8.11.3 Exadataデータベース・サーバーの依存性問題が原因で失敗した前提条件チェックのトラブルシューティング
カスタムrpmがインストールされているExadataデータベース・サーバーで前提条件チェックまたは更新を実行すると、競合によって前提条件チェックまたは更新が失敗する場合があります。
前提条件チェックまたは更新を行うときに、更新ユーティリティは2つの依存性チェックを実行します。Minimum依存性に対するチェックと、Exact依存性に対するチェックです。
依存性の失敗をトリアージするには、ログ・ファイルを調べます。これは、ターゲットのExadataデータベース・サーバー上のdbnodeupdate.log
である場合と、更新ユーティリティ(patchmgr)の起動元のログ・ディレクトリにある<hostname>_dbnodeupdate.log
である場合があります。
ログ・ファイルで各実行の先頭を特定するには、zzz
で始まる行を検索します。次に例を示します:
zzz - /u01/patches/YUM/dbnodeupdate.sh called with arguments -u -l
/u01/patches/YUM/p23564643_121232_Linux-x86-64.zip -v -N at 2016-08-23 23:31:54
日付スタンプは、調査対象の実行の時間と一致する必要があります。各実行は一意のrunid
で識別され、これは、次のように、同じログ・ファイルの各実行の先頭に出現することもあります。
[1472009516][2016-08-23 23:31:59 -0400][INFO][/u01/patches/YUM/dbnodeupdate.sh][InitLogfile][] # dbnodeupdate.sh script rel.
: 5.160809 started at (runid :230816233155)
カスタムrpmがある場合は、固有の実行のdiagファイルを調べると、それをチェックすることもできます。diagファイルはrunidで識別され、ターゲットのExadataデータベース・サーバー上の/var/log/cellos
か、更新ユーティリティを駆動しているディレクトリにあります。この例では、ファイル名はdbnodeupdate.230816233155.diag
になっています。そのファイルで、RunDetectCustomRpmsSh
およびrpm -qa --qf "%{n}-%{v}-%{r}.%{arch}"\n
というヘッダーのセクションを探します。インストール済の(追加の)パッケージがある場合は、それに関する詳細を確認できます。
ログ・ファイルで、依存性チェックの結果について、開始(zzz
)から下方向にExact dependencies
(大文字小文字が区別されます)を検索します。この場合、次のようになっています。
Exact dependencies : Will fail on a next update Minimum dependencies : Will fail on a next update
Minimum依存性チェックにパスするかぎり、更新または前提条件チェックは失敗しません。MinimumとExactの両方の依存性が失敗した場合は、エラーの原因を特定する必要があります。
エラーの原因となっている依存性を見つけるには、[ExecUpgrade][] Performing yum package dependency
を検索します。ここが、YUM(通常はテスト実行が先)が実行される場所です。依存性問題があるときには、Error:
で始まるYUMメッセージが表示されます。次に例を示します:
--> Finished Dependency Resolution
Error: Package: krb5-devel-1.10.3-33.el6.x86_64 (@ol6_latest)
Requires: krb5-libs = 1.10.3-33.el6
Removing: krb5-libs-1.10.3-33.el6.x86_64 (installed)
krb5-libs = 1.10.3-33.el6
Updated By: krb5-libs-1.10.3-42z1.el6_7.x86_64 (exadata_generated_160616114412)
krb5-libs = 1.10.3-42z1.el6_7
You could try using --skip-broken to work around the problem
この例のエラー・メッセージによると、krb5-devel-1.10.3-33.el6.x86_64 (krb5-devel)
パッケージはExadata以外のチャンネル(ol6_latest
)からインストールされています。このkrb5-devel
パッケージは、krb5-libs
に依存しています。ただし、このExadata更新ではkrb5-libs
パッケージを使用できません。krb5-devel
を更新しないでkrb5-libs
を更新することはできないため、依存性チェックは失敗します。krb5-devel
の新規バージョンがExadata更新に含まれていないため、パッケージは事前更新するか削除する必要があります。事前更新とは、Exadata更新を実行する前に個々のパッケージを手動で更新することです。これを行うには、rpm -Uvh <package-name>
コマンドを使用します。
カスタム・パッケージを削除することをお薦めします。次のrpmコマンドを使用してください。
[root@dm01 ]# rpm –e krb5-devel
エラーの原因となっているrpmを削除した後、更新または前提条件チェックを再起動します。
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