10 Apache Tomcatを使用したEnterprise Data Qualityのアップグレード

これらは、EDQのTomcatベースのインストールをバージョン14.1.2.0.0にアップグレードするために必要なステップです。

ノート:

Apache Tomcat 14c (14.1.2.0.0)を使用したEnterprise Data Qualityへのアップグレードは、バージョン12.2.1.4.0以降でサポートされています。以前のバージョンを使用している場合は、最初にEnterprise Data Quality 12.2.1.4.0にアップグレードする必要があります。

手順の前提条件

アップグレードを開始する前に、次の前提条件を確認してください。
  • Oracle Databaseバージョン19c以上がサポートされています
  • PostgreSQLからの移行はサポートされていません。最初にEDQ構成スキーマをOracleに移行する必要があります。
  • Javaバージョン17または21が必要です
  1. LuceneからOracle Text for Case Managementへの変換を理解したうえで、続行する準備ができていることを確認します。

    Case ManagementでOracle TEXT検索への変換をまだ実行していない場合は、必要な権限をEDQ構成スキーマ・ユーザーに付与します。
    GRANT CTXAPP TO user;
    GRANT CREATE ANY JOB TO user;

    ノート:

    これは、Derbyデータベースを使用している場合には適用されません。

  2. 新しいバージョンのTomcatおよびJavaをインストールします。

    以前のバージョンのEDQでは、Tomcatインストールで追加の構成が必要でした。たとえば、クラスパスへのjarの追加やシステム・プロパティの設定などです。これらの変更は14.1.2.0.0では不要なので、Tomcatの最新バージョンをインストールすることをお薦めします。Tomcatバージョン9.0.x以降がサポートされています。インストール・メカニズムとTomcatの起動の詳細はオペレーティング・システムに依存しており、ここでは詳しく説明できません。

    systemdを使用するLinuxシステムの場合、システムのブート時にTomcatを自動的に起動するときに使用できるユニット・ファイルの例を次に示します。
    Tomcat systemd unit file
    [Unit]
    Description=Apache Tomcat - instance %i
    After=syslog.target network.target
     
    [Service]
    Type=forking
     
    User=tomcat
    Group=tomcat
     
    WorkingDirectory=/var/tomcat/%i
     
    Environment="JAVA_OPTS=-Djava.security.egd=file:///dev/urandom"
     
    Environment="CATALINA_PID=/var/tomcat/%i/run/tomcat.pid"
    Environment="CATALINA_BASE=/var/tomcat/%i/"
    Environment="CATALINA_HOME=/opt/tomcat/"
    Environment="CATALINA_OPTS=-Xmx8192M"
     
    ExecStart=/opt/tomcat/bin/startup.sh
    ExecStop=/opt/tomcat/bin/shutdown.sh
     
    [Install]
    WantedBy=multi-user.target
    この例では、Tomcatのホームの場所は/opt/tomcatで、Tomcatのベースの場所は /var/tomcat/INSTANCEです。たとえば、edqという名前のインスタンスを起動するには、次を使用します。
    sudo systemd start tomcat@edq.service

    ノート:

    EDQ 14.1.2.0.0にはJavaバージョン17または21が必要なので、新しいTomcatインストールがこれらのバージョンのいずれかに構成されていることを確認します。

  3. 「Enterprise Data Qualityのインストール」の説明に従って、EDQ 14.1.2.0.0をインストールします。

    インストーラを実行し、「他のプラットフォームのインストール」オプションを選択します。

  4. EDQ構成スキーマをアップグレードします。

    EDQスキーマをバックアップしてから、EDQに付属しているmigration.jarツールを使用して、構成スキーマを14.1.2.0.0にアップグレードします。

    Oracleインストールの場合:
    $ java -jar migration.jar migrate oracle:#SERVICE@HOST:PORT/USER/PASSWORD

    SERVICEHOSTPORTUSERおよびPASSWORDを、Oracleスキーマの正しい値に置き換えます。

    Derbyの場合:

    $ java -jar migration.jar migrate 'derby:(/path/to/db)'

    /path/to/dbは、Derbyデータベース・ファイルを含むディレクトリです。

  5. EDQ WARファイルをデプロイします。

    EDQ WARファイルをTOMCATのwebapps ディレクトリにコピーします。Tomcatバージョン9.0.xの場合は、edq.warを使用します。Tomcatバージョン10.1.x以降の場合は、jakartaee/edq.warを使用します。

  6. Tomcat構成ディレクトリを確認します。

    12.2.1.4.xで使用されるEDQ構成ディレクトリは、変更することなく14.1.2.0.0に使用できます。関係がなくなり、必要に応じて削除できる構成プロパティがいくつかあります。
    プロパティ 説明
    launch.activemq EDQに埋込みActiveMQブローカが含まれません
    launch.ftpserver EDQに埋込みFTPサーバーが含まれません
    cm.filter.sql Oracle TEXT for Case Managementが常に使用されます
    launchpad.mode Java WebStartのサポートが削除され、EDQランチャ・アプリケーションが常に使用されます
    adf.headerextra EDQ 12.2.1.4.1でADFは削除されました

    ノート:

    Tomcatがホームおよびローカル構成ディレクトリへの正しいパスで構成されていることを確認します。そのためには、前述のsystemdユニット・ファイルでEDQ_CONFIG_PATH環境変数を設定するか、edq.config.pathシステム・プロパティを設定します。そのためには、Tomcatのbinディレクトリに setenv.shスクリプトを作成します。

  7. EDQランチャ・アプリケーションをインストールします。

    EDQ 14.1.2.0.0では、クライアント・アプリケーションの起動にJava WebStartを使用しません。新しいEDQランチャ・アプリケーションをクライアント・システムにインストールする必要があります。このアプリケーションは、EDQ Launchpadの右下にあるリンクからダウンロードできます。Windows、Mac、Intel Linux .rpmおよびIntel Linux .debの各バージョンが利用できます。

    ノート:

    EDQ 12.2.1.4.xに付属しているランチャのバージョンもサポートされていますが、14.1.2.0.0に付属しているバージョンに更新することをお薦めします。

  8. Lucene索引ディレクトリをクリーン・アップします。

    EDQ 14c (14.1.2.0.0)では、Case Managementフィルタの実行にLuceneは使用されません。アップグレードが完了したら、Lucene索引ディレクトリはファイル・システムから削除できます。これらの索引のデフォルトの場所は、localhome/casemanagement/indexesです。