4.3.18.1 CLONE GUEST

このコマンドは、既存のVMゲストをクローニングし、ストレージ、ユーザーおよびOracle RACインスタンスを含む完全に機能する新しいゲストを作成します。

前提条件

仮想マシン(VM)ゲストをクローニングする前に、My Oracle Supportから適切なソフトウェア・イメージをダウンロードして、ファイルを抽出する必要があります。Oracle Grid InfrastructureおよびOracle Databaseの抽出された"klone.zip"ファイルを、新しいゲスト・クローンが作成されるVMホストの/EXAVMIMAGES/onecommand/<platform>/WorkDirディレクトリに配置します。

構文

CLONE GUEST
   { SRCNAME=source_guest TGTNAME=target_guest | 
     TGTNAMES=target_guests }
[ WHERE
     STEPNAME=stepname ]
SET PARENT NAME=parent_name 
[ SET ADMINNET NAME=admin_name IP=admin_ip [ GATEWAY=gateway NETMASK=netmask ] ]
[ SET BACKUPNET NAME=backup_name IP=backup_ip ]
SET PRIVNET NAME1=priv_name_1 IP1=priv_ip1 NAME2=priv_name_2 IP2=priv_ip2 
[ SET INTERCONNECT NAME1=priv_name_1 IP1=priv_ip1 NAME2=priv_name_2 IP2=priv_ip2 ]
SET CLIENTNET NAME=client_name IP=client_ip [ NATHOSTNAME=nat_host_name NATIP=nat_ip NATDOMAINNAME=nat_domain_name, NATNETMASK=nat_netmask ]
SET VIPNET NAME=vip_name,IP=vip_ip
[ SET VCPU COUNT=guest_cpu ]
[ SET VMEM SIZE=guest_memory ]

引数

  • SRCNAME: 新しいゲストVMの生成元にする既存のゲストVMの名前を指定します。
  • TGTNAME: クローン操作で作成する新しいゲストVMのホスト名を指定します。
  • TGTNAMES: 追加する新しいゲストVMのカンマ区切りリストを指定します。

  • STEPNAME: 実行するデプロイメント・ステップを指定します。次のうちのいずれかになります。

    • CREATE_GUEST
    • CREATE_USERS
    • CELL_CONNECTIVITY
    • CONFIG_CLUSTERWARE
    • RUN_ROOTSCRIPT
    • EXTEND_DBHOME
    • ADD_INSTANCE

WHERE STEPNAME=CREATE_GUEST句にCLONE GUESTを指定したとき、またはWHERE STEPNAME句を使用しないでCLONE GUESTを指定したときには、次の追加設定を指定できます。

  • PARENT: 新しいゲストをホストする仮想マシン(VM)ホスト(Oracle Linux KVMまたはOracle VM)の名前を指定します。

  • ADMINNET : 管理ネットワークに使用するDNS名とIPアドレスを指定します。また、オプションで管理ネットワークのゲートウェイとネットマスクを指定します。

  • BACKUPNET: バックアップ・ネットワークに使用するDNS名とIPアドレスを指定します。DNS名には、オプションでドメイン名を含めることもできます。バックアップ・ネットワークのないゲストには不要です。

  • PRIVNET : 1つ目と2つ目のプライベート・ネットワークに使用する名前とIPアドレスを指定します。

  • INTERCONNECT: 計算ノードがExadata Secure RDMA Fabric IsolationまたはInfiniBandセキュリティ(PKEYS)で構成されている場合にのみ必要です。1つ目と2つ目のプライベート・ネットワークに使用する名前とIPアドレスを指定します。

  • CLIENTNET : クライアント・ネットワークに使用するDNS名とIPアドレスを指定します。ネットワーク・アドレス変換(NAT)をサポートするために、ホスト名、IPアドレス、ドメイン名およびネットマスクの詳細をオプションとして含めることができます。

  • VIPNET: 仮想IP (VIP)ネットワークに使用するDNS名とIPアドレスを指定します。

使用上のノート

  • Exadata Secure RDMA Fabric IsolationまたはInfiniBandセキュリティ(PKEYS)による構成の場合、INTERCONNECTではデータベース・ノードを接続するプライベート・ネットワークを定義し、PRIVNETではプライベート・ストレージ・ネットワークを定義します。

