6.1 ESCLIの起動と使用

このトピックでは、Exascaleコマンドライン・インタフェース(ESCLI)を起動および使用する方法について説明します。

ESCLIは、Exadataコンピュート・ノードおよびストレージ・サーバー上にあるコマンドライン管理ツールです。ESCLIを使用すると、Exascaleのモニタリングおよび管理機能を実行できます。ESCLIは、Exadataセル・コマンドライン・インタフェース(CellCLI)と連携して動作し、置き換りません。

ESCLIを使用するには、Exascaleユーザー・アカウントと、Exascaleユーザー・アカウントのデジタル・キー・ストア(ウォレット)にアクセスできる必要があります。

ESCLIを起動するには、次のコマンドライン構文を使用します:

$ escli [ --wallet wallet-location ] [ --ctrl server[:port] ] [ ESCLI-command ]

コマンドラインの説明:

  • --wallet wallet-location: Exascaleへの認証に使用するウォレットを識別します。ウォレットの場所を指定しない場合、ESCLIはローカル・サーバーをチェックし、デフォルトのローカルExascaleユーザーのウォレットを探そうとします。

  • --ctrl server[:port]: Exascale制御サービス(Exascale RESTfulサービス(ERS)とも呼ばれる)に接続するためのエンドポイント・アドレスを指定します。コマンドラインでERSアドレスを指定しない場合、ESCLIはユーザーのウォレットに格納されているERSアドレスに接続します。

  • ESCLI-command: すぐに実行するESCLIコマンドを指定します。次に例を示します:

    $ escli --wallet /home/user/user.wallet ls -l @MYDATA
    Total 5
      10.0M   05 Jan 12:59 x 
      19.5k   05 Jan 13:08 y 
       5.0k   05 Jan 13:09 z1 
      10.0M   05 Jan 13:23 z2 
      20.0G   05 Jan 13:14 z3 
    $

escliコマンドラインでESCLIコマンドを指定しない場合、ESCLIは対話型セッションを開始し、コマンド・プロンプトを表示します。対話型セッション中、一連のESCLIコマンドを実行できます。対話型セッションは、exitコマンドで終了します。次に例を示します:

$ escli --wallet /home/user/user.wallet
@> ls 
MYDATA
VAULT2 
@> cd @MYDATA
@MYDATA/> ls -l
Total 5
  10.0M   05 Jan 12:59 x 
  19.5k   05 Jan 13:08 y 
   5.0k   05 Jan 13:09 z1 
  10.0M   05 Jan 13:23 z2 
  20.0G   05 Jan 13:14 z3 
@MYDATA/> exit
$

対話型セッション中、ESCLIは[Tab]キーを使用したコマンドの自動補完をサポートします。[Tab]キーを押すと、ESCLIは現在のコマンド・トークンを補完しようとします。複数の可能性が存在する場合、ESCLIは選択肢のリストを提示します。次に例を示します:

@> lsc<tab>
lscell                    (List all cells in the cluster)
lscelldisk             (Lists cell disks in this cluster)
lscluster                      (List cluster information)
lscomputeserver (List all compute servers in the cluster)

コマンドの自動補完はコマンド内でも機能し、コマンド・オプションを提案または補完します。次に例を示します:

@> lscluster --<tab>
--attributes                       (Lists the specified attributes)
--backup                              (List only backup attributes)
--count                       (Maximum number of results to report)
--detail                  (Lists all attributes in a detailed form)
--filter (Used to specify conditions for filtering the list output)
--sort     (Used to sort the output using the specified attributes)
--volume                              (List only volume attributes)