ALTER CREDENTIALSTORE
このコマンドは、ユーザー名およびパスワードとともに接続の詳細が格納されたデータベース資格証明を含む資格証明ストア別名を作成するために使用します。資格証明ストアの別名は、デプロイメント内でデータベース接続を確立するために使用できます。
MA Webインタフェースからのデータベース接続を構成するには、データベース資格証明の追加と変更を参照してください。
資格証明ストアの使用は、NonStopプラットフォームではサポートされていません。
構文
ALTER CREDENTIALSTORE
{ADD USER {userid|userid@dbhost:dbport/dbname[;connection_options]|userid@odbc-dsn
|DELETE USER userid| REPLACE USER userid}
[ALIAS alias]
[Domain domain]
[PASSWORD password|NOPASSWORD]
-
ADD USER {userid|userid@dbhost:dbport/dbname[;connection_options]|userid@odbc-dsn}
userid
-
指定したユーザーを資格証明ストアの別名に追加します。
ALIAS
オプションを使用しない場合、別名はuserid
の名前にデフォルト設定されます。DOMAIN
オプションを指定しない場合、ドメインはOracleGoldenGateドメインにデフォルト設定されます。CDBとPDBでユーザーが異なるマルチテナントOracleデータベースの場合、資格証明ストアにデータベース・ユーザーを追加するときに@tns_service_name
を指定する必要があります。 -
userid@dbhost:dbport/dbname[;connection_options]
- Oracleデータベース、MySQL、SQL Server、PostgreSQL、Db2など、接続文字列をサポートするデータベースの場合、指定したユーザーおよび接続情報を資格証明ストア別名に追加します。接続文字列情報には、データベース・サーバー名、データベース・ポートおよびデータベース名が含まれている必要があります。接続文字列に追加できる追加の接続オプションを(データベースごとに)次に示します:
データベース接続の詳細を指定して別名を作成する際には、
ALIAS
オプションが必要です必要な接続フォーマットは次のとおりです:
userid@
databasehost
:databaseport
/databasename;option1;option2;option3たとえば:
ALTER CREDENTIALSTORE ADD USER ggadmin@server_west:1434/sourcedb PASSWORD ***** ALIAS SourceMSSQLConnection
-
userid @
odbc-dsn
- Db2 for i Series、Db2 LUW、Db2 z/OS、SQL ServerおよびPostgreSQLなど、ODBCを介したDSN接続をサポートするデータベースの場合、DSN接続情報を資格証明ストアに追加します。DSN接続の詳細がシステムに(たとえば、Linux用の
odbc.ini
ファイルに、またはODBCデータ・ソースの64ビット・クライアントを使用してWindowsで作成されたシステムDSNとして)存在している必要があります。DSNを指定して別名を作成する際には、
ALIAS
オプションが必要です。必要な接続フォーマットは次のとおりです:
userid@odbc-dsn
たとえば:
ALTER CREDENTIALSTORE ADD USER ggadmin@sourcedsn PASSWORD ***** ALIAS SourceMSSQLConnection
-
DELETE USER userid
-
指定したユーザー、別名およびドメインの資格証明別名を削除します。
ALIAS
オプションを指定しない場合、別名はuserid
の名前にデフォルト設定されます。DOMAIN
オプションを指定しない場合、資格証明ストアはOracleGoldenGateドメインにデフォルト設定されます。たとえば:
ALTER CREDENTIALSTORE DELETE USER ggadmin ALIAS src_user
-
REPLACE USER userid
-
指定した別名のユーザーを置換します。既存のユーザーのパスワードの変更にも使用できます。
ALIAS
オプションを指定しない場合、別名はuserid
の名前にデフォルト設定されます。DOMAIN
オプションを指定しない場合、資格証明ストアはOracleGoldenGateドメインにデフォルト設定されます。PASSWORD
オプションを使用しない場合、指定したユーザーのパスワードを入力するよう求められます。データベース接続情報を含むユーザーのパスワードを変更する際には、現在のuserid
の完全な値を含める必要があります。そうしないと、このコマンドにより、ユーザーは指定した新しい値に置換されます。次の例は、既存のユーザー
ggadmin@sourcedsn
、別名SourceMSSQLConnection
