給与データ検証レポートの概要

給与計算またはその他の法定プロセスやレポートを実行する前に、すべての就業者について必要なHRおよび給与データ設定を完了しておく必要があります。欠落または非準拠のデータは、法的プロセスまたはレポートに影響する可能性があります。

給与データ検証レポートには、就業者レベルおよび組織レベルで欠落データまたは法令に準拠していないデータの詳細が表示されます。給与プロセスまたは他のレポートを実行する前に、給与データ検証レポートを実行します。その後、必要に応じて修正処理を実行して、データ設定を完了し、非準拠データを修正できます。

実装フェーズで、企業または国別仕様データ・グループ・レベルでビジネス・ルールと検証メッセージを追加します。これらの検証は、アプリケーションに事前定義されている国固有の検証に加えられます。

検証レベル

検証ルールをデータ検証レポートに追加するときに選択するデータ・グループによって、検証のレベルが決まります。たとえば、税レポート・ユニット・レベルまたは個人詳細レベルで検証ルールを設定できます。検証を追加する場合は、検証を追加する属性にデータベース・アイテムが存在することを確認する必要があります。

検証ルールの設定

提供されているFormula「グローバル属性必須チェック」を使用して、欠落データを識別するための検証を設定します。検証をデータ検証レポート抽出定義に追加します。検証ルールを設定するために必要なステップの要約を次に示します:

検証を追加する属性に適した短縮名(ASG_JOB_CODEなど)を特定します。プレフィクスとしてCSTを付けて、ユーザー定義を意味します。したがって、短縮名はCST_ASG_JOB_CODEである必要があります。
検証を制御する参照コードを設定します。必須の検証の場合は、標準の式を使用して設定し、参照コードを>MCのサフィクスが付いた短縮名として設定します。たとえば、CST_ASG_JOB_CODE>MCです。
検証が必要なレベルに基づいて、適切なデータ・グループにレコードおよびデータ要素を作成する必要があります。検証を追加する関連データ・グループを識別し、グループにレコードを作成します。たとえば、アサイメント・レベル検証をアサイメント・データ・グループに追加します。

ノート:
検証を追加する属性にデータベース・アイテムが存在する必要があります。
検証を追加し、抽出定義属性を作成します。
レポート・レコードで式を生成してコンパイルします。
適切な給与データ検証レポートを実行して、検証を含めます。

検証の制御

提供されているORA_HRX_GLB_VALIDATION_OBJECTS参照タイプを使用して、検証の制御に使用できる参照コードを設定します。たとえば、この参照コードを使用して、複数の国タグを検証に追加できます。または、検証が国に対して有効でなくなった場合は、以前に追加した国タグを参照コードから削除します。

ノート:

国タグを追加しない場合、アプリケーションは検証をトリガーしません。

検証タイプ

検証は、単純または複雑にすることができます。

レポートまたはプロセスに必要な属性の値を指定していない場合、アプリケーションは単純な検証をトリガーします。たとえば、税金レポート登録番号が組織レベルで欠落しているか、就業者の国別識別子値が欠落しています。提供されているFormula「グローバル属性必須チェック」および適切なデータベース・アイテム・グループを使用して、簡易検証を作成できます。

検証に複数の属性が含まれている場合、アプリケーションは複雑な検証をトリガーします。たとえば、就業者に関連する国別識別子タイプの値がありません。

複雑な検証をコーディングする場合、Oracleでは、ユーザー定義のルール式でルール・タイプのデータ要素を使用して検証を実行することをお薦めします。これらのデータ要素は、Formulaタイプのレコードで提供する必要があります。

ユーザー定義ルール算式

複雑な検証をコーディングする場合、Oracleでは、ユーザー定義のルール式でルール・タイプの抽出属性を使用して検証を実行することをお薦めします。ユーザー定義ルール式をコーディングするには、次の点を考慮してください:

計算式のタイプが「抽出ルール」かどうかを確認します。
参照コードがデータ・エレメントの短縮コードに存在し、レポートが実行される国別仕様コードに対して使用可能であることを確認してください。
フォーミュラが正しいデータ・エレメントに関連付けられているかどうかを確認します。これはユーザー定義算式であるため、ショート・コードが一致する場合のみチェックして実行します。
検証を実行して検証メッセージ・テキストを返すか、NULL値を返します。メッセージ・テキストは240文字未満にする必要があります。そうしないと、アプリケーションではメッセージの最初の240文字のみが考慮されます。

データ・セキュリティ

デフォルトでは、レポートは、完全なデータ・アクセス権を持つ昇格されたユーザーを介して送信され、レポート・パラメータの値リストを介して保護されます。ただし、レポートを発行するユーザーのプロファイルに基づいてデータ検証レポートを実行するように構成できます。たとえば、ユーザーが特定の給与計算または部門内の従業員のみにアクセスできる場合は、その従業員のデータのみをチェックするようにレポートを構成できます。