営業ユーザー作成前の理解
前に作成した設定ユーザーとは異なり、営業ユーザーを、営業リソース階層の一部であるリソースとして作成する必要があります。
営業ユーザーは、「ユーザーの管理」タスクUIで作成することも、リソース・インポートで作成することもできます。 セキュリティ・コンソールでリソースを作成することはできません。
営業ユーザーを作成すると、HCMを実装していない場合でも、基本的な人事管理レコードが作成されます。 営業ユーザーを作成する前に、そのユーザーが属するリソース階層の要素を作成する必要があります。 また、作成する営業ユーザーにジョブの実行に必要なセキュリティ権限を自動的に付与するプロビジョニング・ルールを作成する必要があります。
営業リソース階層
営業リソース階層は、「リソース・ディレクトリ」の組織チャートとして表示されます。 階層は単なる見栄えのよい図ではありません。 これは、誰に営業情報の表示を許可するかを決めるもので、予測設定の基盤となります。 たとえば、営業マネージャは部下の商談を表示および予測できますが、他の営業マネージャが管理する商談についてはできません。 Oracleではマトリックス管理がサポートされるため、作成するリソース階層は、Oracle Global Human Resources Cloudなどの人事管理アプリケーションの正式なレポート階層と一致する必要はありません。
営業リソース階層の外観を把握するために、Vision Corporationのリソース・ディレクトリの一部を表すスクリーンショットを次に示します。 階層のすべてのユーザーには、名前以外に次が必要です。
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リソース・ロール(コールアウト1で強調表示)
リソース・ロールは、組織内で各リソースが果たす役割を示します。 これは、CX Sales UIおよび他の場所で使用可能なリソース・ディレクトリのユーザー名のすぐ下に表示されます。 リソース・ロールは、ロール・プロビジョニング・ルールの1次条件としても使用されます。 リソース・ロールは、設定アシスタントで作成することも、設定タスク「リソース・ロールの管理」を使用して手動で作成することもできます。
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リソース組織(コールアウト2)
すべてのマネージャに対してリソース組織を1つずつ作成する必要があります。 マネージャではない各一般社員は、自動的にマネージャの組織を継承します。 リソース組織の名前を正式な部門名にする必要はありませんが、階層の変更に対応するようにマネージャ名の使用を避ける必要があります。 UIでユーザーを作成するときにリソース組織を作成できます。または、Excelのインポート・マクロを使用してユーザーをインポートするときに作成できます。
ユーザーの作成時に指定した管理階層を使用して、リソース組織階層が作成されます。 リソース階層の最上位を除いて、作成した各ユーザーに対してマネージャを入力する必要があります。
Oracle提供の営業リソース・ロール
Oracleには、次の標準のリソース・ロールと、それぞれに対する適切なジョブ・ロールが用意されています。
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チャネル・アカウント・マネージャ
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チャネル運用マネージャ
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チャネル営業マネージャ
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最高経営責任者
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契約管理者
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契約マネージャ
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顧客データ・スチュワード
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データ・スチュワード・マネージャ
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パートナ管理者
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パートナ営業マネージャ
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パートナ営業担当
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営業管理者
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営業リード・クオリファイア
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営業マネージャ
