保留のタイプ
保留は、請求書の支払や、場合によっては会計仕訳の作成が行われないようにする目的で使用できます。
保留は自動で適用することも、手動で適用することもできます。一部の保留は手動で解除できます。その他の保留については、保留を解除する前に、例外条件を修正する必要があります。手動で解除可能な保留が適用された請求書をルーティングできるように、事前定義済の保留解決ワークフローが用意されています。
次に、いくつかの異なるタイプの保留を示します。
アカウント保留
買掛管理では、「アカウント保留事由」タイプの保留を使用して、勘定科目が無効または正しくない請求書が識別されます。無効な勘定科目では、請求書の支払ができず、買掛管理で請求書または支払の会計仕訳を作成できません。
保留名 | 保留事由 | 保留の配置 | 会計処理の許可 | 手動解除の許可 | 保留削除 |
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配分勘定無効 | 無効な勘定科目に請求書配分が配分されました。 | 請求書検証 | いいえ | いいえ | 勘定科目を修正して、「請求書検証」を再発行します |
換算レート差異勘定が無効 | 請求書配分に無効な「換算レート差異」勘定が買掛管理で作成されました。これは「自動相殺」を有効にした場合にのみ使用されます | 請求書検証 | いいえ | いいえ | 勘定科目を修正して、「請求書検証」を再発行します |
残余予算保留
買掛管理では、予算管理を使用している場合に、請求書配分に十分な資金がないか、買掛管理で残余予算をチェックできない場合にのみ、これらの保留が適用されます。
保留名 | 保留事由 | 保留の配置 | 会計処理の許可 | 手動解除の許可 | 保留削除 |
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残余予算チェック |
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請求書検証 | いいえ | いいえ |
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決済資金不足 | 請求書配分金額が使用可能な資金を超えています | 請求書検証 | いいえ | はい |
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請求書保留
「請求書保留および保留解除の管理」ページで請求書保留を定義することも、事前定義済の保留を使用することもできます。請求書を手動で保留にした場合、その保留を手動で解除する必要があります。
保留名 | 保留事由 | 保留の配置 | 会計処理の許可 | 手動解除の許可 | 保留削除 |
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金額 | 請求書金額が、サプライヤ・サイトに指定した請求書限度額を超えています | 請求書検証 | はい | はい |
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無効な購買オーダー | 照合に有効な購買オーダー番号をサプライヤが指定しない場合に、この保留を適用します | 手動 | いいえ | はい | 「請求書保留」タブで手動で解除します ノート: 「無効な購買オーダー」サプライヤ通知を送信して、有効な購買オーダーをサプライヤに要求できます |
勘定科目税金 | 税金オプション・ウィンドウで税金コードを費用勘定または資産勘定に割り当てて、「税勘定の強制」買掛管理オプションを有効にしました。請求書の税コードが、勘定科目に割り当てられた税コードと一致しません | 請求書検証 | いいえ | はい |
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支払後に支払 | 顧客が支払うまで請負業者に支払えません | 請求書検証 | はい | はい | 「請求書保留」タブで解除します |
支払後に支払 | 顧客が支払うまで請負業者に支払えません | 請求書検証 | はい | はい | 「請求書保留」タブで解除します |
購買オーダー提出物 | 請負業者が購買オーダー提出物を提出していません | 請求書検証 | はい | はい | 「請求書保留」タブで解除します |
サプライヤ | 「サプライヤ・サイト」ウィンドウで、サプライヤ・サイトの「未検証請求書の保留」オプションを有効にしました。 | 請求書検証 | はい | はい | 「請求書保留」タブで手動で解除します ノート: 今後サプライヤ保留されないようにするには、「未検証請求書の保留」サプライヤ・サイト・オプションを無効にします。 |
源泉徴収税 | 税金の自動源泉徴収を買掛管理が実行できません | 請求書検証 | いいえ | いいえ | 税金の自動源泉徴収が失敗する原因となったエラーを修正してください。たとえば、源泉徴収税特別カレンダで期間を設定する必要がある場合があります。 |
照合保留
買掛管理では、特定の事前定義済照合基準に違反する請求書に照合保留が適用されます。
保留名 | 保留事由 | 保留の配置 | 会計処理の許可 | 手動解除の許可 | 保留削除 |
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AMT ORD | 請求金額が、オーダー金額* (1 + オーダー率許容範囲)を超えています | 請求書検証 | はい | はい |
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AMT REC | 請求金額が受入金額* (1 +受入率許容範囲)を超えています | 請求書検証 | はい | はい |
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MAX AMT ORD | 請求金額が、オーダー金額と最大オーダー金額の許容金額の合計を超えています | 請求書検証 | はい | はい |
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MAX AMT REC | 請求金額が、受入金額と最大受入金額の許容金額の合計を超えています | 請求書検証 | はい | はい |
|
MILESTONE | 数量または請求金額が合計数量またはオーダー金額と一致しません | 請求書検証 | はい | はい | システム保留 - 購買オーダーまたは請求書を訂正して、請求書検証を再発行します |
購買オーダーのクローズ不可 | 購買管理で使用可能なオンライン受入経過勘定および購買オーダーの搬送数量が受入数量と等しくありません | 請求書検証 | はい | はい |
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最終クローズの試行不可 | 請求書(購買オーダーと最終照合済)が請求書検証中に保留されました | 請求書検証 | いいえ | いいえ | 請求書が保留になる原因となった保留を解除して、請求書検証を再発行します |
最終照合 | 別の請求書と最終照合された購買オーダーと請求書が照合されました | 請求書検証 | いいえ | いいえ | 配分を戻し処理し、請求書検証を再発行して最終照合保留を除去します |
