4 WebLogicドメインのモニタリング
Enterprise ManagerとSecure Socket Layer(SSL)プロトコルまたはTransport Layer Security (TLS)プロトコルを使用してWebLogic Serverを検出およびモニターする場合、管理エージェントは、セキュアな通信リンクを確立する前にサーバーを信頼できるようにする必要があります。エージェントは、セキュアな接続を確立する際にエージェントが信頼できる認証局(CA)の証明書を含むJavaキーストア(JKS)トラストストアを管理します。エージェントには、よく知られている9つのCA証明書が付属しています。
本番環境でWebLogic t3sを使用する顧客は、VeriSignやThawteなどの有名な認証局(CA)で署名された証明書をWebLogicサーバーで使用することをお薦めします。一部の一般的なルートCA証明書は、エージェントのJKSベースのトラストストアですぐに利用でき、顧客による操作は不要です。ただし、自己署名証明書やデフォルトの(即時利用可能な)デモ証明書をWebLogicサーバーで使用する場合、これらのサーバー証明書のルートCA証明書をエージェントのトラストストアに明示的にインポートするには、次のステップが必要になります。
JKSエージェント・トラストストアは次の場所にあります。
$ORACLE_HOME/sysman/config/montrust/AgentTrust.jks
ノート: ORACLE_HOMEは管理エージェントのインスタンスのホームです。
セキュアなプロトコルを使用するWebLogicドメインの検出およびモニタリングに関連するすべてのEnterprise Managerエージェントでエージェント・トラストストアを更新する必要があります。
エージェント・トラストストアの更新
エージェント・トラストストア(AgentTrust.jks)を更新するにはEMCTLを使用します。デフォルトのデモ証明書(または自己署名証明書)をt3/iiopsのWebLogic Serverで使用する場合、エージェントがt3sを使用してこれらのWebLogic ServerとJ2EEアプリケーションを検出およびモニターできるようにするには、そのルートCA証明書をAgentTrust.jksに追加する必要があります。この目的でEMCTLコマンドが提供されます。
emctl secure add_trust_cert_to_jks [-password <password> -trust_certs_loc <loc> -alias <alias>]
ここで:
-
password =
AgentTrust.jks
へのパスワード(指定しない場合、コマンドラインでパスワードが求められます) -
trust_certs_loc = インポートする証明書ファイルの場所
-
alias = インポートする証明書のエイリアス
デモWebLogic ServerルートCA証明書のインポート
デモWebLogic ServerのルートCA証明書をエージェントのトラストストアにインポートするには、エージェントがあるホストからEMCTLのsecureコマンドを実行する必要があります。
<ORACLE_HOME>/bin/emctl secure add_trust_cert_to_jks -password "welcome"
ノート: ORACLE_HOMEは管理エージェントのインスタンスのホームです。
次の例は、add_trust_cert_to_jksオプションを指定してsecureコマンドを使用する典型的なセッションを示しています。
AgentTrust.jksのデフォルトで即時利用可能なパスワードは「welcome」です。JDKキーツール・ユーティリティを使用してこのパスワードを変更することをお薦めします。EMCTLコマンドでパスワードを指定しない場合、パスワードが求められます。
例4-1 サンプルのセッション
./emctl secure add_trust_cert_to_jks -password welcome Oracle Enterprise Manager 12c Release 1 Cloud Control 12.1.0.2.0 Copyright (c) 1996, 2012 Oracle Corporation. All rights reserved. Message : Certificate was added to keystore ExitStatus: SUCCESS
カスタム・ルートCA証明書のインポート
WebLogic Serverを自己署名証明書などの別の証明書で保護する場合、そのルートCA証明書をエージェントのトラストストアに次のようにインポートする必要があります。
<ORACLE_HOME>/bin/emctl secure add_trust_cert_to_jks -password "welcome" trust_certs_loc <location of certificate> -alias <certificate-alias>
ノート: ORACLE_HOMEは管理エージェントのインスタンスのホームです。