収益管理での会計
Oracle Revenue Managementの基本会計文書は収益契約です。収益契約では、契約でコミットする様々な履行義務を指定します。
収益管理では、履行義務で発生する様々な会計イベントの会計が作成されます。
- 期間ベース: たとえば、契約が年間サブスクリプション・サービスの場合、12か月間サービスを提供する義務があります。このサービスの収益は毎月認識されます。月の最後の日が会計日として指定されます。
- 数量ベース: たとえば、10台のラップトップが顧客に配送されることが契約に示されている場合、10台のノートパソコンを配送する義務があります。販売者がラップトップを配送するたびに、アプリケーションによって充足イベントが生成されます。
- パーセンテージ・ベース: たとえば、橋を建設する契約の場合、契約の仕様を100%を満たす義務があります。橋の完了率に比例して収益が認識されます。
初期パフォーマンス・イベント
契約に対して会社でなんらかのアクティビティが発生したことを示す初期パフォーマンス・イベントが作成されます。たとえば、会社が契約の充足を開始するか、会社が契約の前払いを受け取る場合などです。この時点で、初期パフォーマンス・イベントを使用して、履行義務の総額が契約資産および契約負債に対して記帳されます。つまり、初期パフォーマンス・イベントは、常に履行義務に対するものになります。
借方 | 貸方 |
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契約資産勘定 | |
契約負債勘定 |
充足イベント
履行義務が履行または充足されるたびに、契約負債勘定から契約収益勘定にその金額が移動されます。つまり、履行義務の充足時に収益の記帳を開始できます。
借方 | 貸方 |
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契約負債勘定 | |
契約収益勘定 |
請求イベント
会社が義務に対する請求を生成すると、請求イベントが作成されます。請求が契約に適用されると、その金額が契約資産勘定から収益精算勘定に移動されます。契約に割引が含まれている場合は、その割引もこの段階で計上されます。
借方 | 貸方 |
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契約収益精算勘定 | |
契約割引精算勘定 | |
契約資産勘定 |
初期パフォーマンス・イベントの戻し処理
当初の初期パフォーマンス・イベントの戻し処理をする必要がある場合は、初期パフォーマンス・イベント会計が戻し処理されます。通常これが発生するのは、初期パフォーマンス・イベントが作成された後に、以前の充足イベントまたは請求イベントが収益管理にインポートされたときです。
たとえば、履行義務で10台のラップトップを配送する場合に、1台のラップトップに対する最初の充足イベント(サブ明細)を2020年2月1日にインポートすると、会計日が2020年2月1日の初期パフォーマンス・イベントが作成されます。しかし、その後のいずれかの時点で、別の充足イベントまたは請求イベントが2020年1月10日の日付で収益管理にインポートされると、以前の初期パフォーマンス・イベントが戻し処理されて、2020年1月10日の新しい初期パフォーマンス・イベントが作成されます。
借方 | 貸方 |
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契約負債勘定 | |
契約資産勘定 |
充足イベントの戻し処理
当初の充足イベントを取り消すマイナスの充足が収益管理にインポートされると、充足イベントの会計が戻し処理されます。
たとえば、履行義務で10台のラップトップを配送する場合に、1台のラップトップに対する最初の充足イベント(サブ明細)を2020年2月1日にインポートすると、会計日が2020年2月1日の1台のラップトップの充足イベントが作成されます。しかしその後、別の充足イベントがマイナスの数量(-1)でインポートされると、充足イベントの戻し処理が作成されて、当初の充足イベントが戻し処理されます。
充足イベントの戻し処理の会計処理は次のようになります:
借方 | 貸方 |
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契約収益勘定 | |
契約負債勘定 |
請求イベントの戻し処理
契約を変更したために請求イベントを戻し処理して再作成する必要がある場合は、請求イベントの会計が戻し処理されます。
借方 | 貸方 |
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契約資産勘定 | |
契約収益精算勘定 | |
契約割引精算勘定 |