マネージャ階層:管理方法
多くの場合、個人のマネージャ階層はすぐに使用できる状態である必要があります。たとえば、個人のライン・マネージャはライン・マネージャのセキュリティ・チェック時に必要になる場合があり、ビジネス・インテリジェンス・レポートではマネージャ階層に基づいてデータを取得することがよくあります。
マネージャ階層の管理方法
個人のマネージャ階層はアクティブなデータ表から導出できますが、この方法のパフォーマンスに対する影響は予測不可能です。そのため、各個人の完全なマネージャ階層はデータ表から抽出され、個別のマネージャ階層表に格納されます。この表は、非正規化マネージャ階層と呼ばれます。非正規化マネージャ階層により、個人のマネージャ階層が、アクセスしやすくなると同時に、最新の状態に維持されます。
これらの非正規化表は、PER_ASSIGNMENT_SUPERVISORS_F表のソース・データに基づいて処理中に移入されます。
- PER_MANAGER_HRCHY_DN / CF - この表は、ライン・マネージャのセキュリティやヘッド・カウントを評価するために必要で、HCMの一部のフローはこの表に基づいています。OTBIのアサイメント・リストのディメンションに対しても使用されます。
- PER_MANAGER_HRCHY_REPORTEES_DNはOTBIレポートのみに固有であり、アサイメント・マネージャのディメンション・データ用です。
「マネージャ階層のリフレッシュ」プロセスを実行するタイミング
アプリケーションのページから個人のマネージャ階層が変更されるたびに、変更が非正規化マネージャ階層表に自動的に反映されます。他のアプリケーションから個人レコードが移行された場合は、「マネージャ階層のリフレッシュ」プロセスを使用して非正規化マネージャ階層表にデータを移入します。
「マネージャ階層のリフレッシュ」プロセスを実行する方法
「マネージャ階層のリフレッシュ」プロセスは「スケジュール済プロセス」作業領域で実行します。このプロセスを実行するには、「人事担当者」ジョブ・ロールが必要です。プロセスには、デフォルト・スケジュールはありません。このプロセスを時々実行することで、非正規化マネージャ階層の完全リフレッシュを実行できます。プロセスを定期的に実行するスケジュールを指定することもできます。「マネージャ階層のリフレッシュ」では、すべてのタイプのマネージャ階層が処理されます。
このプロセスは、パラメータ「過去N日以内に更新済」の値に基づいて、これらの処理モードを使用して実行できます。
過去N日以内に更新済 | モード | 詳細 |
---|---|---|
パラメータ値なし(空白/NULL) | 通常 - 完全実行 | すべてのアクティブなアサイメント上長行に対して非正規化データを削除および挿入することにより、PER_ASSIGNMENT_SUPERVISORS_Fのソースから非正規化表PER_MANAGER_HRCHY_DNおよびPER_MANAGER_HRCHY_CFに移入します このプロセスを実行する最小間隔は18時間です。プロセスを18時間に複数回実行するようにスケジュールすると、スキップされます。 |
+veパラメータ値 | 通常 - 増分実行 | 過去N日間に更新または作成されたアサイメント上長行に対して非正規化データを削除および挿入することにより、PER_ASSIGNMENT_SUPERVISORS_Fのソースから非正規化表PER_MANAGER_HRCHY_DNおよびPER_MANAGER_HRCHY_CFに移入します(たとえば、パラメータ値に5が指定されている場合は、過去5日間に更新または作成されたデータが処理されます) このプロセスを実行する最小間隔は1時間です。プロセスを1時間に複数回実行するようにスケジュールすると、スキップされます。 |
0パラメータ値 | OTBI - 完全実行 | 処理中にすべてのアサイメント上長行に対して非正規化データを削除および挿入することにより、PER_ASSIGNMENT_SUPERVISORS_Fのソースから非正規化表PER_MANAGER_HRCHY_REPORTEES_DNに移入し、他の非正規化表PER_MANAGER_HRCHY_DNおよびPER_MANAGER_HRCHY_CFのデータを参照します |
