2. 買掛管理でTADを有効にする元帳を検索して選択します。
  3. アプリケーション名「買掛管理」でフィルタします。「会計オプション」セクションの「編集」アイコンをクリックします。前の項で作成したTADを割り当てます。
    • トランザクション勘定科目定義: 買掛管理TAB
  4. 変更を保存します。