1 はじめに
概要
Oracle Fusion HCM Analyticsは、HCM Cloudアプリケーション上に構築されたクラウド・ネイティブなウェアハウスベースの分析ソリューションです。
事前作成済のワークフォース・インサイトを人事担当者に提供し、ワークフォース多様性、従業員の減員と残留、タレント採用、報酬などに関する意思決定を改善します。HRチームは、機能横断的な単一のデータ・モデルとパイプラインおよびエンド・ユーザー・メトリックをコーディングなしで拡張することで、Oracle Cloud HCMで提供される追加のデータ・ソースに勝る分析を強化できます。Oracle Fusion HCM Analyticsを参照してください。
- ジョブ固有のグループ
- 職務ロール
- 関連するビジネス上の質問
- メトリック詳細
- 付加フレックスフィールド
このガイドには、事前作成済の分析、事前作成済のビジネス・メトリックおよび事前作成済のダッシュボードに関する情報も含まれています。
プレビューに使用可能な機能
プレビュー機能を使用すると、機能管理者は機能のオンとオフを切り替えることができます。この方法で、組織は、新しい機能がデフォルトでロールアウトされる前に、新しい機能の使用方法を評価および学習できます。
プレビュー機能を有効にするには、プレビュー機能を使用可能にする方法を参照してください。
機能/機能領域 | 説明 |
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安全衛生 | この機能領域により、「HCM - 安全衛生インシデント」サブジェクト領域が使用可能になります。 |
HRヘルプ・デスク | この機能により、「HRヘルプ・デスク」サブジェクト領域が使用可能になります。 |
機会マーケットプレイス - ギグ | この機能により、「HCM - ギグの機会マーケットプレイス」サブジェクト領域が使用可能になります。 |
個人タレント・プロファイル管理 | この機能領域により、「HCM - タレント・プロファイルの傾向」サブジェクト領域が使用可能になります。 |
プロファイル一致 | この機能領域により、「HCM - プロファイル一致」サブジェクト領域が使用可能になります。 |
機能 | 説明 |
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HCMデータ整合性およびロギングの無効化 | この機能により、HCMデータ不整合のロギングを有効または無効にしたり、拒否を記録できます。 |
一般に使用可能な機能
Oracle Fusion Data Intelligenceには、コンソールを使用して有効にする必要がある、一般に使用可能な特定の機能が用意されています。一般的に使用可能な機能は、本番ワークロードに使用できる公開機能です。これらの機能により、機能管理者は機能のオンとオフを切り替えることができます。デフォルトでは機能は無効になっています。
一般に使用可能な機能を有効にするには、一般に使用可能な機能の有効化を参照してください。
機能/機能領域 | 説明 |
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休暇欠勤管理 | この機能領域により、「HCM - ワークフォース休暇欠勤管理」サブジェクト領域が使用可能になります。 |
多様性分析 |
この機能により、多様性分析オファリングが有効になります。 ノート: 「多様性分析の前提条件」機能領域を有効にしてから、「多様性分析」機能領域を有効にする必要があります。「多様性分析の前提条件」機能領域には、「多様性分析」機能領域で発生するさらなる処理および計算に必要な情報が表示されます。 |
目標およびキャリア開発 | この機能領域により、「HCM - 目標およびキャリア開発」サブジェクト領域が使用可能になります。 |
ジャーニ | この機能領域により、「HCM - ジャーニ」サブジェクト領域が使用可能になります。 |
学習管理 | この機能により、学習管理オファリングが有効になります。 |
給与バランス | この機能により、「給与バランス」機能領域が有効になります。個人レベルの給与バランスおよびディメンション全体の累計バランス値について洞察が提供されます。
ノート: 「給与バランス」機能領域を有効にする前に、ワークフォース・コア機能領域を有効にし、必要なCloud HCMバランス・グループである「アナリティクス・ウェアハウス・バランス・グループ」が設定されていることを確認する必要があります。Payrollは、90,000人の従業員が在籍するお客様に対して正常に実装されています。大規模な組織で継続的に機能するように、すべてのお客様に実装をお薦めします。 |
給与原価計算 | この機能により、「給与原価計算」機能領域で実行原価計算および支払の原価計算情報が有効になります。個人レベルの給与計算原価計算と支払の原価計算、およびディメンション全体の累計値について洞察が提供されます。
ノート: 「給与原価計算」機能領域を有効にする前に、ワークフォース・コア機能領域を有効にし、Cloud HCM原価配賦キー・フレックス・フィールド・ラベルが設定され、個々のセグメントに割り当てられていることを確認する必要があります。Payrollは、90,000人の従業員が在籍するお客様に対して正常に実装されています。大規模な組織で継続的に機能するように、すべてのお客様に実装をお薦めします。 |
