個人情報の削除
退職従業員または取消済雇用関係に関連するデータをOracle HCM Cloudから削除できます。 このソリューションは、それに特化したタスクとともに「データ交換」作業領域で使用できます。
さらに、個人情報の削除機能を使用して、次の操作を実行できます。
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退職従業員のHCMデータ・ローダー・ステージング表からデータをパージします。
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退職従業員の調整済データ処分を実行します。 たとえば、給与データを長期間保持しながらグローバルHRデータを最初にパージし、後で同じ個人番号参照を使用して給与データをパージできるようになりました。
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取消済雇用関係がある(退職したばかりではない)就業者を削除します。
個人情報を削除するには、次のページにアクセスできる必要があります。

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個人情報の削除ポリシーの構成: 削除するビジネス・オブジェクトとそのコンポーネントを構成し、必須属性をマスクします。 このページにアクセスするには、「個人情報の削除ポリシーの構成」権限(HRC_CONFIGURE_PERSON_INFO_REMOVAL_POLICIES_PRIV)が必要です。
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個人情報の削除: 指定した個人の個人情報をこのページから削除できます。 「個人情報の削除」プロセスを送信すると、関連付けられた個人情報削除ポリシーで定義された構成に従ってデータが削除されます。
個人情報を削除するためのアクセス権をユーザーに付与する手順は、次のとおりです。
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セキュリティ・コンソールの「ロールの作成」ページで、ジョブ・ロールを作成します。
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「機能セキュリティ・ポリシー」ページ(「ナビゲータ」→「セキュリティ・コンソール」→「ロール」→「ロールの作成」)で、「個人情報の削除ポリシーの構成」(HRC_CONFIGURE_PERSON_INFO_REMOVAL_POLICIES_PRIV)権限をロールに追加します。
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「ロール階層」ページ(「ナビゲータ」→「セキュリティ・コンソール」→「ロール」→「ロールの作成」)で、「個人情報の削除」(ORA_HRC_REMOVE_PERSON_INFORMATION)ロール・メンバーシップを追加して、レポート・モードと削除モードの両方にアクセスできるようにします。 個人情報の削除の生成(ORA_HRC_GENERATE_REMOVE_PERSON_INFORMATION_FILE)ロール・メンバーシップを追加すると、レポート・モードのみにアクセスできるようになります。
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「データ・ロールおよびセキュリティ・プロファイル」ページ(「ナビゲータ」→自分のクライアント→「ワークフォース・ストラクチャ」→「データ・ロールおよびセキュリティ・プロファイル」)で、作成したジョブ・ロールのデータ・ロールを作成します。
ノート:個人情報の削除セキュリティは個人ベースであるため、個人情報を削除するためのアクセスを制限するために、「個人セキュリティ・プロファイル」ページ(「ナビゲータ」>「自分のクライアント」>「ワークフォース・ストラクチャ」>「セキュリティ・プロファイル」)でセキュリティ・プロファイルを作成し、それをデータ・ロールに追加できます。 ユーザーがすべての個人レコードにアクセスして削除できるようにするには、「すべての個人の表示」セキュリティ・プロファイルを使用します。
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適切なユーザーにデータ・ロールを追加します。
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さらに、プロセスを実行するには、次のロールも必要です。
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データの削除を実行するためにHCMデータ・ローダーを使用します。 そのためには、HRC_LOAD_HCM_DATA_PRIV (HCMデータのロード)権限が必要です。
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UCMのアップロードまたはダウンロードの場合は、人材管理ファイルに基づいたインポート用のデータのアップロードのためのHCM_DATALOADER_IMPORT_RWD、人材管理ファイルに基づいたエクスポートからのデータのダウンロードのためのHCM_DATALOADER_EXPORT_RWD、およびUCMからのHCMファイルの転送およびステージへのインポートのためのHRC_TRANSFER_HCM_FILE_AND_IMPORT_PRIVが必要です。
セキュリティ・ロールの詳細は、『HCMセキュリティ・ガイド』を参照してください。
個人削除ポリシーの仕組み
「個人情報の削除」プロセスを送信する前に、データを削除または不明瞭化するビジネス・オブジェクトを定義するポリシーを構成する必要があります。 「個人情報の削除ポリシーの構成」ユーザー・インタフェースには、この機能でサポートされているビジネス・オブジェクトが含まれています。 削除できるレコードは強調表示され、それらのみをポリシー構成で削除対象として選択できます。 削除できないレコードは、属性レベルで構成できます。また、NULLに設定する必要がある属性または(NULLに設定できない属性の場合に)どのように属性をマスクすべきかを識別できます。 このページに表示される属性を次に示します。
