I-9雇用適格検証のためのジャーニとHireRightの統合例
提供されているI-9とHireRightの統合では、次の処理が実行されます。
- ジャーニが就業者に割り当てられているとき、または就業者がセクション1タスクにアクセスしたときに、Cloud HCMからベンダーHireRightに必要な情報を送信することで、Cloud HCMからHireRight文書を自動的に作成します。
- Cloud HCMの就業者に、セクション1を完了するためにHireRightポータルにナビゲートする特定のタスクを提供します。
- Cloud HCMからアクセスしたときに、ユーザーがHireRightに明示的にログインする必要がなくなります。
- マネージャまたはCloud HCMのHRがセクション2を完了するためにHireRightポータルにナビゲートする特定のタスクを提供します。
- I-9タスクを自動的に「完了」としてマークする機能を提供します。
- Cloud HCMの雇用関係のI-9ステータスを自動的に更新する機能を提供します。
- 完了したI-9をCloud HCMに戻して文書レコードに格納する機能を提供します。
この例では、自分の組織であるOracle, USAを有効にして、サードパーティのI-9フォーム検証サービス・プロバイダであるHireRightと統合するように設定を構成します。
I-9フォーム検証は、USAの従業員には必須であるため、この統合により、USAを拠点とする就業者の新規採用ジャーニにI-9検証タスクを含めることができます。
開始する前に
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ライセンスを取得してHireRightに登録します。 これは1回かぎりのアクティビティです。
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HireRightから取得したアカウント・コードをノートにとります。
考慮事項
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同じジャーニのI-9タスクはすべて、同じHireRight統合アカウントを使用する必要があります。
- I-9統合を構成する場合は、従業員のプライマリEメール・アドレスを使用する必要があります。 デフォルトのEメール・タイプは「勤務先Eメール」ですが、「従業員Eメール・タイプ」フィールドで変更できます。 どのEメールを使用する場合でも、I-9プロセスが完了するときまで、就業者が同じEメールを保持していることを確認する必要があります。 つまり、I-9 Eメールとして自宅Eメールを指定する場合、就業者には自宅Eメールも必要であり、I-9プロセスが進行中の場合は、これを変更しないでください。
- I-9ドキュメントは、ジャーニが割り当てられると、HireRightに作成されます。 ORA_PER_CHECKLIST_DEFER_I9_CREATIONプロファイル・オプションの値が「Y」に設定されていることを確認する必要があります。 これにより、従業員がタスクにアクセスした場合にのみ、HireRightでI-9ドキュメントを作成できます。
- エンタープライズ・オンボーディング・カテゴリ・ジャーニでI-9を使用する場合は、すべてのI-9タスクを同じエンタープライズ・オンボーディング・ステップ・カテゴリ・ジャーニ・テンプレート内に構成する必要があります。
- Cloud HCMのPerson IDがクライアント応募者IDとしてHireRightに送信され、割付済チェックリストIDがクライアント要求IDとして送信されます。 クライアント応募者IDとクライアント要求IDの組合せは、HireRightのI-9ドキュメントの一意の識別子です。
ジャーニ統合の構成タスク
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「設定および保守」作業領域で、「チェックリスト統合」タスクに移動します。
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「チェックリスト統合」ページで、「追加」をクリックします。
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次の表に示す値を入力します: 一部の値はHireRightによって提供されます。 その他のフィールドでは(指定しない場合)、デフォルト値を使用します。
フィールド
値
統合カテゴリ
I-9
統合タイプ
HireRight
統合コード
統合のユーザー定義名。ここで入力したコードは、I-9タスクを構成するときに値リストで使用可能になります。
管理者ユーザー参照 I-9プロセスの開始、従業員Webリンクの生成および検証ステータスの確認を行う管理者権限を持つHireRightの有効なユーザー・アカウント。 この値はHireRightから取得する必要があります。 WebサービスURL アプリケーションのデフォルトURLを https://api2.hireright.com:443/ws_gateway/HireRightAPI/v/1/2
