資産明細の生成
このトピックでは、資産明細の生成に関連するタスクの概要を提供するとともに、例を使用してそのプロセスを説明します。
資産明細の概要は、「資産明細とは何ですか。それらが必要なのはなぜですか。」を参照してください。
資産明細の生成には、相互に関連する2つのタスクが含まれます:
- プロジェクト・コスト・グループ化: プロジェクト・コストをグループ化できます。
- 資産コスト配賦: グループ化された資産コストをプロジェクト資産に配賦できます。
簡単に言えば、管理しやすくするために集計する必要があるプロジェクト・コストが、数百万ではないにしても、数千はある場合があります。これらのコストをまとめてグループ化すると、これらのコストの配賦で共有する必要がある、指定されたプロジェクト資産にそれらを配賦できます。
資産明細の生成: 例
たとえば、クレー・テニス・コートの境界線テープはビニール製であり、クレーに物理的に釘で固定する必要があります。通常、1面のテニス・コートにラインを引くために1500本の釘が使用されます。テニス・コートのエンジニアがこれらのすべての釘を打ち込むために何時間もかかることは明らかであり、テニス・クラブにクレー・コートが8面ある場合、8面のコートすべてにラインを設置するには12,000本の釘が必要になります。そこで、テープを配置する個人がテニス・コートごとに1人ずつ割り当てられ、釘を打ち込む必要がある個人がテニス・コートごとに2人ずついるとします。それぞれのテニス・コートのテープ貼りを完了するには5時間かかります。
1面のクレー・テニス・コートを囲む境界テープの設置に関連するコストは次のようになっているとします:
- ビニール・テープのコスト: コート1面当たり$1,000
- テニス・コート用の釘のコスト: コート1面当たり$500
- テープ配置担当者の労務費: 1時間当たり$100。コート1面当たりの所要時間は2時間で、コート1面当たりのコストは$200です。
- 釘打ち担当者の労務費: 1時間当たり$50。コート1面当たりの所要時間は3時間で、コート1面当たりのコストは$150です。
- 釘打ち機の1時間ごとのレンタル料: 1時間当たり$50。釘打ち機のレンタルは3時間必要で、コート1面当たりのコストは$150です。
1面のテニス・コートへのライン引きに関連するコストは次のとおりです:
項目 | レート | 時間 | コート1面当たりのコスト | 8コート分の所要時間 | 8コート分のコスト |
---|---|---|---|---|---|
ビニール・テープ | コート1面当たり$1,000 | NA | $1,000 | NA | $8,000 |
テニス・コート用の釘 | コート1面当たり$500 | NA | $500 | NA | $4,000 |
労務、テープ配置担当者 | 1時間当たり$100 | 2時間 | $200 | 16時間 | $1,600 |
労務、釘打ち担当者 | 1時間当たり$50 | 3時間 | $150 | 24時間 | $1,200 |
釘打ち機のレンタル(コート1面当たり1つ) | 1時間当たり$50 | 3時間 | $150 | 24時間 | $1,200 |
合計 | $2,000 | $16,000 |
このプロジェクトの資産明細を生成するには、まず、選択した1つ以上の特定のルールによって、同種のプロジェクト・コストをグループ化する必要があります。材料費と労務費を別個にグループ化することを選択したとします。これで、プロジェクト・コストの見出しは5つではなく2つになりました:
- 材料費: クレー・テニス・コートにラインを設置するために必要な資材は、ビニール・テープ、テニス・コート用の釘、および特殊な釘打ち機の使用です。テープを配置して取り付けるための平均予想材料費は、クレー・テニス・コート1面当たり$1,650、つまりコート8面で$13,800です。
- 労務費: これらのラインを設置するために必要な労務は、次の2つの部分に編成できます: テープ配置担当者については2時間、釘打ち担当者については3時間。テープを配置して取り付けるための平均予想労務費は、クレー・テニス・コート1面当たり$350、つまりコート8面で$2,800です。
次は、これらのコストをプロジェクト資産に配賦する必要があります。それぞれのクレー・コートを配置するための資材および労務のコストは同じであることがわかっているため、「均等に分割」資産コスト配賦方法を使用します。このことは、それぞれのプロジェクト・コストがそれぞれのクレー・コートに均等に配賦されることを意味します。この資産コスト配賦方法の詳細は、資産コスト配賦方法を参照してください。
これらの8面のテニス・コートを準備するためのプロセスを確認すると、必要な資材と労務に関してプロセスは同一です。それぞれのテニス・コートについて定義された指定のタスクにコストを直接賦課することも、コストをまとめて取得し、8面のテニス・コートのそれぞれに均等に配賦することもできます。この配賦は、いずれか1面のテニス・コートに直接は関連付けられない雑費、たとえば8面のテニス・コートすべての設置を監督するテニス・コート管理者などに適用されることもあります。これには、プロジェクト全体についてレンタルおよび使用されるトラックやリフトのコストが含まれる可能性があります。
次に、労務費が$2,800、ビニール・テープとテニス・コート用の釘が$12,000、釘打ち機のレンタルが$1,200になるとします。このことにより、合計プロジェクト・コストは$16,000になります。「均等に分割」資産コスト配賦方法を選択したため、それぞれのクレー・コートに配賦されるコストは$16,000 / 8コート、つまりコート1面当たり$2,000となります。
次の表は、資産明細を構成する、グループ化されて配賦されたコストの最終セットを示しています:
関連付けられるプロジェクト資産 | 資産明細摘要 | 資産明細値 |
---|---|---|
クレー・コート1 | クレー・コート1の材料費 | $1650 |
クレー・コート1 | クレー・コート1の労務費 | $350 |
クレー・コート2 | クレー・コート2の材料費 | $1650 |
クレー・コート2 | クレー・コート2の労務費 | $350 |
クレー・コート3 | クレー・コート3の材料費 | $1650 |
クレー・コート3 | クレー・コート3の労務費 | $350 |
クレー・コート4 | クレー・コート4の材料費 | $1650 |
クレー・コート4 | クレー・コート4の労務費 | $350 |
クレー・コート5 | クレー・コート5の材料費 | $1650 |
クレー・コート5 | クレー・コート5の労務費 | $350 |
クレー・コート6 | クレー・コート6の材料費 | $1650 |
クレー・コート6 | クレー・コート6の労務費 | $350 |
クレー・コート7 | クレー・コート7の材料費 | $1650 |
クレー・コート7 | クレー・コート7の労務費 | $350 |
クレー・コート8 | クレー・コート8の材料費 | $1650 |
クレー・コート8 | クレー・コート8の労務費 | $350 |
合計 | $16,000 |
これで、グループ化されたプロジェクト・コストが配分され、適切なプロジェクト資産に配賦されました。配賦されたこの16行のコストが資産明細であり、これらがOracle Assetsに転送されると、それぞれのテニス・コートに別個に関連付けられます。