ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスへのDRフェイルオーバーの実装

この項では、ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスにバックアップ操作およびREDOトランスポートの透過的フェイルオーバーを行うために保護されたデータベースを構成するステップについて説明します。

障害回復の一環として、保護されたデータベースは、アップストリーム・リカバリ・アプライアンスが使用できなくなった場合に、バックアップ・ファイルおよびREDOトランスポートを送信するためのターゲットとしてダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスにフェイルオーバーします。

わかりやすくするために、この例では次のことを想定しています。

  • リアルタイムREDOトランスポートが有効な場合、エラーを受信し、アップストリーム・リカバリ・アプライアンスへのREDOの送信を停止します。1分以内に、リアルタイムREDOトランスポートはダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスに接続し、そこでREDOの送信を再開します。
  • 保護されたデータベースの例の名前はCDB122DRです。これは、1つのプラガブル・データベースを持つコンテナ・データベースです。
  • アップストリーム・リカバリ・アプライアンスの例の名前はRAHADR1です。
  • ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスの例の名前はRAHADR2です。
  • HADR_COMMON_VPCUSERという共通VPCユーザーを両方のリカバリ・アプライアンス上に作成済で、両方に同じパスワードを使用する必要があります
  • HADR_LOCAL_VPCUSERというローカルVPCユーザーを両方のリカバリ・アプライアンス上に作成済ですが、パスワードは2つの間で異なっていてもかまいません。
  • RAHADR1RAHADR2の間のレプリケーション・サーバーは、VPCユーザーREPUSER_FROM_HADR1を使用しています。

プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースを持つData Guard設定を使用する場合、dbiddbnameが同じであるため、それぞれに異なるdb_unique_nameが必要です。一意性を保証するには、プライマリおよびスタンバイで一意の制御ファイルautobackup形式を使用します。形式は、RMAN構成設定を使用して指定できます。デフォルトのControlfile Autobackup Formatは次のとおりです:

CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMAT FOR DEVICE TYPE SBT_TAPE TO '%F';

プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースの両方のデフォルト形式にdb_unique_nameを追加します:

CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMAT FOR DEVICE TYPE SBT_TAPE TO '<db_unique_name>_%F';

db_unique_nameは、v$databaseから取得されます。

select db_unique_name from v$database;