で上書きしますHRのステータスの更新 I-9 HireRightジャーニ・タスクの完了を自動化するには、次のいずれかの値を選択します。 - I-9ステータスの自動更新: 雇用関係のI-9ステータスを自動的に更新します。
- I-9ステータスおよびタスク・ステータスの自動更新: 雇用関係のI-9ステータスおよびI-9タスク・ステータスが「完了」として自動的に更新されます。
- 自動更新タスク・ステータス: I-9タスク・ステータスを自動的に「完了」に更新します。
- 手動タスク完了後のI-9ステータス更新(デフォルト値): 雇用関係のI-9ステータスは、タスクを手動で完了とマークした後にのみ更新されます。
- 更新しない: 雇用関係のI-9ステータスは更新されません。
I-9タスクを自動的に完了としてマークする値を選択した場合、ジャーニ・タスクに戻って手動で完了とマークする必要はありません。
「I-9ステータスおよびタスク・ステータスの自動更新」または「タスク・ステータスの自動更新」値を選択した場合は、「表示設定」を使用してタスクの「完了しました」ボタンを非表示にすることをお薦めします。
アカウント・コード
この値はHireRightから取得する必要があります。これは会社のアカウント・コードです。
候補者が選択され、ジョブ・オファーを受け入れた場合に、統合を使用可能にし、情報を外部サービス・プロバイダに送信
選択されている場合は、HCMの属性がHireRightと共有されることを示します
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「保存」をクリックします。
統合の検証
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「検証」をクリックして、統合が機能することを確認します。
- 「保存」をクリックします。 エラーが表示されない場合、統合は成功です。
HRのステータスを自動的に更新するためのオプションの構成
- ORA_PER_CHK_ENABLE_I9_CALLBACKプロファイル・オプションの値をYに設定します。
- クラウドHCMステータスのAPIユーザーおよびパスワードを、関連するロールとともに構成します。
- ロールを作成します。 これを行うには、次のステップに従います。
- 「セキュリティ・コンソール」>「ロール」にナビゲートします。 「ロールの作成」をクリックします。
- 次の表に示す詳細を入力します。
ロール名 ロール・コード ロール・カテゴリ ジャーニ管理者 PER_JOURNEY_ADMINISTRATOR HCM - ジョブ・ロール - 「ロール階層」で、「追加」をクリックし、次の表に示す詳細を入力します。
ロール名 ロール・コード RESTサービスの使用 - 就業者ジャーニ ORA_PER_REST_SERVICE_ACCESS_WORKER_JOURNEYS - 「保存してクローズ」をクリックします
- セキュリティ・プロファイルを設定します。 これを行うには、次のステップに従います。
- 「設定および保守」作業領域にナビゲートします。 「データ・ロールおよびセキュリティ・プロファイルの管理」タスクを検索します。
- PER_JOURNEY_ADMINISTRATORロール・コードを検索します。 「編集」をクリックします。
- 「個人のセキュリティ基準」>「個人セキュリティ・プロファイル」で、「すべての就業者の表示」を検索します。
- 「次」をクリックし、「送信」をクリックします。
- ユーザーを作成します。 これを行うには、次のステップに従います。
- 「セキュリティ・コンソール」>「ユーザー」にナビゲートします。
- 「ユーザー・アカウントの追加」をクリックします。
- 名、姓、Eメール、ユーザー名およびパスワードに関連する詳細を持つユーザーを作成します。
- 「ロール」で、作成したユーザーのPER_JOURNEY_ADMINISTRATORロールを追加します。
- 「保存してクローズ」をクリックします
事業所ベースのアクセス・コントロール(LBAC)を使用する場合は、HireRightアドレスが適切に構成されていることを確認する必要があります。 I-9タスクを実行するユーザーが、ジャーニからI-9ステータスを更新できるように、PER_EDIT_WORK_RELATIONSHIP_DATAおよびPER_CHANGE_WORKER_ASSIGNMENT_DATAデータ権限を持っていることを確認します。
- ロールを作成します。 これを行うには、次のステップに従います。
- ステップ2cで構成されたユーザー名とパスワードをHireRightに指定します。
- HireRightは、ステップ3で指定した資格証明を使用してステータス・プッシュを有効にします。
