非同期Webサービスの起動に関する概要
非同期メッセージ形式は、サービス(融資処理など)でクライアント・リクエストの処理に時間がかかる環境で役に立ちます。また、非同期サービスは、同期サービスよりも優れた耐障害性を持ち、かつスケーラブルなアーキテクチャも提供します。
この項では、United Loanという企業での非同期Webサービスの起動について説明します。United Loanは、クライアントの融資申請リクエストを処理して融資提案を返す非同期Webサービスを公開します。このユースケースでは、BPELプロセス・サービス・コンポーネントとこの非同期融資申請承認Webサービスを統合する方法について説明します。
このユースケースでは、非同期サービスからの情報をリクエストし、レスポンスを受け取るための基本的な設計概念について説明します。この例のUnited Loanの非同期サービスは、別のBPELプロセス・サービス・コンポーネントです。しかし、適切に設計されたWebサービスであれば、同じBPELコールで対話できます。ターゲットのWebサービスのWSDLファイルには、必要な情報のリクエストと受信に必要な情報が含まれています。
非同期Webサービスでは、次のアクションが(優先度に従って)実行されます。
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assignアクティビティにより融資申請が準備されます。
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invokeアクティビティにより融資申請が開始されます。申請の内容は、リクエスト変数に入力されます。このリクエスト変数が非同期融資処理Webサービスに送信されます。
融資申請の開始時、申請を開始したクライアントとパートナ・リンクに固有の相関IDも、融資処理Webサービスに送信されます。相関IDにより、適切な融資提案レスポンスが、対応する融資申請のリクエスト元に確実に返されます。
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その後、融資処理Webサービスにより、適切なレスポンスがreceiveアクティビティ(相関IDを使用して追跡)に送信されます。
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assignアクティビティにより融資申請提案が読み取られます。
この章の後続の各項では、非同期機能の詳細を説明します。