電子銀行取引明細書の処理方法

電子銀行取引明細書プロセスでは、銀行取引明細書を転送し、Oracle Fusion Cash Managementにインポートします。

次の取引明細書ファイル・フォーマットがサポートされています。

  • BAI2

  • SWIFT MT940

  • EDIFACT FINSTA

  • ISO20022 CAMT052 V1 - camt.052.001.01

  • ISO20022 CAMT053 V1 - camt.053.001.01

  • ISO20022 CAMT053 V2 - camt.053.001.02

  • ISO20022 CAMT053 V3 - camt.053.001.03

ノート:

インポート・プロセスは、*.txt、*.dat、*.csv、*.xmlおよび*.ackファイル拡張子を持つ銀行ファイルをサポートしています。

電子銀行取引明細書プロセスは次の3つのフェーズで構成されます。

  1. 取得フェーズ: 外部ソースから電子銀行取引明細書ファイルまたはストリームが取得され、データベースに格納されます。外部ソースは、リモート・コンピュータに格納されているファイルまたはローカル・コンピュータに格納されているファイルです。

  2. ロード・フェーズ: 取得された電子銀行取引明細書を処理し、ステージング領域とも呼ばれる銀行取引明細書インタフェース表に移入します。

  3. インポート・フェーズ: ステージング領域からロードされた銀行取引明細書データを機能検証に照らして処理してから、銀行取引明細書表に移入されます。解析ルールはこのフェーズの際に実行されます。

インポート・エラーによりプロセスが失敗した場合は、報告されたエラーを修正します。銀行取引明細書および突合せの概要ページの「処理の警告およびエラー」表からインポート・フェーズのみを再実行します。ただし、ロード・フェーズでエラーが発生した場合は、エラー・データをパージし、プログラムを再発行します。

Oracle Fusion Cash ManagementおよびOracle Fusion Paymentsで電子銀行取引明細書を処理するには、次の前提条件を満たす必要があります。

Cash Management

Cash Managementで次のエンティティを設定します。

  • 銀行口座

  • 残高コード: オープン/クローズ記帳済残高および使用可能残高のISO 20022残高コードが提供されており、追加のコードを残高コード・ルックアップ(CE_INTERNAL_BALANCE_CODES)を使用して定義できます。

  • トランザクション・コード

  • 解析ルール: 解析ルールの設定はオプションですが、銀行取引明細書突合せに関連します。

支払

Paymentsで次のエンティティを設定します。

  • コード・マップ・グループ: 外部データ・ファイルにレポートされる残高コードおよびトランザクション・コードを、アプリケーションで内部的に定義された残高コードおよびトランザクション・コードにマッピングするために、コード・マップ・グループを使用します。各コード・マップ・グループはフォーマットに割り当てられています。BAIおよびEDIFACTオープン/クローズ記帳済残高コードを内部残高コードにマッピングした2つのコード・マップ・グループが提供されています。トランザクション・コード・マッピング(CE_TRX_CODE)を作成して、構成可能なBAI2トランザクション・コードのフロー・インジケータを決定できます。SWIFT940はポジションベースであるため、残高コード・マッピングは不要ですが、トランザクション・コードを内部的に定義されているトランザクション・コードにマッピングするためのコード・マップ・グループは作成できます。提供されているコード・マップ・グループはごく基本的なマッピングです。コード・マップ・グループは、ご使用の環境の要件に合わせて変更または作成できます。

  • フォーマット: Cash Managementには、サポートされている銀行取引明細書フォーマットごとに1つのフォーマットが用意されています。別のフォーマットを追加することもできます。

次のいずれかの方法によって、銀行取引明細書をOracle Fusion Cash Managementでロードおよびインポートできます。

  • 銀行取引明細書ファイルの自動インポート

  • Oracle Web Centerによる銀行取引明細書ファイルの手動インポート

銀行取引明細書ファイルの自動インポート

支払伝送構成機能を使用して、銀行取引明細書ファイルのインポート・プロセスを自動化します。このプロセスでは、支払伝送機能を使用して銀行に接続し、後続の処理を行うために銀行取引明細書ファイルをダウンロードしてアプリケーションにロードします。

次のステップを実行して銀行取引明細書ファイルの自動インポートを設定します。

  1. 支払システムの設定: Oracle Fusion Paymentsで金融機関または銀行を指定します。Oracle Public Cloudなどの実装環境からOracle Fusion Applicationsにアクセスするお客様は、「設定および保守」から「支払システムの管理」ページに移動して支払システムを作成します。