のパスワードを変更する方法を示しています。ALTER CREDENTIALSTORE REPLACE USER ggadmin@sourcedsn PASSWORD newpassword ALIAS SourceMSSQLConnection
この例は、pdbeast
別名のユーザーggadmin
を新しいユーザーに変更する方法を示しています。変更の際には、パスワードの入力を求められます。
ALTER CREDENTIALSTORE REPLACE USER ggadmin ALIAS pdbeast DOMAIN Production
-
ALIAS
alias
-
ユーザー名に対して別名を指定します。ユーザー名をパラメータ・ファイルまたはコマンドに指定したくない場合にはこのオプションを使用します。
ALIAS
を指定しない場合、別名はデフォルトでUSER
の名前になり、ログインが必要な場合に、これがパラメータ・ファイルおよびコマンドで使用される必要があります。ADD USER
オプションをALIAS
とともに使用することで、ユーザーに対し、それぞれが異なる別名を含む複数のエントリを作成できます。
-
Connection Options
-
これらは、SSL属性など、資格証明別名に追加できるオプションの接続文字列設定です。これらは、セミコロンで区切られた属性のリストとして指定する必要があります。たとえば、
option1=value1;option2=value2;option3=value3
で、ここでのoptionは、データベース固有のプロパティとその使用可能な値です。SSL属性など、資格証明別名に追加できるその他の接続文字列オプションのリストを次に示します。
ノート:
Oracle GoldenGate Microservices Architectureは、特定のSSLパラメータを環境変数として構成することで、SSL接続をサポートします。ただし、この構成により、ExtractおよびReplicatプロセスがデプロイメントに定義されたSSL環境変数のみを使用して接続するように制限され、他のSSL接続や非SSL接続は不可能になります。しかし、資格証明ストアの別名を使用することで、同じデプロイメント内で様々なデータベース接続用に様々なSSLパラメータや非SSLパラメータで資格証明を構成できる柔軟性も得られます。 -
sslCA
-
MySQLおよびPostgreSQL専用。PEM形式のSSL証明書の信頼性を検証するために使用される証明書。
-
sslCert
-
MySQLおよびPostgreSQL用。PEM形式のクライアントのSSL証明書ファイル。
-
sslCrl
-
MySQL用。PEM形式の証明書失効リストを含むファイルの名前。
-
sslKey
-
MySQLおよびPostgreSQL用。PEM形式のクライアントの秘密キー・ファイル。
-
sslMode
-
MySQLおよびPostgreSQL用。sslModeパラメータ値は、大文字のみで指定します。MySQLのsslModeオプションは、
VERIFY_IDENTITY、VERIFY_CA, REQUIRED、PREFERRED
です。PostgreSQLのsslModeオプションは、VERIFY-FULL、VERIFY-CA, REQUIRE、PREFER
です。sslMode=VERIFY_IDENTITY
の場合、sslPath、sslCa、sslCertおよびsslKeyを指定する必要があります。sslMode=VERIFY_CA
の場合、sslPathおよびsslCaを指定する必要があります。 -
sslPath
-
MySQL専用。PEM形式の信頼できるSSL認証局(CA)証明書ファイルが格納されるディレクトリのパス。
-
DOMAIN
domain
-
指定したドメイン名に資格証明別名を保存します。
デフォルト・ドメインはOracleGoldenGateです。一意のドメイン名を選択することで、同じ資格証明ストアを使用する複数のOracle GoldenGateインストールで同じ別名を使用できます。たとえば、システム1の管理者が、システム1で使用されるのと同じ資格証明をシステム2にアクセスさせたくない場合があります。このような資格証明は、たとえば
DOMAIN system1
の下にALIAS
pdbeast
として保存できます。一方で異なる資格証明のセットをDOMAIN system2
の下のALIAS pdbeast
に保存できます。
-
NOPASSWORD | PASSWORD
password
-
ユーザーのパスワードは、
PASSWORD
オプションを使用して指定します。このオプションを使用すると、パスワードはエコーされます(不明瞭化されません)。このオプションを省略すると、コマンドはパスワードを要求しますが、入力時に不明瞭化されます(より安全な方法として推奨されます)。Oracle GoldenGate 23aiでは、パスワードの最大長1024バイトがサポートされています。
Kerberos認証またはIDCSを使用するなどの外部認証ではパスワードは必要ないため、外部認証を使用する場合は、
NOPASSWORD
オプションがPASSWORD
オプションのかわりになります。NOPASSWORD
オプションを設定すると、パスワードを使用せずにDBLOGIN
コマンドを使用してデータベースにアクセスできます。Oracle GoldenGateリファレンスの
