課税標準税算式の例
税金計算プロセスでは、課税標準税算式を使用して、トランザクション明細の課税標準とみなす必要がある金額または数量が決定されます。
課税標準金額に税率が適用されて、トランザクション明細の基本税額が導出されます。
課税標準算式で定義される課税標準タイプは、課税標準金額の特性を決定する主要な要素です。課税標準タイプは次のとおりです。
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評価額
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明細金額
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前税金
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数量
評価額に基づく課税標準算式
税務当局が税の観点からトランザクション金額が正しく売上の対価を反映していると見なさない場合は、評価額に基づく税算式が税金を計算するための課税標準として使用されます。
AとBの2つの会社間の販売トランザクションについて考えてみます。請求書の品目価格は1000 USDです。ただし、関連会社つまり同じグループ内である場合、税務当局が平均市場価格に基づいて、品目価格を5000 USDにする場合があります。税務当局は、実際の売上額1000 USDではなく、その値に基づいて税を徴収する場合があります。
この税額は、トランザクション詳細および税金設定から次のように計算されます。
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請求書明細金額: 1000 USD
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評価額: 5000 USD
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州税率: 10%
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課税標準タイプ: 評価額
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課税標準: 5000 USD
州税は、課税標準に州税率を掛けた値(5000 USD * 10% = 500 USD)になります。
明細金額に基づく課税標準算式
この場合、トランザクション明細に指定された金額が課税標準を導出するために考慮されます。
州税および郡税の2つの税金がトランザクションに適用可能な状況を考えてみます。この場合、トランザクション詳細と税金設定は次のとおりです。
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請求書明細金額: 1000 USD
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支払条件: 2/10 30日以内全額支払
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州税率: 20%
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郡税率: 10%
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課税標準タイプ: 明細金額
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現金割引を減算: はい
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基準レート・モディファイア: 50%
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複合税制: 売上税および使用税
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複合税金: 州税
税金計算は次のとおりです。
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州税は、請求書明細金額に州税率を掛けた値(1000 USD * 20% = 200 USD)になります。
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郡税の課税基準は、明細金額に基本レート・モディファイアを加算し、2%の現金割引を減算し、州税を加算した金額(1000 USD + 500 USD - 20 USD + 200 USD = 1680 USD)になります。
郡税は、課税標準に郡の税率を掛けた値(1680 USD * 10% = 168 USD)になります。
前税金に基づく課税標準算式
この場合は、トランザクションで計算される前税金が課税標準とみなされます。
州税および郡税の2つの税金がトランザクションに適用可能な状況を考えてみます。この場合、トランザクション詳細と税金設定は次のとおりです。
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請求書明細金額: 1000 USD
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州税率: 20%
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国税率: 10%
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課税標準タイプ: 前税金
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複合税制: 売上税および使用税
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複合税金: 州税
税金計算は次のとおりです。
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州税は、請求書明細金額に州税率を掛けた値(1000 USD * 20% = 200 USD)になります。
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郡税の課税標準は、州税(200 USD)に対して計算された税金です。
郡税は、課税標準に郡の税率を掛けた値(200 USD * 10% = 20 USD)になります。
数量に基づく課税標準算式
この場合、商品の数量またはサービス可能ユニット数が課税標準とみなされます。
カナダの2つの組織間で、酒類が取引されるシナリオを考えてみます。この場合、物品税がそれに課されると、トランザクション詳細と税金設定は次のようになります。
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明細金額: 1000 CAD
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数量: 50リットル
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1リットル当たりの価格: 20 CAD
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物品税: 1リットル当たり11.69 CAD
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課税標準タイプ: 数量
税金計算は次のとおりです。
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物品税の課税基準は、請求書に指定された数量(50)です。
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物品税は、課税標準に物品税を掛けた値(50 * 11.69 CAD = 584.5 CAD)になります。