サービス・レベルの設定

サービス・レベル・ルールは、サービスの品質の判断に使用されるアセスメント基準として定義されます。これにより、サービス・レベル合意で定義されているように、営業時間中にサービスが満たす必要がある可用性およびパフォーマンス基準を指定できます。たとえば、電子メール・サービスは、月曜から金曜の午前8時から午後8時までは99.99%使用可能である必要があります。

サービス・レベル・ルールは、サービスがサービス・レベル・ルールで定義されているパフォーマンスおよび可用性基準を満たしている時間の割合を指定します。デフォルトでは、規定された営業時間の85%の期間、指定された基準を満たしていることが期待されます。サービスの期待度に応じて、この割合のレベルを上下できます。サービス・レベル・ルールは次の要素に基づいています。

  • 営業時間: サービス・レベルがサービス・レベル合意の指定に基づいて計算される時間範囲です。

  • 可用性: サービスがどのような場合に使用可能であるとみなされるかを指定できます。これは、サービス・レベルの計算のみに影響し、コンソールに表示される実際の可用性状態には影響しません。サービスが次の1つ以上の状態である場合に、サービスが使用可能であるとみなされるように選択できます。

    • 稼働中: デフォルトでは、サービスは「稼働中」または使用可能であるとみなされます。

    • ブラックアウト中: このオプションにより、サービスのブラックアウト時間(サービスが技術的に使用不可であることを示す計画アクティビティ)を使用可能なサービス時間として指定できます。

    • 不明: このオプションにより、管理エージェントが使用不可であるためにサービスがモニターされない時間を、使用可能なサービス時間として指定できます。

  • パフォーマンス基準: オプションで、サービスのパフォーマンスが低下している場合に、サービス・レベル違反に指定できます。たとえば、Webサイトが稼働している場合でも、1ページのロードに10秒かかる場合、サービスは使用不可であるとみなされる可能性があります。

  • ビジネス基準: ビジネス基準は、特定のサービスのビジネス・プロセスの状態を判断するのに役立ちます。必要に応じて、サービス・レベルに影響するビジネス・メトリックを定義できます。特定のビジネス・メトリックに対してクリティカル・アラートが生成されると、サービス・レベル違反が発生します。

    ノート:

    「ビジネス基準」列は、1つ以上のキー・ビジネス・インジケータがサービスに関連付けられている場合にのみ表示されます。Oracle Enterprise Manager統合ガイドを参照してください。

  • 実際のサービス・レベル: 営業時間内で、指定された可用性、パフォーマンスおよびビジネス基準をサービスが満たしている時間の割合が計算されます。

  • 予測されるサービス・レベル: 関係する評価期間のうち、提供するサービスが満たす必要のある最低限の許容可能なサービス・レベルを表します。

各サービスには、1つのサービス・レベル・ルールのみを定義できます。サービス・レベル・ルールは、ある期間内に「実際のサービス・レベル」を評価し、それを「予測されるサービス・レベル」と比較するために使用されます。

サービス・レベル・ルールの定義

サービス・レベル・ルールは、サービスの品質の測定に使用されるアセスメント基準として定義されます。サービス・レベル・ルールは次の要素に基づいています。

  • ルールが適用可能な時間範囲。

  • ルールを定義するメトリック。

  • メトリック値に対するユーザーの期待値。

予測されるサービス・レベルは、サービスに対して期待する品質で、サービス・レベル・ルールのメトリックと時間範囲に基づいて定義されます。たとえば、予測されるサービス・レベルを、営業時間中にサービスが99%の時間使用可能である、とすることができます。

サービスを作成すると、デフォルトのサービス・ルールがそのサービスに適用されます。ただし、サービスに適切なアセスメント基準を正確に定義するには、各サービスのサービス・レベル・ルールを編集する必要があります。サービス・レベル・ルールを定義するには、次のようにします。

  1. 「ターゲット」タブをクリックし、「サービス」サブタブをクリックします。「サービス」のメイン・ページが表示されます。
  2. サービス名のリンクをクリックし、サービスのホームページに移動します。
  3. 「関連リンク」セクションで、「サービス・レベル・ルールの編集」をクリックします。
  4. 「サービス・レベル・ルールの編集」ページで、予測されるサービス・レベルと実際のサービス・レベルを指定し、「OK」をクリックします。予測されるサービス・レベルは、サービス・レベル・ルールで定義されているパフォーマンス、使用状況、可用性およびビジネス基準をサービスが満たしている時間の割合を指定します。実際のサービス・レベルは、サービスの質の定義に使用されるベースライン基準を定義するもので、営業時間、可用性、パフォーマンス基準、使用状況基準およびビジネス基準が含まれます。

ノート:

スーパー管理者、サービスの所有者またはOPERATOR_TARGETターゲット権限を持つEnterprise Manager管理者が、サービス・レベル・ルールを定義または更新できます。

サービス・レベルの詳細の表示

次のいずれかから直接にサービス・レベル情報を表示できます。

  • Enterprise Managerコンソール - どのサービスのホームページからでも、「実際のサービス・レベル」をクリックして「サービス・レベルの詳細」ページにドリルダウンできます。このページには、予測されるサービス・レベルと比較して、過去24時間、7日間または31日間において、サービスが実際に達成したサービス・レベルが示されます。さらに、サービス違反および各違反の時間の詳細がグラフィックとテキストの両方で表されます。

  • 情報パブリッシャ - 情報パブリッシャでは、サービス・ダッシュボードと呼ばれる、あらゆるサービスの包括的なビューを提供する即時利用可能なレポート定義が提供されます。「レポート定義」ページで、「サービス・モニタリング・ダッシュボード」レポート定義をクリックし、既存のサービスの包括的なビューを生成します。デフォルトでは、サービスの可用性、パフォーマンス、ステータス、使用状況、ビジネスおよびサービス・レベルが表示されます。また、情報パブリッシャには、独自のカスタム・レポート定義の作成を可能にするサービス固有のレポート要素も用意されています。次のレポート要素が使用可能です。

    • サービス・レベルの詳細: ある期間内で達成された「実際のサービス・レベル」とそれに影響を与えた違反を表示します。

    • サービス・レベルのサマリー: 一連のサービスについて、選択した期間内に発生したサービス・レベル違反が表示されます。

    • サービス・モニタリング・ダッシュボード: 一連のサービスに関して、そのステータス、パフォーマンス、使用状況、ビジネス、サービス・レベル情報が表示されます。

    • サービス・ステータス・サマリー: 1つ以上のサービスの現在のステータス、パフォーマンス、使用状況、ビジネスおよびコンポーネント・ステータスに関する情報が表示されます。