USERIDALIAS
パラメータも参照してください。
例
-
この例では、
ggadmin
というユーザーが追加されますが、PASSWORD
の指定は省略されているため、プラガブル・データベースpdbeast
のパスワードを入力するよう求められます。ALTER CREDENTIALSTORE ADD USER ggadmin Password: ********
-
この例では、ユーザー
ggadmin
をそのパスワードtiger
を使用して追加し、別名をpdbeast
として指定します。ALTER CREDENTIALSTORE ADD USER ggadmin PASSWORD tiger ALIAS pdbeast
-
この例では、ユーザー
ggadmin
をOracleGoldenGate
のドメインに追加します。ALTER CREDENTIALSTORE ADD USER ggadmin@dbnorth ALIAS pdbeast DOMAIN OracleGoldenGate Password: ********
-
この例では、簡易接続ネーミング・メソッドを使用してユーザー
ggadmin
を追加します。ALTER CREDENTIALSTORE ADD USER ggadmin@dbnorth:1521/dbservice_north ALIAS pdbnorth
-
この例では、2つの
ALTER CREDENTIALSTORE
コマンドを発行し、それぞれがggadmin
エントリを追加しますが別名は異なります。ALTER CREDENTIALSTORE ADD USER ggadmin@dbeast ALIAS pdbeast Password: ******** ALTER CREDENTIALSTORE ADD USER ggadmin@dbwest ALIAS pdbwest Password: ********
-
次に、
DELETE USER
オプションの、ALIAS
オプションがある場合とない場合の動作を示します。次のコマンドは、
ALIAS
がユーザー名と同じuser1
エントリを削除します。ALTER CREDENTIALSTORE DELETE USER ggadmin Alias: pdbeast Userid: ggadmin
次のコマンドは、別名
pdbeast
に関連付けられているユーザーggadmin
のエントリを削除します。ALTER CREDENTIALSTORE DELETE USER ggadmin ALIAS pdbeast Alias: pdbeast Userid: ggadmin
-
次の例では、ユーザー値としてSQL*Net接続文字列を使用します。この場合、
PASSWORD
オプションは省略されます。コマンドを発行したユーザーはパスワードの入力を求められます。パスワードは非表示です。ALTER CREDENTIALSTORE ADD USER ggadmin@pdbeast ALIAS pdbeast
- この例では、ドメイン名Oracle GoldenGateをユーザーID
ggadmin
および別名pdbeast
でAdmin Clientに作成します。ALTER CREDENTIALSTORE ADD USER ggadmin ALIAS pdbeast Password:
- 次の例では、
BEQ-Bequeath Protocol
アダプタを使用している場合に接続修飾子を使用して接続します。BEQ-Bequeath Protocol
アダプタを使用したセキュアな接続の確立の詳細は、セキュアなデータベース接続の構成を参照してくださいALTER CREDENTIALSTORE ADD USER ggadmin@inst1_beq
-
次の例(Admin Client)では、
ggadmin
という名前のユーザーを外部認証を使用して追加するため、NOPASSWORD
オプションを使用します。ALTER CREDENTIALSTORE ADD USER ggadmin@dbeast nopassword alias pdbeast
出力には次が表示されます。
2020-06-22T21:08:33Z INFO OGG-15102 Credential store created.
INFO CREDENTIALSTORE
コマンドを実行すると、資格証明ストアへのユーザーの追加を確認できます:INFO CREDENTIALSTORE Default domain: OracleGoldenGate Alias: pdbeast Userid: @ggadmin
NOPASSWORD
オプションを使用するように資格証明ストアを更新すると、データベースのKerberos認証でDBLOGIN
コマンドを使用できます。DBLOGIN USERIDALIAS pdbeast
出力:
Successfully logged into database pdbeast.
- MySQL
-
MySQLの管理クライアントで資格証明を作成する例を次に示します。
- SQL Server
-
次の例では、DSNを使用して資格証明ストアにデータベース接続の詳細を追加します。
ALTER CREDENTIALSTORE ADD USER ggadmin@mydsn PASSWORD ***** ALIAS pdbeast