パフォーマンス管理およびチェックイン | この機能領域により、「HCM - パフォーマンス管理」および「HCM - チェックイン」サブジェクト領域が使用可能になります。 |
ポジション管理 | この機能領域により、「HCM - ポジション」サブジェクト領域が使用可能になります。 |
給与ベース | この機能により、「給与ベース」機能領域が使用可能になります。給与ベースは世界中の40の組織によってに成功裏に実装されており、最大データ量は約100万レコードになっています。すべての組織、特にデータ量が多い大規模な組織に実装するをお薦めします。 |
年功起算日 | この機能領域により、「HCM - 就業者年功」サブジェクト領域が使用可能になります。 |
後任管理 | この機能領域により、「HCM - 後任管理」サブジェクト領域が使用可能になります。 |
タレント採用 | この機能領域により、「HCM - タレント採用」サブジェクト領域が使用可能になります。 |
タレント・プロファイル | この機能領域により、「HCM - タレント・プロファイル」サブジェクト領域が使用可能になります。 |
タレント・レビュー | この機能領域により、「HCM - タレント・レビュー会議」サブジェクト領域が使用可能になります。 |
勤怠管理 | この機能により、「勤怠管理」機能領域が使用可能になります。勤怠管理は世界中の40の組織によってに成功裏に実装されており、最大データ量は約100万レコードになっています。すべての組織、特にデータ量が多い大規模な組織に実装するをお薦めします。 |
ワークフォース報酬 | この機能領域により、「HCM - ワークフォース報奨 - ワークフォース報酬」サブジェクト領域が使用可能になります。 |
ワークフォース管理 | この機能領域により、「HCM - ワークフォース増加/減少」サブジェクト領域が使用可能になります。 |
ワークフォース管理 | この機能領域により、「HCM - ワークフォース・コア」サブジェクト領域が使用可能になります。 |
Oracle Fusion HCM Analyticsの前提条件
Oracle Fusion HCM Analyticsおよび提供されているサブジェクト領域を使用するには、次の前提条件を確認および設定してください。
- 休暇欠勤タイプ設定ページの「処理項目」タブで使用可能な「日次レポート・ブレークダウンに含む」チェック・ボックスを選択し、Oracle Cloud HCMの「休暇欠勤詳細の日次ブレークダウンの生成」プロセスを実行して、Oracle Fusion HCM Analyticsの「HCM - ワークフォース休暇欠勤管理」サブジェクト領域に適用可能な値を指定します。「休暇欠勤詳細の日次ブレークダウンの生成」プロセスを参照してください。
- 「給与」サブジェクト領域のパイプラインを有効にする前に、Oracle Cloud HCMでアナリティクス・ウェアハウス・バランス・グループを設定します。この設定により、「給与」サブジェクト領域のパイプラインを実行するときに、適用可能なバランス・データのみがOracle Fusion Data Intelligenceにロードされるようになります。バランス・グループおよび使用の作成を参照してください。
- Oracle Cloud HCMの原価配賦キー・フレックスフィールドで原価計算セグメントのラベルを設定して、フレックスフィールド設定のセグメントに正しいラベルを関連付けます。これにより、給与原価計算データが編成され、わかりやすくなります。
- ラベル・コードにスペースがないことを確認してください。
- ラベル・コードを作成した後、個々のセグメントで使用されている既存のラベルは削除しないでください。
- このフレックスフィールドをデプロイし、「Oracle Transactional Business IntelligenceのOracle Fusionデータ拡張のインポート」プロセスを実行した後、「給与原価計算」サブジェクト領域のパイプラインを有効にします。
- 給与原価配賦キー・フレックスフィールドの設定およびOracle Business Intelligenceの付加フレックスフィールドの有効化を参照してください。
- Oracle Cloud HCMで、「設定および保守」にナビゲートし、「原価配賦キー・フレックスフィールド」を検索します。
- 「処理」をクリックし、セグメント・ラベルの管理をクリックして、ラベルの作成およびBIオブジェクト名の関連付けを選択します。
- 各ラベルを対応するセグメントに関連付けるには、体系の管理にナビゲートし、特定の構造を検索し、「編集」をクリックします。このステップを繰り返して、各ラベルの個々のセグメントを編集します。
- すべてのセグメントの編集が完了したら、「原価配賦キー・フレックスフィールド」に戻り、フレックスフィールドのデプロイをクリックします。
- プロセスが完了したら、「Oracle Transactional Business IntelligenceのOracle Fusionデータ拡張のインポート」を実行します。
ノート:
Oracle Cloud HCMでフレックスフィールドを編集するたびに、これらのステップを繰り返します。Oracle Cloud HCMでのこの設定により、適切なラベルが関連付けられている個々のセグメントに基づいて、費用と負債の分離についてレポートできます。たとえば、GL勘定科目コードの組合せのセグメント1が会社である場合、セグメント1ではなく会社をラベルとしてレポートできます。この設定がない場合は、連結セグメント・レベルでのみレポートまたは分析を実行できます。