-veパラメータ値 | OTBI - 増分実行 | 過去N日間に更新または作成されたアサイメント上長行に対して非正規化データを削除および挿入することにより、PER_ASSIGNMENT_SUPERVISORS_Fのソースから非正規化表PER_MANAGER_HRCHY_REPORTEES_DNに移入します(たとえば、パラメータ値に-5が指定されている場合は、過去5日間に更新または作成されたデータが処理されます) |
パフォーマンスを向上させるために、NULLまたは0のパラメータ値が指定されたプロセス(通常 - 完全実行またはOTBI - 完全実行)の実行時に考慮されるパラメータがいくつか追加されています
パラメータ | 値 | 詳細 |
---|---|---|
完全リフレッシュ中の非アクティブなアサイメントの無視 | 「はい」または「いいえ」(デフォルト「はい」) | 「いいえ」に設定すると、アクティブなアサイメント上長データのみを処理するのではなく、非アクティブなアサイメントを含むすべてのアサイメント上長データが処理されます。 |
完全リフレッシュ中の履歴データの無視 | 「はい」または「いいえ」(デフォルト「いいえ」) | 「はい」に設定すると、すべてのアサイメント上長データを処理するのではなく、現在または先日付のアサイメント上長データのみが処理され、アサイメント上長の履歴(有効日)データは無視されます |
通常の非正規化表(PER_MANAGER_HRCHY_DNおよびPER_MANAGER_HRCHY_CF)は、アプリケーション・ページ(「新規採用」、「マネージャの変更」など)またはHDLからアサイメント上長データが作成または更新されたときに自動的に同期されます。「イベント」プロセスが使用不可、つまり「HRC: HcmEvents処理使用不可」(HRC_DISABLE_HCM_EVENTS_PROCESSING)プロファイルがYに設定されている場合、またはアサイメント上長データをHDLでアップロード中に、SET DISABLE_POST_PROCESS_TASKS RefreshManagerHierarchyの設定によりRefreshManagerHierarchyの.datファイルの後処理タスクが無効になっている場合、またはSOA複合インスタンスがトリガーされないか、インフラストラクチャの問題がある場合は、非正規化データが自動同期されません。
プロセス実行に関するガイドライン
プロセスを実行するためのガイドラインを次に示します。
- 通常完全モード(空白/NULLのパラメータ値)は、非正規化データがソースのアサイメント上長データと同期していない場合にアドホックで実行することも、週に1回(週末)や、より頻繁な完全リフレッシュが必要な場合は毎日1回実行するようにスケジュールできます。
- 通常増分モード(正の値)は、1日1回、または必要に応じて1日に複数回(2-3回など)実行するようにスケジュールできます。たとえば、パラメータ値に1を指定すると、過去1日間に作成または更新されたすべてのアサイメント上長データが処理対象になります。
- OTBI完全モード(パラメータ値0)およびOTBI増分モード(パラメータ値-ve)。たとえば、-1が必要になるのは、OTBIレポートがアサイメント・マネージャのディメンション・データに基づいている場合のみです。アプリケーション・ページまたはHDLからアサイメント上長データが作成または更新されたときは、非正規化表PER_MANAGER_HRCHY_REPORTEES_DNが自動的に同期されません。データを移入するためにOTBI完全または増分モードで毎日1回プロセスを実行するようにスケジュールできます。
- マネージャ階層の完全リフレッシュの他に、増分リフレッシュも実行できます。この方法では、過去N日間に行われたマネージャの変更に基づいて階層をリフレッシュします。たとえば、毎月または毎四半期に完全リフレッシュを実行し、毎日または毎週増分リフレッシュを実行するようにスケジュールします。
- 最終更新日以降の期間(日数)に対して実行するように選択できます。プロセスを完全モードで実行するときに「非アクティブなアサイメントの無視」および「履歴データの無視」オプションを選択すれば、非アクティブなアサイメントおよび履歴データを除外できます。