リアルタイムREDOトランスポートについて

REDOデータにはデータベースに加えられたすべての変更の記録が格納されるので、データ障害が発生した場合のデータ損失を最小限に抑える上で欠かせません。リアルタイムREDOトランスポートを使用すると、連続するアーカイブREDOログのバックアップ間でデータ損失の危険にさらされる期間が大幅に短くなります。リアルタイムREDOトランスポートが構成されると、アーカイブREDOログのバックアップはデータベース管理者に対して透過的になります。1つ以上の保護されたデータベースから受信したREDOストリームは、リカバリ・アプライアンス上のREDOステージング領域に格納されます。保護されたデータベースは、アプライアンスが受信した直近の変更までデータをリカバリできます。

関連項目:

リアルタイムREDOトランスポートがサポートされているOracle Databaseのリリースの詳細は、『Zero Data Loss Recovery Appliance管理者ガイド』を参照してください。

リアルタイムREDOトランスポートの機能方法

リアルタイムREDOトランスポートを有効にすると、リカバリ・アプライアンスは非同期REDOトランスポート・サービスのリモート宛先になります(Oracle Data Guard環境のスタンバイ・データベースと類似)。保護されたデータベースでREDOデータが生成されると、そのデータはリカバリ・アプライアンスへ非同期に書き込まれます。REDOデータは、ディスクI/Oを伴わずにメモリーからリカバリ・アプライアンスに直接転送されるので、本番データベース・サーバーへの負荷が最小限に抑えられます。ログ・スイッチが発生してREDOストリームを受信するたびに、圧縮済のアーカイブ・ログ・バックアップが保護されたデータベースの記憶域の場所に作成されます。リカバリ・アプライアンスによって生成されたアーカイブ・ログ・バックアップは、リカバリ・アプライアンス・カタログに通常のバックアップとして記録され、RMAN RECOVERコマンドを使用してリストアしデータ・ファイルに適用できます。

関連項目:

非同期REDOトランスポート・サービスの詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照

保護されたデータベースがクラッシュすると、クラッシュ時まで最新であったREDOログ・グループから受信したREDOデータが、「不完全な」アーカイブREDOログとしてリカバリ・アプライアンスにバックアップされます。保護されたデータベースが再オープンすると、保護されたデータベースのクラッシュ・リカバリによって、クラッシュ時に最新であったREDOログ・グループが終了し、その完全なREDOログがData Guardの自動ギャップ・フェッチ機能を使用してリカバリ・アプライアンスに再送されます。この「完全な」アーカイブREDOログが、前にバックアップされた「不完全な」アーカイブREDOログにかわって今後のリストア/リカバリ操作で使用されます。

保護されたデータベースのリカバリ時、保護されたデータベースを完全にリカバリする上で必要と判断された場合は、自動的に不完全なアーカイブ・ログと完全なアーカイブ・ログがリストアされます。

保護されたデータベースのリアルタイムREDOトランスポートの構成について

リアルタイムREDOトランスポートを使用するには、リカバリ・アプライアンスと保護されたデータベースのセットアップが必要です。また、保護されたデータベースからリカバリ・アプライアンスにREDOデータを認証してから送信するために使用するREDOトランスポート・ユーザーが必要です。このユーザーは、保護されたデータベースのバックアップをリカバリ・アプライアンスに送信するために使用するリカバリ・アプライアンス・ユーザーと同じである必要があります。このリカバリ・アプライアンス・ユーザーの資格証明は保護されたデータベース上のOracleウォレットに格納されています。

保護されたデータベース上に、ARCHIVELOGモードを構成し、リカバリ・アプライアンスのサービス名を指す、REDOデータのアーカイブ先を設定します(LOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータを使用)。