- Oracle Cloud HCMでHCM診断を実行して、データの不整合を事前に特定し、修正診断を実行して、Oracle Cloud HCMデータで確認された大半の不整合を修正します。Oracle Cloud HCMデータの不整合を未解決のままにしておくと、データ・パイプラインによって、ウェアハウス・ベース表へのレコードの(完全または部分的)ロードが拒否されることになります。グローバル・ヘッダーの設定および処理から診断テストの実行リンクを表示して実行するには、Oracle Cloud HCMでアプリケーション診断管理者ロールが割り当てられている必要があります。Oracle Cloud HCMのデータ関連の問題を回避するには、各パイプラインの実行前に、次の診断テストを(手動または自動で)実行する必要があります。
- 個人診断自動訂正: この診断テストは、ユーザーからの決定関連の入力を必要とせずに解決できる個人関連のデータ破損に対処します。このテストは、DW_PERSON_LEGISLATION_ALL_D表にOracle Fusion Data Intelligenceパイプライン実行で拒否されたレコードがある場合に実行します。
- 「マネージャ階層のリフレッシュ」スケジュール済プロセスを実行する前に、次のテストを実行します。
- 重複ライン・マネージャ - レポート: この診断テストは、特定の時点でアサイメントに複数のライン・マネージャが存在する場合に対処します。アサイメントできるのは一度に1人のライン・マネージャのみであるため、これは破損シナリオです。この制約は他のタイプのマネージャには適用されません。
- マネージャ階層ループ検出- レポート: この診断テストは、マネージャ階層ループ関連の破損に対処します。たとえば、システムにAからBおよびBからCへのライン・マネージャ階層がすでに存在するとします。システムにCからAへのマネージャ関係も存在する場合、それはマネージャ階層ループと呼ばれます。ソース・データに1つ以上のマネージャ階層ループが存在する場合、このような破損したデータによって、雇用トランザクションの送信または完了に問題が発生する可能性があります。
これらのテストは、Oracle Fusion Data Intelligenceパイプラインが次のデータ・ウェアハウス表で拒否されたレコードを検出した場合に必要です:
- DW_WRKFRC_SUP_FL_DT_STAGE
- DW_WRKFRC_GNLS_DRVD_PRV_STAGE
- DW_WRKFRC_GNLS_DRVD_CUR_STAGE
- DW_WRKFRC_GAIN_LOSS_ASG_MGRH_F
- DW_WRKFRC_ASG_EVENT_RSN_F
- DW_WRKFRC_GAIN_LOSS_ASG_F
この情報は、「共通 - ウェアハウス・リフレッシュ統計」サブジェクト領域から取得できます。
ノート:
グローバル・ヘッダーの設定および処理から診断テストの実行リンクを表示して実行するには、Oracle Cloud HCMでアプリケーション診断管理者ロールが割り当てられている必要があります。診断テストの実行を参照してください。
- 「マネージャ階層のリフレッシュ」プロセスを実行して、Oracle Fusion Data Intelligenceへの誤ったデータのインポートやデータの欠落を防止します。パフォーマンスを最適化するために、各個人の完全なマネージャ階層がライブ・データ表から抽出され、非正規化マネージャ階層と呼ばれる個別のマネージャ階層表に格納されます。マネージャ階層ディメンションを移入する場合、Oracle Fusion Data Intelligenceは、このプロセスでリフレッシュされる基礎となるアプリケーション階層表を参照します。データがウェアハウスにロードされる(パイプラインのアクティブ化)前にこのプロセスがOracle Cloud HCMで実行されていないと、データ・エラーが発生することがあります。マネージャ階層: 管理方法を参照してください。
- データを抽出するユーザーをOracle Fusion Cloud Applicationsで作成します。パスワードベースの基本認証を使用してソース・システムに接続する場合は、Oracle Fusion Cloud ApplicationsからOracle Fusion Data Intelligenceにデータを抽出する適切な権限があるユーザーの資格証明を指定する必要があります。Oracle Fusion Cloud Applicationsにおける、データを抽出するユーザーの作成を参照してください。
- 事業所ベースのアクセス・コントロール(LBAC)設定を検証します。LBACは、承認されたIPアドレスから接続するユーザーが、完全なロールおよび権限でOracle Fusion Cloud Human Capital Managementアプリケーションにアクセスできるようにする方法です。承認されたIPアドレスは、セキュリティ・コンソールの「IPアドレス許可リスト」セクションにリストされます。セキュリティ・コンソールの「IPアドレス許可リスト」領域にリストされていないIPアドレスからOracle Cloud HCMアプリケーションURL (podname.dataregion.oraclecloud.com)にアクセスした場合、そのユーザーには、デフォルトではパブリック・ロールへのアクセス権のみが付与されます。LBACが構成されている場合は、セキュリティ・コンソールからロールをパブリックとしてマークできます。これらのパブリック・ロールは、リストにないIPアドレスからログインしたときに有効になります。