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カテゴリ: テンプレートが作成されたビジネス・オブジェクト(たとえば: 就業者)。
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ステータス: テンプレートのステータス(「下書き」、「アクティブ」、「非アクティブ」)。 「下書き」ステータスのテンプレートのみ変更できます。 アクティブなテンプレートのみを処理できます。 非アクティブなテンプレートは処理できず、変更もできません。
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作成者: テンプレートを作成したユーザー。
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最終更新日: テンプレートが最後に更新された日時。
テンプレートを作成して削除ポリシーを構成する手順は、次のとおりです。
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「作成」をクリックして、「テンプレートの作成」ウィンドウを開きます。 必須フィールドは次のとおりです。
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名前: テンプレートの名前。
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コード:テンプレート・コード。デフォルトはテンプレートの名前です。
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カテゴリ: テンプレートが作成されるビジネス・オブジェクト。オプションは「就業者」または「候補者」です。
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摘要(オプション): ユーザーは摘要を入力することもできます。
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1つ以上のビジネス・オブジェクトを選択します。
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「ビジネス・オブジェクト」セクションで、特定のビジネス・オブジェクトを検索し、処理するオブジェクトを選択します。 「コンポーネント」セクションで、選択したビジネス・オブジェクトの下の子オブジェクトを選択します。
ノート:- 関連する依存オブジェクトがあるコンポーネントを選択する場合は、孤立データの発生を回避するために依存オブジェクトも選択することをお薦めします。
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「ルール」タブを使用して、ポリシーを構成します。 ほとんどのオブジェクトは削除用に構成されているため、これらのオブジェクトに固有のルールは必要ありません。 不明瞭化のみ可能で削除できない属性がオブジェクトに含まれている場合は、オブジェクトのルールを構成できます。 フィールドに含める汎用値を指定する場合は、null以外の任意の値を使用できます。 たとえば、個人姓は削除できないため、静的な値に置き換える必要があります。 ZZZZZがデフォルトです。 個人姓は、この属性の一意性およびデータの整合性を維持するために、内部識別子によって追加されたこの静的値に置き換えられます。 「属性名」および「摘要」の検索ボックスに注意してください。
ビジネス・オブジェクトと同様に、HCMデータ・ローダーに登録されているフレックスフィールドを削除できます。 削除すると、フレックスフィールド属性の必須グローバル・セグメントのみが残り、残りは自動的に削除されます。
個人情報の削除
「個人情報の削除」プロセスを送信する場合、破棄する就業者を識別し、使用するデータ削除ポリシーを選択する必要があります。 このポリシーにより、削除するビジネス・オブジェクトとその方法が決まります。 サロゲートIDは破棄するレコードを識別するために使用されますが、個人情報の削除フレームワークには、ActionCodeなどのデータの処分時に必須となるその他の属性も含まれます。
考慮事項:
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退職日が過去の退職済就業者に対してのみプロセスが実行されていることを確認します。 削除されたデータはリカバリできないため、注意して続行してください。
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プロセス詳細は保存されますが(テンプレートや個人番号など)、テンプレート定義に従って就業者データは削除されます。
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個人のデータにアクセスできる場合、ユーザーは個人のデータを削除できます。 たとえば、個人Eメールおよび個人電話番号データを処理するには、ユーザーに次の権限が必要です。
- 個人電話番号の管理 - PER_MANAGE_PERSON_PHONES_DATA
- 個人Eメールの管理 - PER_MANAGE_PERSON_EMAIL_DATA
「個人情報の削除」プロセスを開始するには、次のステップを実行します。
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「プロセスの送信」をクリックします
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プロセス名を入力し、検索可能リストからテンプレートを選択します。
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削除または不明瞭化する個人番号をカンマで区切って入力してください。
