8.5.1 Oracle Exadata Database Serverの更新の概要
データベース・サーバーの更新時には、複数のソフトウェアを更新する必要があります。
Oracle Exadataデータベース・サーバー・リリースの更新には、データベース・サーバー内の次のコンポーネントに対する更新が含まれています:
- Oracle Linuxオペレーティング・システム
- ファームウェア(ディスク、RAIDコントローラ、ILOM、HCA)
- Oracle Exadata System Software
特定のリリースで更新されるソフトウェアおよびファームウェアのコンポーネントは、データベース・サーバーが実行されている現在のOracle Exadata System Softwareリリースおよび更新先のリリースによって異なります。Oracle Linuxオペレーティング・システム・パッケージおよびOracle Exadata System Softwareは常に更新されますが、ファームウェアは選択した少数のコンポーネントに対して更新されたり、まったく更新されないことがあります。
Oracle Exadataデータベース・サーバーに対する更新は、My Oracle Supportノート888828.1で特に指定されている場合を除き、ストレージ・サーバーまたはRDMAネットワーク・ファブリック・スイッチとは関係なく適用できます。
データベース・サーバーの更新は、常にインプレースで実行されます。つまり、アクティブなオペレーティング・システムが更新されます。実際の更新はYUMを使用して実行されますが、これを実行するコマンドはpatchmgrというOracle Exadataユーティリティにラップされています。
更新処理中の検証ステップと準備ステップの厳密な順序を維持するために、YUMコマンドは更新ユーティリティにラップされています。また、Oracle提供のユーティリティを使用することで、既知の問題に対する修正の適用およびベスト・プラクティスを強制できます。
Oracle ClusterwareプロセスおよびOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)データベース・インスタンスが、更新対象のデータベース・サーバー上で実行されていない必要があります。アプリケーション・レベルの影響を軽減するには、テクニカル・リファレンス・ペーパー『高可用性Oracle Databaseでのクライアント・フェイルオーバーのベスト・プラクティス』で説明されているクライアント・フェイルオーバーのベスト・プラクティスに従ってください。
クラスタ全体の停止時間が許容されない場合は、ローリング方式でデータベース・サーバーを更新できます。つまり、一度に1つのデータベース・サーバーを更新します。クラスタ全体の停止時間が許容される場合は、すべてのデータベース・サーバーをパラレルに更新できます。非ローリング更新は、更新の完了までにかかる全体的な時間が短縮されますが、データベースの完全な停止が発生します。