コーポレート・カード・トランザクション・ファイルの処理方法

コーポレート・カード・トランザクション・ファイルの処理を開始する前に、会社がコーポレート・カード会社と接続を確立する必要があります。また、トランザクション・ファイル形式およびトランザクション・ファイル配信頻度を決定する必要もあります。

セキュアな接続が確立されると、会社はトランザクション・ファイルを受信します。

アプリケーションによってトランザクション・ファイルがロードされ、トランザクションが検証されます。ファイル内にeFolioサマリーおよび詳細トランザクションがあれば、ロードされます。有効なトランザクションはすべて経費項目として作成され、従業員が経費精算書に追加するように選択できます。無効なトランザクションはすべて、コーポレート・カード管理者がレビューおよび修正のために選択できます。修正後、これらのトランザクションは再検証され、経費精算書作成に使用できるようになります。

コーポレート・クレジット・カード機能を実装するときに、クレジット・カード会社への支払責任を会社または従業員のどちらに負わせるかを決定する必要があります。Expensesに実装できる3つの支払オプションは次のとおりです。

  • 個人支払: すべてのコーポレート・カード・トランザクションについて従業員がコーポレート・カード会社に支払う

  • 会社支払: すべてのトランザクションについて会社がコーポレート・カード会社に支払う

  • 両方支払: ビジネス経費については会社がコーポレート・カード会社に支払い、個人経費については従業員がコーポレート・カード会社に支払う

この図は、コーポレート・カード・トランザクション・ファイルの処理の概要を示しています。
この図は、コーポレート・カード・トランザクション・ファイルの処理の概要を示しています。

コーポレート・カード・トランザクション・ファイルに影響を与える設定

コーポレート・カード・トランザクション・ファイルのプロセス・フローは、会社が3つのうちどの支払オプションを実装するかによって決まります。会社は、地理的地域別、組織階層別またはその他の基準別に、支払オプションの1つ、2つまたは3つ全部を実装できます。たとえば、あるグローバル企業では、米国で「両方支払」を実装し、英国で「個人支払」を実装することがあります。別の会社では、ある組織団体に対して「両方支払」を、英国内の別の組織に対して「個人支払」を実装することがあります。

カード・プログラムに会社アカウントを作成するとき、「会社アカウントの作成」ページの「支払未払元」リストから支払オプションを選択します。

コーポレート・カード・トランザクション・ファイルの処理方法

この項では、各支払オプションのコーポレート・カード・トランザクション・ファイル・プロセス・フローの例を示します。それぞれの例で、従業員が経費精算書の作成および発行時に現金をレポートし、カード・トランザクションをビジネスと個人の両方として分類することを想定しています。

個人支払

「個人支払」支払オプションは、「両方支払」や「会社支払」よりも単純です。コーポレート・カード・トランザクションをビジネス経費か個人経費のどちらに指定したかに関係なく、ビジネス経費と個人経費の両方について従業員がコーポレート・カード会社に支払います。従業員が経費精算書を作成すると、ビジネス・トランザクションと個人トランザクションの両方がレポートされます。ただし、コーポレート・カード・ビジネス経費については雇用主が従業員に払戻を行います。

次の表に、「個人支払」のコーポレート・カード・トランザクション・ファイル処理の例を示します。

処理

説明

会社アカウントの設定およびデータ・ファイルのダウンロード。

コーポレート・カード会社からコーポレート・カード・トランザクション・データ・ファイルを入手します。

Expensesへのデータ・ファイルのアップロード。

コーポレート・カード・トランザクション・ファイルをアップロードして検証します。

経費精算書の作成および発行。

経費精算書を作成するとき、経費精算書で発行するコーポレート・カード・トランザクションを選択します。トランザクションがビジネス経費か個人経費かを決定します。デフォルトでは、トランザクションは「ビジネス」として指定されます。

雇用主から払戻を受けるのは、ビジネス経費についてのみです。経費精算書で処理が完了すると、コーポレート・カード・トランザクションは、経費精算書に追加するトランザクションのリストで選択不可になります。このルールは、ビジネス経費と個人経費の両方に適用されます。

経費精算書のレビューおよび承認。

経費精算書を発行した後、マネージャがそれを承認する必要があります。マネージャの承認後、必要な領収書が添付され、経費精算書が会社のポリシーに準拠しているかを確認するために経費精算書が検証されます。

払戻。

経費精算書のレビューと承認が完了すると、支払処理を行うためにPayablesで請求書作成ができるようになります。従業員への未払額を含む請求書を作成するには、「経費払戻の処理」プログラムを実行します。これにより、Oracle Fusion Paymentsを介して従業員への支払が処理されます。

会社支払

「会社支払」支払オプションでは、従業員が行ったすべてのコーポレート・カード・トランザクションについて雇用主がコーポレート・カード会社に支払います。従業員は、現金ビジネス経費に対する払戻のみを受けます。ビジネス経費としてレポートされたコーポレート・カード・トランザクションは、従業員に払い戻される金額に影響を与えません。

