委任された経費精算書の承認ルールの設定方法

Oracle Fusion Expensesでは、経費入力を別の個人に委任できます。委任された経費精算書の承認プロセスを理解するには、作成者と所有者の違いを理解する必要があります。

別の個人の経費精算書を発行する個人は、作成者と呼ばれます。経費が発生した個人は、経費精算書の所有者と呼ばれます。

Expensesには、委任された経費精算書の承認をサポートする事前定義済承認ルールが用意されています。作成者が経費精算書を発行すると、次の承認プロセスが発生します。

  • 経費精算書所有者による承認

    承認プロセスの最初の部分では、経費精算書が承認のために経費精算書所有者にルーティングされます。経費精算書のステータスは「個人承認待ち」です。承認プロセスのこの部分のルール・セットは、BPMワークリスト・アプリケーションではExpenseReportApprovalStageExpenseReportD : ExpenseReportOwnerRuleSetと呼ばれます。

  • 作成者のマネージャによる承認

    承認プロセスの2番目の部分では、経費精算書が承認のために作成者のマネージャ階層にルーティングされます。経費精算書のステータスは「マネージャ承認待ち」です。承認プロセスのこの部分のルール・セットは、BPMワークリスト・アプリケーションではExpenseReportApprovalStage : ExpenseReportRuleSetと呼ばれます。

このトピックでは、会社が委任経費入力を有効にした場合にルール・セットの変更が必要となる次の2つのシナリオについて説明します。

  • 所有者による承認のバイパス

  • 所有者のマネージャからの承認の開始

会社のポリシーに基づいて、次のいずれかのシナリオを適用できます:

  • 所有者による承認のバイパスのみ

  • 所有者のマネージャからの承認の開始のみ

  • 所有者による承認のバイパスと所有者のマネージャからの承認の開始の両方

  • 所有者による承認のバイパスも所有者のマネージャからの承認の開始もなし

所有者による承認のバイパス

会社のポリシーで経費精算書所有者による経費精算書の承認が不要な場合は、この承認をバイパスするようにルール・セットを変更できます。バイパスすると、経費精算書ステータスが「マネージャ承認待ち」に設定されます。経費精算書は、既存の承認ルールに基づいて承認者にルーティングされます。

所有者による承認をバイパスするには、次のステップを実行します:

  1. Oracle BPM Worklistアプリケーションにナビゲートします。

  2. ページの隅に表示されている「管理」リンクをクリックします。「管理」タブが表示されます。

  3. 「タスク構成」タブをクリックします。

  4. 「ルール」タブをクリックします。

  5. 「設定するタスク」ペインで、FinExmWorkflowExpenseApprovalタスクを選択します。

  6. 「ルールセットの選択」選択リストから、次の事前定義済ルール・セットを選択します: SoaOLabel.ExpenseReportApprovalStageExpenseReportD : ExpenseReportOwnerRuleSet

  7. 「この参加者を無視」チェック・ボックスを選択します。この処理によって、承認ルールは承認ルールの最初の承認者として所有者を無視するよう指示されます。

  8. 変更したルール・セットを保存するには、「設定するタスク」ペインで「保存」アイコンをクリックします。

  9. 変更したルール・セットをコミットするには、「設定するタスク」ペインで「タスクのコミット」アイコンをクリックします。

所有者のマネージャからの承認の開始

承認プロセスでは、経費精算書が作成者のマネージャ階層にルーティングされます。

会社のポリシーで経費精算書を承認のために所有者のマネージャ階層にルーティングする必要がある場合は、次のステップを実行します。

  1. 経費精算書承認タスクフローにナビゲートするには、前の項のステップ1-5を実行します。

  2. 「ルールセットの選択」選択リストから、次の事前定義済ルール・セットを選択します: SoaOLabel.ExpenseReportApprovalStage : ExpenseReportRuleSet

  3. 「設定するタスク」ペインで「タスクの編集」アイコン(鉛筆)をクリックします。

  4. ExpenseReportManagerApprovalルールを展開します。

  5. 「リスト・ビルダー・アクション1」リージョンで、「開始参加者」フィールドをクリックし、「("supervisory",Task.creator,」が表示されるまでスクロールします。

  6. 「開始参加者」フィールドで、次の表に示すようにTask.creatorをTask.payload.Expense Report Ownerに置き換えます。

    事前定義済の値

    変更後の値

    HierarchyBuilder.getManager("supervisory",Task.creator,-1,"","")

    HierarchyBuilder.getManager("supervisory", Task.payload.Expense Report Owner,-1,"","")

  7. 変更したルール・セットを保存するには、「設定するタスク」ペインで「保存」アイコンをクリックします。

  8. 変更したルール・セットをコミットするには、「設定するタスク」ペインで「タスクのコミット」アイコンをクリックします。

注意:

Expensesでは、承認階層の最初の承認者としてTask.creatorを使用する既存の承認ルールを評価して、最初の承認者をtask.creatorからTask.payload.Expense Report Ownerに変更する必要があるかどうかを判断することをお薦めします。