4 Apache Tomcatを使用したEnterprise Data Qualityのインストール
Apache Tomcatを使用してEnterprise Data Qualityをインストールおよび構成する際に必要なステップは次のとおりです。
前提条件
インストールを開始する前に、次の前提条件を確認してください。
- Oracle Databaseバージョン19c以上がサポートされています
- Tomcatバージョン9.0.x以降がサポートされています
- Javaバージョン17または21が必要です
Oracle Databaseスキーマの作成
EDQ構成および結果スキーマのOracleユーザーを作成します。両方のスキーマについて、次の権限を付与します。
GRANT UNLIMITED TABLESPACE TO user;
GRANT CREATE ANY VIEW TO user;
GRANT "CONNECT" TO user;
GRANT "RESOURCE" TO user;
構成スキーマでは、追加で次の権限も必要です。
GRANT CTXAPP TO user;
GRANT CREATE ANY JOB TO user;
ノート:
これは、Derbyデータベースを使用している場合には適用されません。
TomcatとJavaのインストール
Tomcatバージョン9.0.x以降がサポートされています。インストール・メカニズムとTomcatの起動の詳細はオペレーティング・システムに依存しており、ここでは詳しく説明できません。
systemdを使用するLinuxシステムの場合、システムのブート時にTomcatを自動的に起動するときに使用できるユニット・ファイルの例は次のとおりです。
Tomcat systemdユニット・ファイル
[Unit]
Description=Apache Tomcat - instance %i
After=syslog.target network.target
[Service]
Type=forking
User=tomcat
Group=tomcat
WorkingDirectory=/var/tomcat/%i
Environment="JAVA_OPTS=-Djava.security.egd=file:///dev/urandom"
Environment="CATALINA_PID=/var/tomcat/%i/run/tomcat.pid"
Environment="CATALINA_BASE=/var/tomcat/%i/"
Environment="CATALINA_HOME=/opt/tomcat/"
Environment="CATALINA_OPTS=-Xmx8192M"
ExecStart=/opt/tomcat/bin/startup.sh
ExecStop=/opt/tomcat/bin/shutdown.sh
[Install]
WantedBy=multi-user.target
この例では、Tomcatのホームの場所は/opt/tomcat
で、Tomcatのベースの場所は/var/tomcat/INSTANCE
です。たとえば、edqという名前のインスタンスを起動するには、次のコマンドを使用できます。
sudo systemd start tomcat@edq.service
ノート:
EDQ 14.1.2.0.0にはJavaバージョン17または21が必要なので、新しいTomcatインストールがこれらのバージョンのいずれかに構成されていることを確認します。
Enterprise Data Qualityのインストール
インストーラを実行し、「他のプラットフォームのインストール」オプションを選択します。EDQインストールの詳細は、「Enterprise Data Qualityのインストール」を参照してください。
EDQスキーマの初期化と構成ディレクトリの作成
EDQホームおよびローカル構成領域を作成し、スキーマを初期化してから続行する必要があります。Oracleのグラフィカル構成ツールか手動設定の2つのアプローチがあります。
グラフィカル構成ツールの使用
Oracleデータベースを使用している場合は、EDQに付属のconfigapp.jarツールを使用して構成を実行できます。
$ java -jar configapp.jar
EDQスキーマを初期化して構成ディレクトリを作成するには、次のステップに従います。
-
ホームおよびローカル構成ディレクトリの場所を入力します。
-
必要な機能パックを選択します。デフォルトでは、すべてが選択されています。
-
構成スキーマの接続詳細を入力します。
-
結果スキーマの接続詳細を入力します。
-
サマリー画面で「終了」をクリックして続行します。
スキーマ構成は、ユーザー名とパスワードおよびデータベース接続の詳細で指定します。完了するとEDQスキーマが初期化され、構成ディレクトリが作成されます。
手動設定
Derbyデータベースを使用している場合、またはグラフィカル・ツールをすぐには実行できない場合、設定を手動で実行できます。手動設定には、次のステップが必要です。
1.構成ディレクトリの作成
configapp.jar
を抽出モードで実行し、ホームおよびローカル構成ディレクトリを作成します。
$ java -jar configapp.jar extract -home homedir -local localdir
2.EDQ構成スキーマの初期化
migration.jarツールを使用して、構成スキーマを初期化します。
Oracleの場合:
$ java -jar migration.jar init oracle:#SERVICE@HOST:PORT/USER/PASSWORD
SERVICE、HOST、PORT、USERおよびPASSWORDをOracleスキーマの正しい値に置き換えます。
Derbyの場合:
$ java -jar migration.jar init 'derby:(/path/to/db;create=true)'
/path/to/db
は、データベース・ファイルが作成および移入される、存在しないディレクトリを表します。
3.director.propertiesの編集
ローカル構成ディレクトリは、データベース接続の詳細を指定するために編集しなければならないテンプレートdirector.propertiesを使用して作成されます。初期のコンテンツは次のようになります。
テンプレートdirector.properties