  2. 伝送構成の設定: 金融機関または銀行の接続詳細を設定します。この接続情報は銀行によって提供されます。銀行のサーバーに接続してファイルを取得するために、次のプロトコルがサポートされています。

    • 静的ファイル名のセキュア・ファイル転送取得プロトコル (Secure File Transfer Retrieval Protocol for Static File Names: SFTP_GET): 銀行は、SFTP サーバーの詳細(SFTPサーバーのホストまたはIP、ポート、資格証明の詳細など)を提供します。SFTP_GETプロトコルは現在、ユーザー名/パスワードとSSHキー・ファイル・ベースの認証の両方をサポートしています。

    • HTTP(S) GET要求: 銀行は、接続と取引明細書ファイルの取得のためのSSL対応宛先URLを提供します。このURLでは、認証を有効にすることができます。HTTPS_GETプロトコルはHTTPS接続をサポートしますが、動的トークンの交換はサポートしません。

  3. 電子銀行取引明細書処理要求のスケジュール: このプロセスでは、次のタスクを実行します。

    • 銀行に接続して銀行取引明細書ファイルを取得する

    • 銀行取引明細書ファイルを処理してアプリケーションにロードする

Oracle Web Centerによる銀行取引明細書ファイルの手動インポート

Oracle Web Center Content Managementの文書リポジトリを使用して銀行取引明細書ファイルを手動でロードしてインポートすることができます。Web Center文書リポジトリは、他の実装によってOracle Fusion Applicationsにアクセスするお客様も利用できます。Oracle Fusion Cash Managementのユーザーの場合は、Web Centerにfin/cashManagement/importというアカウントが作成されます。

Oracle Web Center Content Managementの文書リポジトリを使用して銀行取引明細書ファイルを手動でロードしてインポートすることができます。Web Center文書リポジトリは、他の実装によってOracle Fusion Applicationsにアクセスするお客様も利用できます。Oracle Fusion Cash Managementのユーザーの場合は、Web Centerにfin/cashManagement/importというアカウントが作成されます。

次の例は、電子銀行取引明細書を手動でロードしてインポートする方法について説明しています。

  1. 銀行から銀行取引明細書ファイルbai2.txtを取得します。

  2. ファイルをbai2.zipというzipファイルに圧縮します。

  3. ファイル・インポートおよびエクスポート機能を使用して、.zipファイルをWeb Center文書リポジトリに転送し、これをアカウントfin/cashManagement/importに配置します。

    ノート:

    インポートおよびエクスポート・プロセスの詳細は、このトピックの末尾にあるインポートおよびエクスポート用のファイル: 説明のハイパーリンクを参照してください。

  4. 「銀行取引明細書のロードおよびインポート」プロセスを実行します。このプロセスには次のパラメータがあります。

    • フォーマット: 銀行取引明細書のファイル・フォーマットを選択します。たとえば、BAI2形式などです。

    • データ・ファイル: WebCenter文書リポジトリから.zipファイルを選択します。たとえば、アカウントfin$/cashManagement$/import$のbai2.zipを選択します。

    • 日中: 日中取引明細書をインポートする場合はこのパラメータを選択します。日中取引明細書のタイプは「累積」または「差分」です。

    • 自動突合せの発行: 「銀行取引明細書のロードおよびインポート」プロセスが正常に完了した直後に自動突合せプロセスを発行するには、このパラメータを使用します。このオプションは、「日中」が選択されている場合には使用できません。

  5. 銀行取引明細書および突合せの概要ページで処理エラーの有無をチェックします。ファイルが正常にインポートされた場合は、「銀行取引明細書の管理」ページからレビューできます。

銀行取引明細書の検証

前回日付銀行取引明細書:

  1. 取引明細書IDは、カレンダ年内の銀行口座で一意である必要があります。

  2. 日付範囲内で複数の取引明細書が許可されます。

日中銀行取引明細書:

  1. 取引明細書IDは、カレンダ年内の銀行口座で一意である必要があります。

  2. 1日当たりに許可される取引明細書は1つのみです。

日中銀行取引明細書: 累積

  • 既存の日中銀行取引明細書が削除され、累積取引明細書がインポートされます。

日中銀行取引明細書: 差分

  • 日付範囲内に手動の日中取引明細書が存在するかどうかがチェックされます。存在する場合は、差分取引明細書はインポートされず、この処理はステータス「インポート・エラー」で完了します。

  • 同じ日付範囲内にインポートされた日中取引明細書が存在するかどうかがチェックされます。存在する場合は、差分日中銀行取引明細書の取引明細書明細が、既存の日中銀行取引明細書に追加されます。存在しない場合は、新しい日中取引明細書が作成されます。