7.7.1.14 ALTER SOFTWAREUPDATE

用途

ソフトウェア更新をスケジュールするには、SOFTWAREUPDATE属性を設定します。ALTER SOFTWAREUPDATEコマンドでは、変更可能なソフトウェア更新属性を変更して、ソフトウェア更新の事前要件を検証したり、アップグレードを即座に開始できます。

exacliを使用してALTER SOFTWAREUPDATEコマンドを実行することもできます。

構文

ALTER SOFTWAREUPDATE {VALIDATE PREREQ | UPGRADE [FORCE] | attribute = attribute value [,attribute = attribute value...]}

ALTER SOFTWAREUPDATEコマンドのオプション

  • VALIDATE PREREQ

    ソフトウェア更新の事前要件チェック・ステップを実行します。これにより、store属性で指定された更新に対して、ソフトウェア更新の事前要件コードがダウンロードされます。これらのチェックは、更新の一部として自動的に実行されます。事前要件チェックを明示的に実行する場合にのみ、このオプションを使用します。検出されたエラーが表示されます。VALIDATE PREREQコマンドでエラーが検出された場合、ステートフル・アラートが発生します。

  • UPGRADE [FORCE]

    ソフトウェア更新のstore属性で指定されたソフトウェアの場所を使用して、ソフトウェア更新(事前要件ステップを含む)を実行します。ソフトウェア更新のtime属性で指定された時間待機するのではなく、即座に更新を実行する場合、このコマンドを使用します。

    FORCEを指定した場合、事前要件チェックでエラーが検出されても、アップグレードは続行します。

  • attribute = attribute value

    指定したソフトウェア更新属性を指定した値に変更します。

SOFTWAREUPDATEの属性

ALTER SOFTWAREUPDATEコマンドの次の属性は変更可能です。

  • frequency: frequency属性を必要な頻度に設定すると、ストレージ・サーバーの定期更新が自動的に実行されます。{none | daily | weekly | biweekly }のいずれかの値を指定できます。frequencyに指定された値が''またはnoneの場合、スケジュールされた更新は1回のみ実行されます。値noneは、Oracle Exadata System Softwareリリース19.1.0以降のfrequencyに使用できます。
  • name: 更新で使用するパッチの名前。これには、18.1.1.0.0.171018などのソフトウェア・バージョンの文字列が含まれています。ALTER SOFTWAREUPDATE UPGRADEまたはALTER SOFTWAREUPDATE VALIDATE PREREQコマンドを使用する場合、ソフトウェア・ストアがチェックされ、name属性が(まだ設定されていない場合は)ソフトウェア・ストア内の使用可能な最新バージョンに自動的に設定されます。それ以外の場合、name属性の値はunknownになります。ストア・サイトで複数のソフトウェア・バージョンが存在する場合、この属性を使用して、使用するバージョンを指定できます。

    My Oracle Supportからダウンロードしたパッチは、p26875767_181100_Linux-x86-64.zipなどの異なる名前形式を使用しています。Oracle Exadata System Software 18c (18.1.0)または18c (18.1.1)を使用している場合、ダウンロードしたパッチ・ファイルの名前を変更して、18.1.1.0.0.171018などの名前にする必要があります。Oracle Exadata System Softwareリリース18.1.2以降、ALTER SOFTWAREUPDATEコマンドは、p26875767_181100という形式のパッチ名を受け入れます。

  • store: ソフトウェア・ストアの場所のURL。

    ネットワーク・ストアの場所の指定に、HTTPまたはHTTPSプロトコルを使用する場合:

    • 管理ネットワークまたはRDMAネットワーク・ファブリックを使用して、URLにアクセスできる必要があります。

    • MSによって、必要なソフトウェア更新ファイルが自動的に検出され、ダウンロードされます。

    • ダウンロードされたソフトウェア更新ファイルのローカル・ステージングの場所は/root/swupdate or /var/swupdateです。

    また、FILEプロトコルを使用して、ローカル・ストアのURLを指定することもできます。ローカル・ストアを使用する場合:

    • MSでは、パッチzipファイルのダウンロードや関連する領域チェックの実行は必要ありません。

    • MSでは、ローカルのソフトウェア・ストアのコンテンツが管理されません。パッチ適用前に必要なパッチ・ファイルをダウンロードして、その後でファイルを削除して領域を解放する必要があります。

    • ファイルURLには、次のいずれかの形式を使用する必要があります。

      • file:///localpath
      • file:/localpath
  • time: ソフトウェア更新を実行する未来の日時。時間は、"1 AM, next Tuesday"などのローカルの非公式な日時として指定できます。日時が有効な場合、この属性の設定による出力では、タイムゾーン・オフセットを使用した標準形式(2017-08-22T01:00:00-08:00など)で解釈された時間を表示します。

    この属性を空の文字列""に設定した場合、スケジュールされたソフトウェア更新は取り消されます。

  • timeLimitInMinutes: 更新は、ディスク・グループの冗長性を維持するために、他のストレージ・サーバーで更新が完了するのを待機する場合があります。デフォルトでは、更新の待機に費やすことができる時間に制限はありません。この属性には、ストレージ・サーバーが更新の待機に費やす時間(分)を表す正の最大整数を設定できます。更新が制限によって指定された時間内に開始しない場合、更新は取り消され、更新のアラートがレポートされます。

使用上のノート

  • トレージ・サーバー・ソフトウェアは、未使用のシステム・パーティションで最初に更新されます。その後、指定されたスケジュールに従って、ストレージ・サーバーは更新されたパーティションから起動し、更新をアクティブ化します。
  • ソフトウェアがダウンロードされると、前提条件チェックがスケジュールされた更新時間の前の週までに開始されます。
  • 更新の進行状況は、変更できないソフトウェア更新のstatus属性を表示することにより監視できます。
  • アップグレード・ソフトウェアがすでにインストールされている場合、ソフトウェア更新は行われません
  • dcliまたはexacliを使用して、ALTER SOFTWAREUPDATEコマンドで更新をスケジュールおよびインストールできます。
  • ソフトウェア更新では、ソフトウェアのダウンロード用にHTTPSトランスポートの使用をサポートしています。HTTPSを使用している場合、デフォルトでTLS証明書チェックが実行されます。リモート・サーバーの証明書を検証できない場合、次のエラーがレポートされます。

    CELL-00076: An error occurred during download of software update:
    source https://hostname:port is not available.
    CELL-00092: The store's TLS certificate cannot be authenticated with known CA certificates.

    これは、リモート・サーバーが自己署名した証明書を使用している場合、またはストレージ・サーバーのCAストアに含まれていない認証局(CA)によって署名された証明書をリモート・サーバーが使用している場合、発生する可能性があります。次の手順を使用して、CA証明書をストレージ・サーバーのCAストアに追加できます。これは、ストレージ・サーバーでrootとしてシェルにアクセスする必要があるセキュリティ設定ステップです。

    1. リモート・サーバーを検証できるCA証明書を取得します。証明書は、PEMまたはDERファイル形式で格納する必要があります。
    2. このファイルをストレージ・サーバーの/etc/pki/ca-trust/source/anchors/ディレクトリにコピーします。
    3. 次のコマンドを実行します:
      update-ca-trust enable
      
      update-ca-trust extract

    オペレーティング・システムのmanユーティリティを使用して、update-ca-trustコマンドの詳細情報を取得します。

例7-67 ソフトウェア更新のtime属性の変更

スケジュールした次回のソフトウェア更新の時間を木曜日の午前1時に変更します。

CellCLI> ALTER SOFTWAREUPDATE time = "1 AM Thursday"
CELL update is scheduled to begin at 2017-08-24T01:00:00-08:00

例7-68 ソフトウェア更新のstore属性の設定

この例は、HTTPSプロトコルを使用する場所にstore属性を設定する方法を示しています。

ALTER SOFTWAREUPDATE store="https://my-exa-store/cell"

例7-69 ソフトウェア更新の即時開始

この例は、すでに指定した属性値を使用してソフトウェア更新を即座に開始する方法を示しています。

ALTER SOFTWAREUPDATE UPGRADE FORCE