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営業担当
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営業制限付きユーザー
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営業設定ユーザー
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営業部長
最高経営責任者(Chief Executive Officer)と営業担当(Salesperson)を除いて、Oracleから提供される各リソース・ロールには対応する同名のジョブ・ロールがあります。 営業担当(Salesperson)リソース・ロールに対応するジョブ・ロールは、営業担当(Sales Representative)です。 最高経営責任者(Chief Executive Officer)には通常、営業部長ジョブ・ロールが割り当てられます。
設定アシスタントによって自動作成されるロール・プロビジョニング・ルール
設定アシスタントを使用している場合は簡単です。 設定アシスタントによって、すべての標準営業リソース・ロールを持つユーザーに対して、ロール・プロビジョニング・ルールが自動的に作成されます。 ルールによって、ユーザーに必要なジョブ・ロールと抽象ロールがプロビジョニングされます。
複数のサービスを同時に実装しているなどの理由で設定アシスタントを使用しなかった場合は、すべてのロール・プロビジョニング・ルールを手動で作成する必要があります。 ルールは、「HCMロール・プロビジョニング・ルールの管理」タスクを使用して作成します。
次に、設定アシスタントによって作成されるロール・プロビジョニング・ルール、プロビジョニングをトリガーする条件、および各ルールによってプロビジョニングされるジョブ・ロールと抽象ロールのリストを示します。 各ジョブおよび抽象ロールの説明は、『CX Sales and Fusion Serviceのセキュリティ・リファレンス』ガイドから入手できます。
プロビジョニング・ルール名 |
条件 |
プロビジョニングされるジョブ・ロールまたは抽象ロール |
UIアクセス |
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チャネル・アカウント・マネージャ |
HRアサイメント・ステータスがアクティブである。 リソース・ロールがチャネル・アカウント・マネージャである。 |
チャネル・アカウント・マネージャ リソース |
CX Sales UI |
チャネル営業マネージャ |
HRアサイメント・ステータスがアクティブである。 リソース・ロールがチャネル営業マネージャである。 |
チャネル営業マネージャ リソース |
CX Sales UI |
チャネル運用マネージャ |
HRアサイメント・ステータスがアクティブである。 リソース・ロールがチャネル運用マネージャである。 |
チャネル運用マネージャ リソース |
CX Sales UI |
最高経営責任者 |
HRアサイメント・ステータスがアクティブである。 リソース・ロールが最高経営責任者である。 |
営業部長 リソース |
CX Sales UI |
契約管理者 |
HRアサイメント・ステータスがアクティブである。 リソース・ロールが契約管理者である。 |
契約管理者 リソース |
CX Sales UI |
契約マネージャ |
HRアサイメント・ステータスがアクティブである。 リソース・ロールが契約マネージャである。 |
契約マネージャ リソース |
CX Sales UI |
顧客データ・スチュワード |
HRアサイメント・ステータスがアクティブである。 リソース・ロールが顧客データ・スチュワードである。 |
顧客データ・スチュワード リソース |
CX Sales UI |
データ・スチュワード・マネージャ |
HRアサイメント・ステータスがアクティブである。 リソース・ロールがデータ・スチュワード・マネージャである。 |
データ・スチュワード・マネージャ リソース |
CX Sales UI |
パートナ管理者 |
リソース・ロールがパートナ管理者である。 |
パートナ管理者 |
CX Sales UI |
パートナ営業マネージャ |
リソース・ロールがパートナ営業マネージャである。 |
パートナ営業マネージャ |
CX Sales UI |
パートナ営業担当 |
リソース・ロールがパートナ営業担当である。 |
パートナ営業担当 |
CX Sales UI |
営業管理者 |
HRアサイメント・ステータスがアクティブである。 リソース・ロールが営業管理者である。 |
営業管理者 リソース |
CX Sales UIとデジタル営業UIの両方 |
営業リード・クオリファイア |
HRアサイメント・ステータスがアクティブである。 リソース・ロールが営業リード・クオリファイアである。 |
営業リード・クオリファイア リソース |
CX Sales UI |
営業マネージャ |
HRアサイメント・ステータスがアクティブである。 リソース・ロールが営業マネージャである。 |
営業マネージャ リソース |
CX Sales UIとデジタル営業UIの両方 |
営業担当 |