  • ゲスト・ドメインのクローニング時に使用するXML構成ファイルをロードする場合、XMLファイルには、定義されているがゲスト・ドメインに拡張されているクラスタには割り当てられていないソースVMの管理ドメイン(dom0)ノードが必要です。

  • 新しいゲスト・ドメインの追加を反映する新しいXMLファイルを使用できるように、アクションをマージした後に、変更したXMLファイルを保存する必要があります。

  • CLONE GUESTコマンドを使用して、同じクラスタにVMがすでに含まれているサーバーにVMを追加できます。そのため、1つのVMホストに、同じクラスタのメンバーである複数のVMが含まれる構成を作成できます。ただし、この機能は、Exadata Secure RDMA Fabric Isolationで構成されていないシステムでのみ使用できます。

  • デプロイメント時に、クローンのゲストは、クライアント・ネットワーク構成やバックアップ・ネットワーク構成(存在する場合)など、ソース・ゲストから様々な構成属性を継承します。

    すべてのKVMホストに同じネットワーク構成がある場合、継承された属性は期待どおりに機能します。

    ただし、新しいKVMホストで別の物理ネットワーク構成が使用されている場合、クローンのゲストのデプロイメントは失敗します。この状況は、Exadataシステムに異なるバージョンの計算ノード・ハードウェアが含まれている場合に最も発生しやすくなります。たとえば、X10MサーバーをX8M-2ラックに追加する場合です。

    この場合、デプロイメントの前にALTER NETWORKコマンドを使用して、関連するネットワーク定義を手動で調整する必要があります。詳細はOracleサポートにお問い合せください。

例4-24 ゲストVMのクローニング

この例では、クラスタ内の既存のノードから新しいゲストをクローニングする方法を示します。この例では、ソース・ノード名はexa01adm01vm01.example.comで、新しいノードはexa01adm03vm01.example.comです。一連のSETコマンドを使用して、新しいゲストVMの構成を指定します。

この例の最初にロードされたXMLファイルにはdom0ノード(host01adm01.example.com)が定義されていますが、ゲストに拡張されているクラスタに割り当てられていません。

oedacli> LOAD FILE NAME=exa01-pre-cloning-node3.xml
oedacli> CLONE GUEST SRCNAME='exa01adm01vm01.example.com' TGTNAME='exa01adm03vm01.example.com'
oedacli> SET PARENT NAME='exa01adm03.example.com'
oedacli> SET ADMINNET NAME='exa01adm03vm01.example.com' IP='10.xxx.xx.x'
oedacli> SET CLIENTNET NAME='exa01client03vm01.example.com' IP='10.xxx.xx.x'
oedacli> SET PRIVNET NAME1='exa01adm03vm01-priv' IP1='192.168.16.8' NAME2='exa01adm01vm03-priv2' IP2='192.168.16.9'
oedacli> SET VIPNET NAME='exa01client03m01-vip.example.com' IP='10.xxx.xx.x'
oedacli> SAVE ACTION
oedacli> MERGE ACTIONS
oedacli> SAVE FILE NAME='exa01-cloned-node3-rac.xml'
oedacli> DEPLOY ACTIONS

例4-25 TGTNAMESを使用した複数のゲストのクローニング

この例では、dbguest23をクローニングし、新しいゲストdbguest24およびdbguest25を作成します。TGTNAMES引数を使用すると、新しいゲストはいずれも最終のDEPLOY ACTIONSで同時にデプロイされます。

CLONE GUEST SRCNAME='dbguest23' TGTNAME='dbguest24'
SET ADMINNET name='dbguest24' ip='10.128.161.202'
...
SAVE ACTION FORCE

CLONE GUEST SRCNAME='dbguest23' TGTNAME='dbguest25'
SET ADMINNET name='dbguest25' ip='10.128.161.203'
...
SAVE ACTION FORCE

CLONE GUEST TGTNAMES='dbguest24,dbguest25'

SAVE ACTION
MERGE ACTIONS
DEPLOY ACTIONS

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