ノート:カンマで区切られた個人番号のリストを含むファイルをアップロードすることもできます。
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「プロセス・モード」(「レポート」または「削除」)を選択します。
ノート:「削除」モードは、削除またはマスクされるレコードのキー情報を抽出し、選択したポリシーの各ビジネス・オブジェクトに対してHCMデータ・ローダー・ビジネス・オブジェクト.datファイルを生成するESSプロセスです。 生成された.datファイルはまとめて圧縮され、HCMデータ・ローダーでアップロードされます。 「レポート」モードは、圧縮された.datファイルのみを生成し、ローカルでダウンロードして確認できます。 HCMデータ・ローダーは.datファイルを処理せず、「レポート」モードで実行しても情報は削除または不明瞭化されません。
- 「削除」モードでは、次の追加ランタイム・パラメータを設定して、「パラメータのレビュー」セクションのデフォルトのHCMデータ・ローダー値を上書きできます。
- ソース・ファイルの削除: UCMからデータ・セット・ファイルを削除します。
- インポートの最大コンカレント・スレッド: インポート・プロセスに割り当てるコンカレント・スレッドの最大数。 デフォルトは、「HCMデータ・ローダーの構成」タスクの「インポートの最大コンカレント・スレッド」パラメータで定義されます。
- ロードの最大コンカレント・スレッド: ロード・プロセスに割り当てるコンカレント・スレッドの最大数。 デフォルトは、「HCMデータ・ローダーの構成」タスクの「ロードの最大コンカレント・スレッド」パラメータで定義されます。
- 後処理の実行: ビジネス・オブジェクト後処理およびOracle Search一括収集プロセスを送信します。
- 「レポート」モードでは、「後処理の実行」レビュー・パラメータのみを設定できます。
ノート: 「送信」をクリックするときに「後処理の実行」パラメータを選択解除した場合、Oracle Search一括収集を含む後処理がこのデータ処分プロセスに対して実行されないことを示す警告メッセージが表示されます。 - 「削除」モードでは、次の追加ランタイム・パラメータを設定して、「パラメータのレビュー」セクションのデフォルトのHCMデータ・ローダー値を上書きできます。
プロセスの送信後にページに表示される内容は次のとおりです。
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ステータス: 成功またはエラー。
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プロセス・モード: 削除モードまたはレポート・モード。
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送信者: プロセスを送信したユーザー。
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送信日: プロセスが送信された日付。
「プロセス詳細の表示」アイコンを使用して、「個人情報の削除」プロセスの様々なステージおよび対応するログ・ファイルを表示することもできます。
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ログ・ファイルには、プロセスで実行されたすべてのステップと、処理された就業者数(退職基準に一致する従業員数など)の詳細が記録されます。
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レポート・モードを選択した場合、「データ・ファイルのダウンロード」アイコンを使用して.datファイルを含む.zipファイルをダウンロードできますが、このファイルは別のHDLプロセスでは使用できません。
効果的なデータ処理のためのテンプレート作成時期
コンポーネントが対象から漏れたり、データ処理中のエラーが発生しないようにするために、新しいテンプレートを作成する必要があります。
- ビジネス・オブジェクトのコンポーネントまたは属性に対する変更:
- 新しいビジネス・オブジェクト・コンポーネントの追加。 たとえば、新しいビジネス・オブジェクト・コンポーネント「個人電話番号」を「就業者」オブジェクトに追加する場合。
- ビジネス・オブジェクト階層内のコンポーネントの変更。 たとえば、エンティティ・タイプをDELETEからUPDATEに変更する場合。
- ビジネス・オブジェクト階層からの既存のコンポーネントの削除。 たとえば、「就業者」オブジェクトの「個人Eメール」コンポーネントを削除する場合。
- ビジネス・オブジェクト・コンポーネントへの新規属性の追加。 たとえば、「就業者」オブジェクトの「個人名」コンポーネントのリストに、新しい属性「個人名」を追加する場合。
- 既存の属性のデフォルト値の変更。 たとえば、「個人名」のデフォルト値をZZZZZからWWWWに更新する場合。
- フレックスフィールド体系の変更:
- 新しい必須グローバル・セグメントの追加。 たとえば、就業者ビジネス・オブジェクト階層の就業者付加フレックスフィールドに新しいグローバル必須セグメントを追加する場合。 この場合は、必須セグメントがないため、「就業者」の既存のテンプレートが失敗します。 最新のフレックスフィールド定義を含めた新規テンプレートを作成する必要があります。
- 新規リリースのビジネス・オブジェクト・コンポーネント用の新規フレックスフィールドのサポート。
レポート用のデータ処分フォルダへのアクセスを有効にする方法
機能権限名 |
機能権限コード |
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「個人情報の削除」プロセスのレポート |
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機能権限名 |
機能権限コード |
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「個人情報の削除」テンプレートのレポート |
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