アプリケーションのURLセキュリティの管理
Oracle Formsアプリケーションは、ユーザーがURLを使用してアクセスするWeb配布のソリューションです。Oracle Formsアーキテクチャでは、Forms開発者は2種類の方法でFormsアプリケーションの実行方法を構成できます。ひとつは、パラメータとその値をURLで設定する方法です。もうひとつは、パラメータとその値をWeb構成(formsweb.cfg
)で設定する方法です。
Web構成で設定したパラメータは、URLで設定したパラメータによりオーバーライドできます。Forms管理者はこのデフォルト動作をオーバーライドして、URLで使用可能なパラメータを完全に制御できます。
URLで使用可能にするパラメータを決定する際は、2つのシナリオを検討します。最初のシナリオは、管理者が、単にデフォルトのログイン・ウィンドウを使用したログインを常にユーザーに強制するURLでのUSERIDパラメータの使用を制限する場合です。2番目のシナリオは、CONFIG=MyApp
のような少数のパラメータを除いて、URLでのすべてのパラメータの使用を管理者が禁止する場合です。
パラメータrestrictedURLparams
では、Forms管理者は、formsweb.cfg
ファイル内のURLへアクセス可能なパラメータをユーザーの使用が制限されたものと見なすことができます。管理者は、名前を付けた構成セクションでこのパラメータを指定して、デフォルトの構成セクションで指定したパラメータをオーバーライドできます。restrictedURLparams
パラメータ自体はURLで設定できません。
設計上、URLで渡すコマンドライン引数は、formsweb.cfgにある同様の定義よりも必ずオーバーライドします。
この例では、userid
はuser1/user1pwd
として定義され、debug
はfalse
に設定されています。user1/user1pwd
としてデータベースに接続するように構成されたアプリケーションは、URLパラメータとして追加されたuserid
パラメータを持つ別のユーザーとして接続できます。これを回避するには、restrictedURLparams
パラメータでuserid
パラメータを定義します。
同様に、管理者はrestrictedURLparams
パラメータを使用して、制限されたパラメータのうち、使用されたもののリストを表示するページにユーザーをリダイレクトできます。restrictedURLparams
パラメータをall
に設定できます。これにより、(構成セクション以外の)パラメータをURLで指定できなくなります。
Oracle Formsテスト・フォームの保護
実行するアプリケーションを指定しないでOracle Forms URLにアクセスすると、テスト・フォームが実行されます。たとえば、通常は次の構文を使ってOracle Formsアプリケーションをコールします。
https://<host>:<port>/forms/frmservlet?config=myApp
Formsサーブレットは、formsweb.cfgファイルで[myApp]
を探し出し、該当のアプリケーションを起動します。アプリケーションが指定されないときは、次のようになります。
https://<host>:<port>/forms/frmservlet
Formsサーブレットは、formsweb.cfgファイルのデフォルトのセクションの設定を使用します。これらの設定は、Forms構成ファイルの[default]
にあります(アプリケーションがこれらの設定をオーバーライドしない場合は、デフォルトが使用されます)。デフォルトのセクションには、次の設定が含まれます。
form=test.fmx
これは、Oracle Forms Servicesのインストールと構成をテストできるテスト・フォームです。このため、アプリケーションを指定していない場合は、Formsによってtest.fmxファイルが起動します。これを次のように変更できます。
form=
このようにすると、フォームは実行されません。ただし、これは最適ではありません。Formsサーブレットは動的に生成されたHTMLファイルをクライアントに送信するため、ユーザーが情報を勝手に取得することができます。保護を最適にするソリューションは、クライアントに表示される情報HTMLページにリクエストをリダイレクトすることです。formsweb.cfg
ファイルにあるパラメータをいくつか変更する必要があります。
Oracle Forms Servicesのインストール時に変更するパラメータを、デフォルトの値とともに次に示します。
# System parameter: default base HTML file baseHTML=base.htm # System parameter: base HTML file for use with Oracle's Java Plug-In baseHTMLjpi=basejpi.htm
これらのパラメータは、クライアントに送信されるHTML情報のテンプレートです。情報HTMLページを作成して、これらの変数をかわりにポイントします。たとえば、$DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/FORMS/instances/<Forms Instance Name>/server
ディレクトリに、次のコンテンツを含むforbidden.html
という名前の簡単なHTMLページを作成します。
<html> <head> <title>Forbidden</title> </head> <body> <h1>Forbidden!</h1> <h2>You may not access this Forms application.</h2> </body> </html>
ノート:
このメッセージ・ページは、クライアント情報のリダイレクトが、リクエストしたコンテンツにアクセス権の制限がある場合にWebサーバーが返すWebページとは異なるために表示されました。次に、元のパラメータをコメント・アウトまたは変更して、formsweb.cfg
パラメータを変更します。
# System parameter: default base HTML file #baseHTML=base.htm baseHTML=forbidden.html # System parameter: base HTML file for use with Oracle's Java Plug-In #baseHTMLjpi=basejpi.htm baseHTMLjpi=forbidden.html # System parameter: base HTML file for use with Microsoft Internet Explorer # (when using the native JVM)
ユーザーが次のURLを入力すると、
https://<host>:<port>/forms/frmservlet
カスタマイズされたWebページが表示されます。formsweb.cfg
ファイルで該当するパラメータを変更すれば、forbidden.html
のコンテンツ、ファイル名、および場所などもカスタマイズできます。この情報Webページには、警告、エラー、タイムスタンプ、IPロギングまたは問合せ先などの情報を、サーバー構成への影響を最小限にして格納できます。
ノート:
formsweb.cfg
のデフォルト・セクションのベースHTMLテンプレートのエントリをオーバーライドするには、アプリケーション固有の名前が付いた構成に元の値(または他の有効なHTMLファイル)を示す同じエントリを追加する必要があります。
[myApp] form=myApplication.fmx lookandfeel=oracle baseHTML=base.htm baseHTMLjpi=basejpi.htm
これらのベースHTMLの値を指定していない状態でユーザーによるアプリケーションの実行が発生すると、アプリケーション固有の構成セクションがデフォルト値をオーバーライドしていないのでforbidden.html
ページが表示されます。