BPELプロセス、ビジネス・ルールおよびヒューマン・タスクの統合
BPELプロセス、ビジネス・ルールおよびヒューマン・タスク・コンポーネントを含むSOAコンポジット・アプリケーションを作成できます。これらのコンポーネントは補完的な技術です。BPELプロセスではシステム、サービスおよびユーザーのオーケストレーションにフォーカスが置かれます。ビジネス・ルールでは、意思決定とポリシーにフォーカスが置かれます。ヒューマン・タスクを使用すると、エンドツーエンド・プロセス・フローの一部として実行するタスクをユーザーまたはグループに対して説明するワークフローをモデリングできます。
ビジネス・ルールを使用できる状況の例を次に示します。
-
動的処理
ルールにより、サービス・レベル合意や他のガイドラインに基づいて、ビジネス・プロセス内でインテリジェント・ルーティングを実行できます。たとえば、顧客が1日以内のレスポンスを必要とする場合は、融資申請をQuickLoan融資エージェントにのみ送信します。顧客に1日以上の余裕がある場合は、申請を3つの異なる融資エージェントにルーティングします。
-
プロセスのビジネス・ルールの外部化
通常ビジネス・プロセスの一部として評価する必要がある条件が多くあります。ただし、これらの条件のパラメータはプロセスに関係なく変更できます。たとえば、信用度が650以上の顧客にのみ融資を提供するとします。この値は、ビジネス・アナリストが設定した新規ガイドラインに基づいて動的に変更できます。
-
データ検証および制約チェック
ルールは、入力データを検証したり、リクエストに対して追加制約を適用できます。たとえば、新規顧客リクエストには、常に雇用確認書と銀行勘定詳細を添付する必要があります。
-
ヒューマン・タスクのルーティング
ビジネス・プロセスでは、次のようにヒューマン・タスクでルールが頻繁に使用されます。
-
ポリシー・ベースのタスク割当てでは、タスクが特定のロールやユーザーにディスパッチされます。たとえば、ポータルからの着信リクエストを処理するプロセスでは、融資申請と見積保険料を異なるロール・セットにルーティングできます。
-
ユーザー間のタスクのロード・バランシング。タスクが一連のユーザーまたはロールに割り当てられると、そのロールの各ユーザーはタスク・セットを取得して、指定された時間内にタスクの処理を行います。新規タスクを受け取った場合は、ポリシーを適用してタスクに優先度が設定され、特定のユーザー・キューに入れられます。たとえば、特定の1人の融資エージェントに対して割り当てる融資を、常に最大で10件にするなどです。
-
ヒューマン・タスク・コンポーネントのヒューマン・タスク・エディタでのビジネス・ルール作成の詳細は、「ビジネス・ルールを使用した詳細タスク・ルーティングの指定方法」を参照してください。