Enterprise Managerでの停止時連絡先の構成

Always-On MonitoringがEnterprise Managerと同期すると、モニタリング・サービスでは、構成された停止時連絡先により、OMSが停止したときに適切な管理者に電子メール通知を送信できます。初めてAlways-On Monitoringを実行する前に、Enterprise Managerで停止時連絡先を構成する必要があります。Always-On Monitoringが通知を送信する停止時連絡先は、次のいずれかの形式にできます。

  • グローバルな停止時連絡先

  • ターゲット・プロパティに基づいたターゲット単位の停止時連絡先  

  • イベント・ルールに基づいたターゲット単位の停止時連絡先

電子メール・アドレスをグローバル形式とターゲット単位形式の両方に指定すると、すべての電子メール・アドレスが使用されます。

グローバルな停止時連絡先

グローバルな停止時連絡先は、Enterprise Managerサイトの単一のプロパティ・セットです。設定すると、すべてのターゲット・ステータス・イベントおよびすべてのターゲットのメトリック・アラームが、グローバルな停止時連絡先のプロパティで指定された受信者に送信されます。

% emcli set_oms_property -property_name='oracle.sysman.core.events.ems.downtimeContact' 
-property_value='<email addresses>'

グローバルな停止時連絡先を削除するには、次のコマンドを実行します。

emctl delete property -name 'oracle.sysman.core.events.ems.downtimeContact'

ターゲット・プロパティからのターゲット単位の停止時連絡先  

これらの停止時連絡先の電子メール・アドレスは、各ターゲットの「停止時連絡先」ターゲット・プロパティで指定する必要があります。「停止時連絡先」ターゲット・プロパティを指定する方法は次の3つです。

  • 各ターゲットで、ターゲットのホームページからアクセスできる「ターゲット・プロパティ」ページに移動します。ターゲット・ホームページの「ターゲット」メニューから、「ターゲット設定」を選択して「プロパティ」を選択します。「ターゲット・プロパティ」ページが表示されます。

    「編集」をクリックして、「停止時連絡先」ターゲット・プロパティに電子メール・アドレスを指定します。カンマで区切ることによって、複数の電子メール・アドレスを指定できます。

  • EM CLI set_target_property_value動詞を使用します。

    emcli set_target_property_value -property_records="target_name:target_type:property_name:property_value"

    例:

    %./emcli set_target_property_value -property_records="myhost:host:Downtime Contact:John.Doe@mycompany.com"

    set_target_property_value動詞の詳細は、『Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース』ガイドを参照してください。

  • Enterprise Managerのターゲット停止イベント・ルールでの電子メール受信者を活用します。詳細は、次の項を参照してください。

イベント・ルールに基づいたターゲット単位の停止時連絡先

Always-On Monitoringは、各ターゲットの異なるユーザーに電子メール通知を送信することもできます。これらの連絡先は、ターゲットのイベント・ルールに基づいてEnterprise Managerで生成されます。このため、Enterprise Managerでイベント・ルールが変更された場合は、連絡先を再生成して増分同期を実行する必要があります

イベント・ルール設定を活用することによって、「停止中」ステータスが選択された「ターゲット可用性」イベント・タイプに対するイベント・ルールの電子メール受信者に基づいて、停止時連絡先が生成されます。

ノート:

停止時連絡先はターゲット可用性イベント・ルールのみを使用して生成されますが、Always-On Monitoringでは、ターゲット可用性とメトリックしきい値の両方のアラートの通知を送信します。

ターゲット可用性(ステータス停止中)イベント・ルールの受信者を確認および更新できます。これにより、EM CLIを使用するか、または停止時連絡先生成ジョブを発行することによって停止時連絡先のリストを生成できます。

EM CLIを使用した停止時連絡先の生成

EM CLIから、generate_downtime_contactコマンドを使用して、特定のターゲットの停止時連絡先を生成します。このコマンドは、特定のターゲットに影響するすべてのターゲット可用性ルールをシミュレートし、すべてのルールからの出力を含む電子メール・アドレス・リストを生成します。オプションの-setパラメータは、Always-On Monitoringの同期で連絡先を後で取得できるように、連絡先を保存します。

% emcli generate_downtime_contact -target_name=<name> -target_type=<type> -set

停止時連絡先のEnterprise Managerジョブの生成

% emcli create_job -input_file=property_file:<job_prop_file> -name="GenerateDowntimeContacts"

job_prop_fileは次の内容のプロパティ・ファイルを参照します。

# job type
type=CoreSetDowntimeContacts
# description
description=You job description
# target names, the list of target names
variable.target_names=host1,database2
# target types, the list of target types corresponding to the target list above
variable.target_types=host,oracle_database
# set on all targets, true to update contacts, false to print output but not save
variable.set_all_targets=true
# frequency to run job, refer to Enterprise Manager documentation for options
schedule.frequency=IMMEDIATE

ノート:

EM CLIまたは停止時連絡先生成ジョブのいずれかによって停止時連絡先を生成するプロセスを実行すると、すぐにその連絡先をモニタリング・サービスで使用できるようになるわけではありません。これらの連絡先が更新されるたびに、別のAlways-On Monitoringの同期を実行する必要があります。これは、emsctl syncコマンドを使用して実行します。

停止時連絡先によって取得されるアラートのタイプ

構成すると、Always-On Monitoringによって次の電子メール通知が送信されます。

  • すべてのターゲット・ステータス・アラートおよびメトリック・アラート(クリティカル、警告およびクリア)。

  • メトリック収集エラー(クリティカルおよびクリアの両方)。

ステータスがコンポーネント・メンバーのステータスに基づくグループやクラスタなどの集約ターゲットのターゲット・ステータス・アラートは、サポートされていません。かわりに、アラートは、これらの集約ターゲットの個々のメンバーに送信されます。

ノート:

現在、サポートされている通知タイプは電子メール通知のみとなります。

電子メール受信者は、電子メール・アドレスにする必要があります。受信者は、グローバル・プロパティのdowntimeContactまたはターゲット単位の「停止時連絡先」を使用して指定されます。両方が指定されている場合、電子メールは指定されたすべての受信者に送信されます。

グローバル・プロパティdowntimeContactが指定されている場合、すべてのターゲットのすべてのアラートがグローバル・プロパティdowntimeContactで指定された受信者に送信されます。ターゲット単位のプロパティ「停止時連絡先」が指定されている場合は、そのターゲットのすべてのターゲット・ステータス・アラートとメトリック・アラートが、プロパティで指定された受信者に送信されます。

コンポジット・ターゲットの停止時連絡先の設定

コンポジット・ターゲットの停止時連絡先ターゲット・プロパティを設定すると、ターゲット・プロパティがメンバー・ターゲットに伝播されます。この更新を実行するには、EMCLI set_target_property_value動詞を使用します。この動詞の詳細は、Oracle® Enterprise Managerコマンドライン・インタフェースset_target_property_valueを参照してください。

例1: 次の例では、DB静的グループのAOM停止時連絡先ターゲット・プロパティを設定しています。

>  ./emcli set_target_property_value -property_records="db_group:composite:Downtime Contact:aom@test.com" -propagate_to_members
 Properties updated successfully

例2: 次の例では、DBシステム・ターゲットのAOM停止時連絡先ターゲット・プロパティを設定しています。

> ./emcli set_target_property_value -property_records="eva4.us.oracle.com_sys:oracle_dbsys:Downtime Contact:aom@test.com" -propagate_to_members
Properties updated successfully