イベントの伝播
Formsクライアントがアイドル状態にある状況では、Oracle FormsはHTTPプロトコルによって駆動されますが、これはリクエストとレスポンスのプロトコルのみであり、クライアントがアイドル状態の場合にクライアントで変更できません。
アプレット・パラメータMaxEventWait
は、イベントが発生しているかどうかをチェックするまでアプリケーションが待機する時間を制御するもので、ミリ秒で指定します。つまり、クライアントからサーバーにリクエストを送信する頻度を指定できます。このリクエストによって、イベントへのレスポンスとして指定したPL/SQLが実行されます。
ただし、サーバー側では、Forms Servicesはポーリングせずにすべてのイベントを受け取ります。一方、サーバーは、Formsクライアントからの通知を受け取らないかぎり、WHEN_EVENT_RAISED
トリガーの実行を開始しません(これは、FormsクライアントのHTTPリクエストとHTTPリプライの組合せのパラダイムによってMaxEventWait
プロパティが必要になることに起因しています)。
When-Event-Raisedトリガー
Oracle Formsでは、トリガーに対して応答したり、様々なイベントに対してトリガーを起動します。Forms Developerと内部イベントの両方に対して、Formsではトリガーのためにエントリ・ポイントが用意されています。これによって、アプリケーション開発者は、イベントを処理するコードを関連付けて実行することができます。
たとえば、定義されているトリガーは、フォームの特定オブジェクトに接続されます。トリガーが接続されるオブジェクトは、トリガーの有効範囲を定義します。たとえば、WHEN-BUTTON-PRESSED
トリガーは、ボタンが押されたときに発生するイベントに応答しますが、このイベントは、オペレータがボタンを選択したときに発生します。トリガーの名前により、イベントとトリガー・コードとの間における対応付けが確立されます。ユーザーがボタンをクリックすると、WHEN-BUTTON-PRESSED
トリガーでコードが実行されることでFormsで応答処理が行われます。
この新しいイベント・オブジェクトには、イベント・オブジェクトのレベルで定義された対応トリガーがあります。サブスクリプションが設定されたデータベース・イベントが発生すると、それに応答してそのWHEN-EVENT-RAISED
トリガーが起動します。新しいトリガーの起動は、トリガーの内部処理に似ています。ただし、この場合のイベントの発生源は、データベース・イベントのように動作が原因で起動する外部イベントであり、フォームとユーザーとの対話の結果や内部フォーム処理が原因ではありません。
トリガー定義レベルと有効範囲
Oracle Formsのトリガーは一般的に、特定のオブジェクト(項目、ブロック、フォームなど)に接続されます。トリガーが接続されるオブジェクトによって、オブジェクト階層内におけるトリガーの定義レベルが決まります。トリガーの定義レベルによって、トリガーの有効範囲が決まります。トリガーの有効範囲は、Formsオブジェクト階層内部のドメインであり、これによって、イベントに応答するトリガーに対応するイベントが発生する場所が決まります。WHEN-EVENT-RAISED
トリガーがイベント・オブジェクトに接続されていても、サーバー中心型イベントの特性により、アプリケーション・レベルの有効範囲があります。登録済データベース・イベント用の非同期コールバック・メカニズムが原因でイベント通知が起動されると、アプリケーション内部で実行していてそのイベントのサブスクリプションのあるフォームで通知を受信します。これによって、イベントを処理するためにアプリケーション開発者が複雑なロジックのコードを記述する必要性が軽減します。
また、フォーム・レベルの有効範囲もあります。これによって、イベントが定義されている場所からアプリケーションで特定のフォームが実行している場合にのみ、イベントが処理されます。