照合が必要 | 「サプライヤ・サイト」ウィンドウで「未照合請求書の保留」オプションを使用可能にしており、請求書が購買オーダーまたは受入と照合されていません | 請求書検証 | はい | はい |
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Max Qty Ord | 請求数量が(オーダー数量と許容金額の)合計を超えています | 請求書検証 | はい | はい |
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Max Qty Rec | 請求数量が(受入数量と許容金額の)合計を超えています | 請求書検証 | はい | はい |
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Max Rate Amount | 換算レート差異が金額許容限度を超えています | 請求書検証 | はい | はい |
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Max Ship Amount | 請求書と出荷金額の差異が金額許容限度を超えています | 請求書検証 | はい | はい |
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Max Total Amount | 換算レート差異と最大出荷金額差異の合計が金額許容範囲を超えています | 請求書検証 | はい | はい |
|
価格 | 照合済請求書のすべての配分、および請求書に関連するすべての価格訂正の加重平均価格が[購買オーダー単価(1 + 許容範囲率)]を超えています | 請求書検証 | はい | はい |
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Qty Ord | 請求数量が[オーダー数量(1 + 許容範囲率)]を超えています | 請求書検証 | はい | はい |
|
Qty Rec | 請求数量が[受入数量(1 + 許容範囲率)]を超えています | 請求書検証 | はい | はい |
|
品質 | 請求数量が受入数量を超えています | 請求書検証 | はい | はい |
|
Rec Exception | 購買オーダーの受入に例外が示されています | 購買管理で手動 | はい | はい | 「請求書保留」タブで手動で解除します |
税金差異 |
|
請求書検証 | はい | はい |
|
差異保留
買掛管理では、これらの事前定義済の差異保留を適用できます。
保留名 | 保留事由 | 保留の配置 | 会計処理の許可 | 手動解除の許可 | 保留削除 |
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Dist Variance | 請求書金額が請求書配分金額の合計と等しくありません | 請求書検証 | いいえ | いいえ | 請求書配分または請求書金額を修正して、請求書検証を再発行します |
前払済金額 | 税込の前払済金額が請求書金額を超えています | 請求書検証 | はい | いいえ | 前払金を元に戻して、より少ない金額を適用します |
税額範囲 |
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請求書検証 | はい | はい |
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税額差異 |
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請求書検証 | はい | はい |
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賦払保留
賦払を手動で保留にして、支払が行われないようにすることができます。たとえば、サプライヤが2つの机に関する請求書を送付してきたが、机は1つしか配送しなかったとします。賦払を分割し、賦払の1つを保留にすることで、請求書の支払を部分的に行うことができます。2つ目の机が届いたら賦払保留を解除できます。
サプライヤ・サイト保留
サプライヤ保留は、「サイトの作成」および「サイトの編集」ページの「請求」タブで設定できます。この表は、各サプライヤ・サイト保留を示しています。
保留 | 説明 | 手動で解除可能かどうか |
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請求書限度額 | 請求書検証プロセスでは、請求書に「金額」保留が適用されます。これは、指定された制限を請求書金額が超えた場合に発生します | はい |
すべての請求書 | 支払プロセス要求またはクイック支払で支払のサプライヤ・サイトを選択できなくなります ノート: この保留が適用されているサプライヤは、「支払」ランディング・ページの「支払保留中のサプライヤ・サイト」セクションに表示されます |
いいえ |
未照合請求書 | 請求書検証プロセスでは、請求書に「照合が必要」保留が適用されます。これは、請求書が購買オーダー、受入または消費通知と照合されていない場合に発生します | はい |
未検証請求書 | このオプションを使用可能にした後で作成された請求書には、請求書検証プロセスによって「サプライヤ」保留が適用されます。それより前に入力され、検証された請求書の支払は可能です | はい |
システム保留
例外条件がある場合、請求書検証プロセスによって自動的にシステム保留が適用されます。たとえば、請求書配分の合計が請求書明細金額と一致しない場合、請求書に配分差異保留が適用されます。
システム保留を手動で設定することはできず、特定のシステム保留を手動で解除することもできません。かわりに、請求書または購買オーダーを更新し、請求書を検証することによって例外条件を訂正し、保留を解除する必要があります。たとえば、配分差異保留を解決するには、配分金額を調整し、請求書を検証します。
その他の保留
買掛管理では、これらの事前定義済のその他の保留を請求書に適用することもできます。
保留名 | 保留事由 | 保留の配置 | 会計処理の許可 | 手動解除の許可 | 保留削除 |
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レートなし | 外貨請求書の換算レートがありません | 請求書検証 | いいえ | いいえ |
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すべての支払 | 請求書のサプライヤ・サイトに対して、全支払の保留オプションを有効にしました。 | 請求書は保留されませんが、このオプションが有効なので、サプライヤ・サイトの請求書の支払はできません。 | はい | 該当なし |
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サプライヤ | サプライヤのすべての未検証請求書を保留します | 請求書検証 | はい | はい |
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