SQL統計

Microsoft SQL ServerのSQL Statisticsオブジェクトは、コンパイルやSQL Serverのインスタンスに送信されるリクエストのタイプを監視するためのカウンタを提供します。クエリーのコンパイルと再コンパイルの回数、およびSQL Serverのインスタンスが受信するバッチの数を監視すると、SQL Serverがユーザー・クエリーを処理する速度と、クエリー・オプティマイザがクエリーを処理する効果がわかります。

Microsoft SQL Server 2008/2012/2014/2016の場合

デフォルトの収集間隔 — 10分ごと

表2-71 SQL統計メトリック

メトリック 説明

SQL統計カウンタ名(キー列)

パフォーマンス・メトリック名。

SQL統計カウンタ値(キー列)

パフォーマンス・メトリックの値。

「SQL統計カウンタ名」のキー列には、複数のメトリックがあります。次の表に、各メトリックとその説明を示します。

表2-72 SQL統計カウンタ名メトリック

メトリック 説明

自動パラメータ化の試行/秒

1秒当たりの自動パラメータ化の試行回数。失敗した自動パラメータ化、安全な自動パラメータ化および安全ではない自動パラメータ化の合計である必要があります。SQL Serverが以前実行されたクエリー(現在のクエリーと類似しているが、厳密には同じではないクエリー)のキャッシュ済プランを再使用しようとすると、自動パラメータ化が発生します。詳細は、『Microsoft SQL Server Introduction』の自動パラメータ化に関する説明を参照してください。

バッチ・リクエスト/秒

1秒当たりに受信したTransact-SQLコマンドのバッチの数。この統計は、すべての制約(I/O、ユーザー数、キャッシュ・サイズ、リクエストの複雑性など)の影響を受けます。バッチ・リクエストの数が多いことは、スループットが優れていることを意味します。詳細は、『Microsoft SQL Server Introduction』のバッチ処理に関する説明を参照してください。

安全な自動パラメータ化/秒

1秒当たりの安全な自動パラメータ化の試行回数。

SQLコンパイル/秒

1秒当たりのSQLコンパイルの回数。コンパイル・コード・パスが入力された回数を示します。再コンパイルによるコンパイル回数を含みます。SQL Serverのユーザー・アクティビティが安定すると、この値は安定した状態になります。

SQL再コンパイル/秒

1秒当たりのSQL再コンパイルの回数。再コンパイルがトリガーされた回数をカウントします。通常、再コンパイルの回数は少なくする必要があります。

安全ではない自動パラメータ化/秒

1秒当たりの安全ではない自動パラメータ化の試行回数。表には、キャッシュされたプランを共有できないいくつかの特性があります。これらは、安全ではないものとみなされています。この数が少ない方が好ましい状態です。