- I-9タスクとI-9ステータスをそれぞれ完了および更新する方法に応じて、これらの値のいずれかを構成します。
参照コード 旧内容 新規内容 摘要 I9_STATUS 該当なし I-9ステータスの自動更新 雇用関係のI-9ステータスを自動的に更新します。 Y 常時 I-9ステータスおよびタスク・ステータスの自動更新 雇用関係のI-9ステータスおよびI-9タスク・ステータスを自動的に「完了」に更新します。
Cloud HCMのセクション1タスクは、HireRightのI-9ステータスが「事業主保留」の場合、完了としてマークされます。
Cloud HCMのセクション2タスクは、HireRightのI-9ステータスが「完了」の場合、完了としてマークされます。
これは推奨オプションです。
TASK_STATUS 該当なし タスク・ステータスの自動更新 I-9タスク・ステータスを自動的に「完了」に更新します。
Cloud HCMのセクション1タスクは、HireRightのI-9ステータスが「事業主保留」の場合、完了としてマークされます。
Cloud HCMのセクション2タスクは、HireRightのI-9ステータスが「完了」の場合、完了としてマークされます。
C 完了時のみ I-9検証ステータス・タスクの完了後のI-9ステータス更新 雇用関係のI-9ステータスは、「I-9検証ステータス」タスクの完了後にのみ更新されます。 N なし 更新なし 雇用関係のI-9ステータスは更新されません。
HireRightに送信する属性の構成
これらの属性は、HCMからHireRightに送信されます。 「チェックリスト統合」ページで、どの属性を送信しないかを指定できます。
- 就業者の名
- 就業者の姓
- 就業者Eメール・アドレス(構成可能ではなく、常に送信される)
- 就業者住所
- 就業者社会保障番号
- 就業者生年月日
- 採用マネージャの名
- 採用マネージャの姓
- 採用マネージャEメール・アドレス
- 就業者事業所コード
- 就業者事業所名
- 就業者開始日
- セクション2のユーザー参照
- リリース23Cより前は、「セクション2のユーザー参照」フィールドの値が「プライマリEメール」のみであり、値がデフォルトで選択されていました。 「個人識別子」および「個人番号」の値がフィールドに追加されました。 フィールドの値を変更する場合は、この変更をHireRightに知らせる必要があります。 これは、変更がHireRight側でも同期していることを確認するためです。
- セクション2のユーザー参照の値をEメール・アドレスのデフォルト値から変更する場合は、まずHireRightに連絡する必要があります。 Cloud HCMでこの構成を変更する前に、HireRightポータルの変更を完了する必要があります。 この変更順序に従わないと、統合は失敗します。
セクション2のユーザー参照の値をEメール・アドレス以外の値に更新する場合は、各ユーザー(個人番号または個人識別子)に対して選択した識別子値をHireRightに指定する必要があります。
- Cloud HCMのプロファイル・オプションを更新します。
セクション2のユーザー参照を変更するには、プロファイル・オプションORA_PER_CHK_ENABLE_I9_USERREF_CHANGE (I-9セクション2のユーザー参照の更新が有効)を使用します。 デフォルトでは、このプロファイル・オプションは「N」に設定されます。 Yに変更すると、値リストに前述の値が表示され、セクション2のユーザー参照の値はいずれかに構成できます。
- Cloud HCMの「セクション2のユーザー参照」フィールドの構成を更新します。次のいずれかの値を構成できます。
- プライマリEメール(これはデフォルト値です)
- 個人番号
- 個人識別子
HireRightのI-9の修正
I-9ドキュメントがHireRightで修正され、I-9ステータスまたはE-Verifyステータスが変更された場合、Cloud HCMの「HRのステータスの更新」フィールドに構成された値に基づいてタスクが再オープンされます。 つまり、値がI-9ステータスおよびタスク・ステータスの自動更新またはタスク・ステータスの自動更新の場合、Cloud HCMのタスクが再オープンされます。
HireRightのI-9の退職日の更新
Cloud HCMで、退職した就業者のClientApplicantId (Person ID)、ClientRequestID (チェックリスト割付ID)、退職日およびその他の必須属性を含むカスタム・レポートを作成する必要があります。 退職日を適切にアップロードするには、このレポートをHireRightに手動で指定する必要があります。
HireRight統合の詳細は、カスタマ・コネクトのジャーニ - HireRightとの統合に関するドキュメント(https://community.oracle.com/customerconnect/discussion/631000)を参照してください。