HRアサイメント・ステータスがアクティブである。 リソース・ロールが営業担当である。 |
営業担当 リソース |
CX Sales UIとデジタル営業UIの両方 |
営業制限付きユーザー |
HRアサイメント・ステータスがアクティブである。 リソース・ロールが営業制限付きユーザーである。 |
営業制限付きユーザー リソース |
CX Sales UI |
営業設定ユーザー |
HRアサイメント・ステータスがアクティブである。 リソース・ロールが営業設定ユーザーである。 |
アプリケーション実装コンサルタント ITセキュリティ・マネージャ アプリケーション診断管理者 営業管理者 営業アナリスト |
CX Sales UIとデジタル営業UIの両方 |
営業部長 |
HRアサイメント・ステータスがアクティブである。 リソース・ロールが営業部長である。 |
営業部長 リソース |
CX Sales UIとデジタル営業UIの両方 |
派遣就業者 |
HRアサイメント・ステータスがアクティブである。 システムPersonタイプが派遣就業者である。 |
派遣就業者 |
CX Sales |
従業員 |
HRアサイメント・ステータスがアクティブである。 システムPersonタイプが従業員である。 |
従業員 |
該当なし。 |
営業ユーザーを従業員として作成します。 2つのロール・プロビジョニング・ルール(ユーザーのリソース・ロールによってトリガーされるルールと、従業員であるという事実によってトリガーされるルール)が適用されます。 たとえば、Oracleによって提供される営業マネージャ・リソース・ロールを持つユーザーを作成すると、自動的に営業マネージャ・ジョブ・ロールとリソース抽象ロールがプロビジョニングされます。 従業員としてユーザーを作成しているため、従業員抽象ロールもプロビジョニングされます。
次の図に、営業マネージャ・リソース・ロールを持つ従業員リソースを作成するとトリガーされる2つのルールを示します。

デジタル営業UIへのアクセスを提供するリソース・ロール
これら4つのリソース・ロールをリソースに割り当てると、設定アシスタントによって自動的に作成されるロール・プロビジョニング・ルールによって、デジタル営業UIとCX Sales UIの両方にアクセスできます。
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営業担当
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営業マネージャ
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営業部長
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営業管理者
追加のリソース・ロールおよびロール・プロビジョニング・ルールが必要な状況
次のいずれかの理由により、設定アシスタントで入力するか「リソース・ロールの管理」タスクを使用して、追加のリソース・ロールを作成することが必要になる場合があります。
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ユーザーに対して別のジョブ・タイトルを表示する必要がある場合。
たとえば、ユーザーに対して組織チャートでセールス・エバンジェリストのタイトルを表示する場合は、セールス・エバンジェリストのリソース・ロールとそのプロビジョニング・ルールを作成する必要があります。
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一部のユーザーに特別な権限を持たせる必要がある場合。
たとえば、組織内の営業マネージャの1人が営業管理者にもなる場合は、両方のジョブ・ロールをプロビジョニングします。 これを行うには、新しいリソース・ロールとそのロールに付随するプロビジョニング・ルールを作成する必要があります。
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マネージャ兼営業管理者を作成する必要がある場合。
オラクルが提供している営業管理者リソース・ロールは、一般社員(メンバー)向けです。 営業管理者が他のユーザーを管理している場合は、個別のマネージャ・リソース・ロールとそのロールに付随するプロビジョニング・ルールを作成する必要があります。
リソース・ロールを作成するたびに、対応するロール・プロビジョニング・ルールも作成する必要があります。 たとえば、営業サポート・リソース・ロールを作成した場合、1つ以上の使用可能なジョブ・ロールとリソース抽象ロールをプロビジョニングするロール・プロビジョニング・ルールを作成する必要があります。 リソース・ロールを設定アシスタントで作成した場合、ルールは自動的に作成されます。 「リソース・ロールの管理」タスクを使用してリソース・ロールを作成する場合、ロール・プロビジョニング・ルールは手動で作成する必要があります。
ユーザーのリソース・ロールを変更し、その他の組織変更を行う方法の詳細は、Sales and Fusion Serviceの保護ガイドの「ジョブ割当が変更されたときにユーザー・リソース・ロールを変更するにはどうすればよいですか。」およびユーザー管理の残りの章のトピックを参照してください。