archive-to-cloudストレージのフロー

クラウド・ストレージにアーカイブされたすべてのバックアップ・オブジェクトが、ランダム・データ暗号化キー(DEK)を使用して暗号化されます。保護された各データベース用の透過的データ暗号化(TDE)マスター・キーが、DEKの暗号化に使用されます。暗号化されたDEKはバックアップ・ピースに格納されます。Oracle Key Vault (OKV)にはTDEマスター・キーが含まれ、テープまたはクラウドに書き込まれたバックアップを暗号化するために使用される個々のDEKは含まれていません。保護されたデータベースは、時間とともに多くのTDEマスター・キーを取得する可能性があるため、個々のアーカイブ・オブジェクトを復元するには、バックアップ時に保護されたデータベースのマスター・キーを使用する必要があります。

次の図は、クラウド・ストレージにアーカイブするリカバリ・アプライアンスにバックアップするフローを示しています。リストア操作は、このバックアップおよびアーカイブ・フローに基づいています。

図10-1 クラウド・ストレージへのバックアップのフロー

図10-1の説明が続きます。
「図10-1 クラウド・ストレージへのバックアップのフロー」の説明
  1. データベースの増分バックアップは、リカバリ・アプライアンスに対して定期的に実行されます。これは、次のアーカイブ操作とは異なる間隔で発生します。

  2. スケジュールされたarchive-to-cloud操作が開始すると、リカバリ・アプライアンスは保護されたデータベースのマスター・キーをOKVサーバーに要求します。

  3. OKVは、保護されたデータベースのマスター・キーを返します。保護されたデータベースにマスター・キーがない場合は、新しいマスター・キーが生成されます。(新しいマスター・キーは必要なときに生成できます。)

    1. バックアップ・オブジェクトに対してDEKが生成されます。

    2. バックアップ・オブジェクトは、DEKを使用して暗号化されます。

    3. マスター・キーを使用して、リカバリ・アプライアンスはDEKを暗号化し、これをバックアップ・オブジェクトとともに格納します。

  4. 特定のデータベースのライフサイクル・ポリシーは、そのバックアップ・オブジェクトがテープまたはクラウド・ストレージに書き込まれるかどうかと、いつ書き込まれるかを決定します。

  5. オブジェクト・ストレージ・バケットのライフサイクル・ポリシーは、クラウド・ストレージ内のバックアップ・オブジェクトがオブジェクト・ストレージからアーカイブ・ストレージに移動するかどうかと、いつ移動するかを決定します。リカバリ・アプライアンスは、これを制御しません。