# local home director.properties
# Configuration schema setup for Oracle
# -------------------------------------
#dataSource.driverClassName = oracle.jdbc.OracleDriver
#dataSource.url = jdbc:oracle:thin:@hostname:1521/service
#dataSource.username = user
#dataSource.password = password
# Results schema setup for Oracle
# -------------------------------
#resultsDataSource.driverClassName = oracle.jdbc.OracleDriver
#resultsDataSource.url = jdbc:oracle:thin:@hostname:1521/service
#resultsDataSource.username = user
#resultsDataSource.password = password
# Configuration schema setup for Derby
# ------------------------------------
#dataSource.driverClassName = org.apache.derby.jdbc.EmbeddedDriver
#dataSource.url = jdbc:derby:directory
#dataSource.username = APP
#dataSource.password = app
# Results schema setup for Derby
# ------------------------------
#resultsDataSource.driverClassName = org.apache.derby.jdbc.EmbeddedDriver
#resultsDataSource.url = jdbc:derby:directory
#resultsDataSource.username = APP
#resultsDataSource.password = app
Oracleを使用している場合は、最初の2つのブロックのコメントを解除し、データベースのホスト、ポート、サービス名および資格証明に正しい値を設定します。たとえば、次のようになります。
Oracle構成の例
# local home director.properties
# Configuration schema setup for Oracle
# -------------------------------------
dataSource.driverClassName = oracle.jdbc.OracleDriver
dataSource.url = jdbc:oracle:thin:@dbhost:1521/pdb1
dataSource.username = edq_config
dataSource.password = passwd1
# Results schema setup for Oracle
# -------------------------------
resultsDataSource.driverClassName = oracle.jdbc.OracleDriver
resultsDataSource.url = jdbc:oracle:thin:@dbhost:1521/pdb1
resultsDataSource.username = edq_results
resultsDataSource.password = passwd2
Derbyを使用している場合は、2つ目の2つのブロックのコメントを解除し、directoryを前述の初期化ステップで作成したDerbyデータベースへのパスに置き換えます。
EDQ WARファイルのデプロイ
EDQ WARファイルをTOMCATのwebappsディレクトリにコピーします。Tomcatバージョン9.0.xの場合は、edq.warを使用します。Tomcatバージョン10.1.x以降の場合は、jakartaee/edq.warを使用します。
構成ディレクトリを使用するためのTomcatの構成
構成ディレクトリを作成し、スキーマを初期化したら、ディレクトリ・パスを使用するようにTomcatを構成する必要があります。そのためには、EDQ_CONFIG_PATH環境変数をパスに設定します。環境変数は、グローバルに設定することも、前述のようにTomcat起動スクリプトまたはsystemdユニット・ファイルで設定することもできるほか、Tomcatの binディレクトリに setenv.shスクリプトを作成して設定することもできます。たとえば、次のようになります。
環境変数を設定するsetenv.shファイルの例
EDQ_CONFIG_PATH=/opt/edq/oedq.home:/opt/edq/oedq.local.home
export EDQ_CONFIG_PATH
値はホームおよびローカル・ディレクトリの場所である必要があり、コロンで区切ります。Windowsの場合、スクリプト・ファイルは setenv.batで、パス・セパレータはセミコロンです。
または、edq.config.pathシステム・プロパティを使用してパスを設定することもできます。setenv.shで設定することもできます。
CATALINA_OPTS="-Dedq.config.path=/opt/edq/oedq.home:/opt/edq/oedq.local.home"
EDQランチャ・アプリケーションのインストール
EDQ 14.1.2.0.0では、クライアント・アプリケーションの起動にJava WebStartを使用しません。新しいEDQランチャ・アプリケーションをクライアント・システムにインストールする必要があります。このアプリケーションは、EDQ Launchpadの右下にあるリンクからダウンロードできます。Windows、Mac、Intel Linux .rpmおよびIntel Linux .debの各バージョンが利用できます。
EDQ 12.2.1.4.xに付属しているランチャのバージョンもサポートされていますが、14.1.2.0.0に付属しているバージョンに更新することをお薦めします。