ノート:

従業員がトランザクションを個人経費としてレポートした場合、これらのトランザクションは、レポートされた現金ビジネス経費に対して相殺されます。したがって、従業員への払戻可能金額は、コーポレート・カード個人経費の金額の分減額されます。

次の表に、「会社支払」のコーポレート・カード・トランザクション・ファイル処理の例を示します。

処理

説明

会社アカウントの設定およびデータ・ファイルのダウンロード。

コーポレート・カード会社からコーポレート・カード・トランザクション・ファイルを入手します。

Expensesへのデータ・ファイルのアップロード。

コーポレート・カード・トランザクション・ファイルをアップロードして検証します。

経費精算書の作成および発行。

経費精算書を作成するとき、発行するコーポレート・カード・トランザクションを選択します。トランザクションがビジネス経費か個人経費かを決定します。

現金経費は会社のコーポレート・カードに請求されず、ビジネス経費とみなされます。現金経費がコーポレート・カード・ビジネス経費として払い戻されることはありません。個人経費として指定されたコーポレート・カード・トランザクションは、払戻金額を減額します。

雇用主から払戻を受けるのは、現金ビジネス経費についてのみです。経費精算書で処理が完了すると、コーポレート・カード・トランザクションは、経費精算書に追加するトランザクションのリストで選択不可になります。このルールは、ビジネス経費と個人経費の両方に適用されます。

経費精算書のレビューおよび承認。

経費精算書を発行した後、マネージャがそれを承認する必要があります。マネージャの承認後、必要な領収書が添付され、経費精算書が会社のポリシーに準拠しているかを確認するために経費精算書が検証されます。個人経費として指定されたコーポレート・カード・トランザクションも、レビューのためにマネージャに表示されます。

ExpensesからPayablesへの経費精算書のエクスポート。

経費精算書のレビューと承認が完了すると、支払処理を行うためにPayablesで請求書作成ができるようになります。

従業員への未払額を含む請求書を作成するには、「経費払戻の処理」プログラムを実行します。これにより、Oracle Fusion Paymentsを介して従業員への支払が処理されます。

カード会社への未払額を含む請求書を作成するには、「コーポレート・カード会社支払要求の作成」プロセスを実行します。これにより、Oracle Fusion Paymentsを介して従業員への支払が処理されます。カード会社への支払は、経費精算書のステータスに関係なくいつでも行うことができます。

両方支払

「両方支払」支払オプションでは、ビジネス経費として分類されたトランザクションについては会社がコーポレート・カード会社に支払います。個人経費としてレポートされたすべてのコーポレート・カード・トランザクションについては、従業員がコーポレート・カード会社に支払います。経費精算書が請求書としてPayablesにエクスポートされるまでは、コーポレート・カード会社の請求書を作成できません。

次の表に、「両方支払」のコーポレート・カード・トランザクション・ファイル処理の例を示します。

処理

説明

会社アカウントの設定およびデータ・ファイルのダウンロード。

コーポレート・カード会社からコーポレート・カード・トランザクション・データ・ファイルを入手します。

Expensesへのデータ・ファイルのアップロード。

コーポレート・カード・トランザクション・ファイルをアップロードして検証します。

経費精算書の作成および発行。

経費精算書を作成するとき、発行するコーポレート・カード・トランザクションを選択します。

雇用主から払戻を受けるのは、現金ビジネス経費についてのみです。経費精算書で処理が完了すると、コーポレート・カード・トランザクションは、経費精算書に追加するトランザクションのリストで選択不可になります。このルールは、ビジネス経費と個人経費の両方に適用されます。

経費精算書のレビューおよび承認。

経費精算書を発行した後、マネージャがそれを承認する必要があります。マネージャの承認後、必要な領収書が添付され、経費精算書が会社のポリシーに準拠しているかを確認するために経費精算書が検証されます。Payablesで経費精算書のレビュー・プロセスが完了すると、コーポレート・カード・トランザクションのみを含む新しい経費精算書が作成されます。新しい経費精算書は、ビジネス・トランザクションのみをコピーすることにより既存の経費精算書基づいており、カード会社への支払に使用されます。経費精算書に2つのコーポレート・カードに請求されるトランザクションが含まれる場合、それらのコーポレート・カード会社に支払うために2つの経費精算書が作成されます。これらの経費精算書にはそれぞれ、1および2が付与されます。

経費払戻の処理。

カード会社経費精算書の作成が完了すると、支払処理を行うためにPayablesで請求書作成ができるようになります。

従業員およびカード会社への未払額を含む請求書を作成するには、「経費払戻の処理」プログラムを実行します。これにより、Oracle Fusion Paymentsを介して従業員およびコーポレート・カード会社への支払が処理されます。従業員への未払額の請求書には、現金経費とコーポレート・カード経費の両方に対する会計配分およびプロジェクト会計が含まれます(該当する場合)。

コーポレート・カード会社請求書には、経費精算勘定に対するすべてのコーポレート・カード経費の単一の会計配分が含まれます。