リカバリ・アプライアンスでのTLSデータ・セキュリティの構成

この項では、リカバリ・アプライアンスでTLSデータ・セキュリティを構成するステップについて説明します。

RACLIコマンドはTLS (トランスポート層セキュリティ)を構成します。リカバリ・アプライアンスではこれらのTLSモードがあります:

  • only: https暗号化のみ。

  • enable: http/httpsデュアル・モード。

  • disable: デフォルトの、暗号化なしのhttp

ポート番号はカスタマイズできます。暗号化のデフォルトのポートは次のとおりです。

  • TCPS: 2484
  • HTTPS: 8002
  • REPL_TCPS: 2485

暗号化されていない操作のデフォルト・ポートは次のとおりです。

  • TCP: 1521
  • HTTP: 8001
  • REPL_TCP: 1522
  1. "racli list certificate"を使用して、証明書がraa_certsデータベース表にあることを確認します。

    # racli list certificate
    
    Created log /opt/oracle.RecoveryAppliance/log/racli_list_certificate.20230329.1146.log
    Wed Mar 29 11:46:49 2023: Start: List Certificate
    Serial: 9A15CB4B76BBC52D
        Expire Time:      2024-03-28
        Certificate Type: trusted_cert
     
    Serial: 95B9181340F644F0
        Expire Time:      2024-03-28
        Certificate Type: signed_cert
     
    Wed Mar 29 11:46:49 2023: End: List Certificate
  2. 証明書を使用するリカバリ・アプライアンスでTLSモードを更新するには、次のようなコマンドを発行します:

    racli alter network --service=ra_server --encrypt=enable

    ノート:

    手続きの一環としてCRSスタック全体が再起動されるため、リカバリ・アプライアンスが完全に停止されることが予想されます。この停止により、レプリケーションの一時停止、バックアップ・スケジューラの一時停止などのステップがさらに必要になります。

    コマンドの一般的な形式は次のとおりです:

    racli alter network --service=ra_server
    { --encrypt=[enable|only|disable] }
    [ --tcps_port=<VALUE>|--tcp_port=<VALUE> ]
    [ --https_port=<VALUE>|--http_port=<VALUE> ]
    [ --repl_tcp_port=<VALUE>|--repl_tcps_port=<VALUE>]
    [ --silent ]
    --service

    システム上で変更されるサービスを指定します。有効な値はra_serverです。--network_typeまたはその引数とともに使用できません。

    --network_type

    システムのネットワーク・タイプを指定します。--serviceまたはその引数とともに使用できません。

    --encrypt

    システムのTLS暗号化ステータスを指定します。"only"はHTTPS暗号化を意味し、"enable"はデュアルHTTPSとHTTPを意味し、"disable"はHTTPを意味します。

    --http_port

    使用するHTTPポート番号を指定します。デフォルト・ポートは8001です。

    --https_port

    使用するHTTPSポート番号を指定します。デフォルト・ポートは8005です。

    --tcp_port

    使用するTCPポート番号を指定します。デフォルト・ポートは1521です。

    --tcps_port

    使用するTCPSポート番号を指定します。デフォルト・ポートは2484です

    --rep_tcps_port

    使用するレプリケーションTCPSポート番号を指定します。デフォルト・ポートは2485です。

    --rep_tcp_port

    使用するレプリケーションTCPポート番号を指定します。デフォルト・ポートは1522です。

    --silent

    存在する場合

  3. TLSのヘルスを確認します。

    # racli run check --check_name=tls_health

リカバリ・アプライアンスでのTLS暗号化の変更

racli alter networkコマンドは、TCPSとHTTPS、およびTCPとHTTPを構成します。これには3つの暗号化操作モードがあります。

  • TLS暗号化の有効化: これはデュアル・モードTCP/TCPSおよびHTTP/HTTPSを有効にし、特に指定のないかぎりデフォルト・ポートを使用します。

    racli alter network 
    -–service=ra_server –-encrypt=enable
    [ --tcps_port=<VALUE> ]
    [ --https_port=<VALUE> ]
    [ --repl_tcps_port=<VALUE> ]
  • TLS暗号化の無効化: これはTCPおよびHTTPを有効にし、特に指定のないかぎりデフォルト・ポートを使用します。

    racli alter network 
    -–service=ra_server –-encrypt=disable
    [ --tcp_port=<VALUE> ]
    [ --http_port=<VALUE> ]
    [ --repl_tcp_port=<VALUE> ]
  • TLS暗号化のみ有効化: TCPSとHTTPSのみを有効にします。TCPおよびHTTPは無効になります。特に指定がないかぎり、デフォルトのポートが使用されます。

    racli alter network 
    -–service=ra_server –-encrypt=only
    [ --tcps_port=<VALUE> ]
    [ --https_port=<VALUE> ]
    [ --repl_tcps_port=<VALUE> ]

TLS使用の検証

次のコマンドは、様々なTLSオブジェクトのモニタリングに役立ちます。