Oracle Fusion Cloud ApplicationsからOracle Fusion Data Intelligenceにデータを抽出するために作成したユーザーが、リストにない事業所からOracle Fusion Cloud Human Capital Managementにアクセスした場合(IPが許可リストに登録されていない場合)、そのユーザーが関連付けられているプライベート・ロールはフィルタで除外され、割り当てられません。IPアドレスが許可リストに登録/承認されているサーバーから接続しないかぎり、このユーザーには完全なロールと権限が割り当てられません。これにより、Oracle Fusion Data Intelligenceインスタンスの作成およびパイプライン・ジョブ中にユーザー認証の問題が発生します。
Oracle Fusion Cloud Applicationsで、セキュリティ・コンソールにナビゲートし、「管理」をクリックし、「事業所ベースのアクセス」タブを選択して、「事業所ベースのアクセス使用可能」チェック・ボックスが選択されているかどうかを確認します。Oracle Cloud HCMインスタンスでLBACが有効になっている場合は、次のステップを実行します。
- 事前作成済の次のロールのコピーを作成し、すべてのIPアドレスからのアクセスを有効にします:
- REST API抽出権限(ロール・コード: BICC_REST_EXTRACT_PRIV)。たとえば、CustomCopy REST API抽出権限という名前を付け、
COPY_BICC_REST_EXTRACT_PRIV
というコードを指定します。 - 業務用システムからクラウド・システムへのデータのアップロードおよびダウンロード(ロール・コード: OBIA_EXTRACTTRANSFORMLOAD_RWD)。たとえば、CustomCopy業務用システムからクラウド・システムへのデータのアップロードおよびダウンロードという名前を付け、
COPY_OBIA_EXTRACTTRANSFORMLOAD_RWD
というコードを指定します。
- REST API抽出権限(ロール・コード: BICC_REST_EXTRACT_PRIV)。たとえば、CustomCopy REST API抽出権限という名前を付け、
- ロール階層のステップで、シード済ロール・メンバーシップREST API抽出権限(ロール・コード: BICC_REST_EXTRACT_PRIV)をCustomCopy REST API抽出権限ロールに追加し、業務用システムからクラウド・システムへのデータのアップロードおよびダウンロード(ロール・コード: OBIA_EXTRACTTRANSFORMLOAD_RWD)ロールをCustomCopy業務用システムからクラウド・システムへのデータのアップロードおよびダウンロード・ロールに変更します。
- Oracle Fusion Cloud ApplicationsからOracle Fusion Data Intelligenceにデータを抽出するために作成したユーザーに対して、CustomCopy REST API抽出権限ロールおよびCustomCopy業務用システムからクラウド・システムへのデータのアップロードおよびダウンロード・ロールを割り当てます。Oracle Fusion Cloud Applicationsにおける、データを抽出するユーザーの作成を参照してください。
- 事前作成済の次のロールのコピーを作成し、すべてのIPアドレスからのアクセスを有効にします:
- Oracle Fusion Data Intelligenceで、Oracle Fusion HCM Analyticsの機能領域のデータ・パイプラインおよびレポート構成を実行する前に、データ・モデル・ファイルのパイプライン・パラメータを設定して、人材管理関連データが主要なメトリック、ワークブック、ビジュアライゼーション、ダッシュボードおよびレポートにどのように表示されるかを指定します。パイプライン・パラメータの設定および人材管理のレポート構成の設定を参照してください。
- 就業者の年功データを取得するには、Oracle Cloud HCMで「年功起算日の計算」プロセスを実行する必要があります。このデータは、「HCM - 就業者年功」(プレビュー)サブジェクト領域でのレポートに使用できます。
- HCM目標およびキャリア開発のパフォーマンス目標について、次のことを確認します:
- パフォーマンス目標がパフォーマンス目標ファクト: dw_goal_performance_efに存在します。
- 組織目標が、組織目標ファクト: dw_goal_organization_efに存在します。
- 目標数が一致しない原因は、dw_goal_performance_efに組織目標が存在しないためです。
- Oracle Transactional Business Intelligenceレポートが、パフォーマンス目標に加えて組織目標も取り込んでいます。Oracle Transactional Business Intelligenceのパフォーマンス目標のみとの比較は進行中の作業であり、現在準備中です。