Min-Max計画の補充数量の計算方法
Min-Max計画では、有効数量が最低数量を下回っているかどうか計算して、新規発注を提示するかどうか決定します。 Min-Max計画で新規発注の提示が決定されると、別の計算を使用して、提示する発注数量が決定されます。
Min-Max計画に影響を及ぼす設定
Min-Max計画に影響を及ぼす設定は、次の2つのカテゴリのいずれかになります。
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品目、品目の保管場所、または在庫組織に対して定義する属性
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Min-Max計画レポートの印刷時に指定するパラメータ
定義する属性には、次のMin-Max計画の属性と発注数量モディファイア属性が含まれます。
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Min-Max最小数量
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Min-Max最大数量
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最小オーダー数量
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最大オーダー数量
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固定ロット乗数
Min-Max計画の計算方法
Min-Max計画の計算で使用される変数の定義は、Min-Max計画を組織レベル、保管場所レベルのどちらで実行するかによって異なります。 次の表に、各レベルの変数の定義を示します。
変数 |
組織レベルの定義 |
保管場所レベルの定義 |
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手持数量 |
ネット可能な手持数量: 組織内のすべてのネット可能な保管場所の品目の手持数量の合計。 ネット不能な数量を任意で含めることができます。 |
Min-Max計画レポートの送信時に指定する保管場所の数量。 |
オーダー中 |
オープン発注および購買依頼の合計。 |
オープン発注、購買依頼、指定した保管場所での受入に対して予定された、供給締め日以前の保管場所転送の移動要求の合計。 異なる保管場所を参照する、または保管場所が指定されていない供給オーダーは含まれません。 |
オープン需要 |
予約済および未予約販売注文、在庫予約、勘定科目発行移動要求の合計。 オープン需要には、ステータスが「完了」、「保留中」、「リリース済」および「未リリース」の作業オーダーも含まれます。 |
在庫予約(予約済販売注文を含む)、勘定科目発行移動要求、指定した保管場所での受入に対して予定された、需要締め日以前の保管場所転送の移動要求の合計。 異なる保管場所を参照する、または保管場所が指定されていない在庫予約は含まれません。 |
最小数量 |
適用品目に対して定義された最小数量。 |
適用品目の保管場所に対して定義された最小数量。 |
発注数量モディファイア |
適用品目に対して定義された発注数量モディファイア。 |
適用品目の保管場所に対して定義された発注数量モディファイア。 |
Min-Max計画では、次の3つの計算ステップが使用されます。
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有効数量を計算します。
有効数量の計算に使用される等式は、Min-Max計画レベルと差引需要オプションに対する選択の組合せによって異なります。 次の表に、Min-Max計画レベルと差引需要オプションの各組合せに対して使用される有効数量の計算式を示します。
Min-Max計画レベル
選択した差引需要オプション
有効数量の等式
組織
差引需要オプションの選択なし
ネット可能な手持数量 + オーダー中
組織
いずれかの差引需要オプションを選択
ネット可能な手持数量 + オーダー中 - オープン需要
保管場所
差引需要オプションの選択なし
手持数量 + オーダー中
保管場所
いずれかの差引需要オプションを選択
手持数量 + オーダー中 - オープン需要
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有効数量 < 最小数量の場合、新規注文を提示します。
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発注数量 = 最大数量 - 有効数量の等式を使用し、発注数量モディファイアで調整して、発注数量を計算します。
発注数量モディファイアを使用して、次のように発注数量を調整します。
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発注数量が最小発注数量に満たない場合、発注数量は最小数量に上方修正されます。
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発注数量が最大発注数量を超える場合、発注数量は最大数量に下方修正されます。
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固定ロット乗数の倍数になるように発注数量を修正する必要がある場合、発注数量は倍数になるように修正されます。
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Min-Max計画の例
次の例に、Oracle Inventory Managementによる品目の属性とMin-Max計画レポートのパラメータを使用したMin-Max計画の実行と注文の必要性の判定方法、およびMin-Max計画による発注数量の計算方法を示します。 この例では、品目には次の数量の値と品目の属性が設定されています。
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ネット可能な手持数量 = 25
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オープン供給数量 = 50、供給はすべて供給締め日以内
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オープン予約販売注文数量 = 90、需要はすべて需要締め日以内
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Min-Max最小数量 = 100
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Min-Max最大数量 = 500
このシナリオを使用し、「予約済発注数量をネット」パラメータに対して「No」を指定して、組織レベルでMin-Max計画レポートを実行した場合、次の計算が実行されます。
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有効数量: 25 + 50 = 75
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最小数量未満の確認: 75 < 100
有効数量がMin-Max最小数量に満たないため、発注が提示されます。
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最大数量 - 有効数量: 500 - 75 = 425
有効数量をMin-Max最大数量に戻すため、Min-Max計画では数量425の発注が提示されます。
前述のシナリオを使用し、「予約済発注数量をネット」パラメータに対して「Yes」を指定して、組織レベルでMin-Max計画レポートを実行した場合、次の計算が実行されます。
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有効数量: 25 + 50 - 90 = -15
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最小数量未満の確認: -15 < 100
有効数量がMin-Max最小数量に満たないため、発注が提示されます。
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最大数量 - 有効数量: 500 - (-15) = 515
有効数量をMin-Max最大数量に戻すため、Min-Max計画では数量515の発注が提示されます。