ホスト統合プランナの概要

長年にわたり、標準的なエンタープライズ・データ・センターは、ビジネスのニーズを満たすために必要とされるサーバーの追加のため、絶え間なく成長を続けています。この成長は、多くの場合、ラック・スペースを占領し、冷却のために多くの電力を消費し、セキュリティやパッチなどのシステムのメンテナンスを必要とする、多すぎるサーバーという事態を招きます。

調達サイクルまたは特定のハードウェア・ベンダーと結んだ契約のため、企業は異なるタイプのサーバー・ハードウェアおよびオペレーティング・システムを手にすることになり、ふとしたことからシステム配置の混乱を生み、管理者による管理や運用、パッチ、アップグレードを必要とすることになります。その結果、仕事を増やし、IT予算における、絶え間のないメンテナンスとサポートのコストが増加します。企業は、コスト削減の究極の目標である、種々雑多なシステムを標準化されたオペレーティング・システムおよびハードウェアに移行する手段として、統合に注目しています。

企業はまた、物理サーバーから仮想サーバーに移行する、Oracle仮想マシンのような仮想化テクノロジについての調査を進めています。これは、仮想化がもたらす独立性の利益を得る一方で、共有ハードウェア・インフラストラクチャの使用を可能にします。

統合の目的は、そのような十分に活用されていないサーバーを見つけ出し、それを統合する手段を発見し、企業がそのサービス・レベルを維持しながら、できるかぎり多くのサーバーを解放できるようにすることです。サーバーは異なるレベルのCPU処理能力を持つので、ホスト統合プランナは、統合プロセスの指定されたハードウェアのCPU使用率を正規化するために、コンピュータのベンチマーク・データを使用します。特に、ホスト統合プランナでは、異なるクラスのハードウェアのために、次のCPUベンチマークを使用しています。

  • SPECint®_base_rate2006: データベース・ホスト、アプリケーション・ホストまたは混合ワークロード・ホスト

  • SPECjbb®2005: ミドルウェア・プラットフォーム

ホスト統合プランナは、統合する管理対象ソースを新規または既存のターゲット宛先と一致させることができます。汎用的な物理マシンであるOracle Engineered System (Exadataデータベース・マシンまたはExalogic Elastic Cloudシステム)またはOracle Virtual Machine (VM)サーバーにソース・サーバーを統合します。

また、Oracle Cloudで構成されている物理マシンにソース・サーバーを統合できます。このタイプの統合では、Oracle Cloud Compute構成はホストを模倣します(検討するリソースとして重要なメモリーおよびCPU性能だけは除く)。

ホスト統合プランナは、Enterprise Manager Cloud Controlによって管理対象ターゲット・サーバーから収集されたメトリックおよび構成データを利用することで、統合プロセスでのビジネスや技術的な制約も反映された最適な統合シナリオを決定するのに役立ちます。