9.7.1.2.2 電源管理の属性

Exadata X11Mシステム・ハードウェアに関連して、Oracle Exadata System Softwareリリース25.1.0では、Exadataデータベース・サーバーの消費電力を削減できる高度な電源管理機能が導入されています。

消費電力目標

  • cpuTargetWattsMaxValue属性は、サーバーの想定される最大消費電力(ワット)を定義します。

    たとえば、192個のCPUコアを備えた2ソケットの各Oracle Exadata X11Mデータベース・サーバーでは、cpuTargetWattsMaxValue=800です。また、32個のCPUコアを備えたシングル・ソケットのOracle Exadata X11M-Zデータベース・サーバーでは、cpuTargetWattsMaxValue=240です。

    各サーバーの規定値は、属性値をリストすると確認できます。次に例を示します:

    DBMCLI> LIST DBSERVER attributes cpuTargetWattsMaxValue
  • cpuTargetWatts属性は、サーバーの消費電力目標を制御します。

    デフォルトでは、消費電力目標は無効になっており、cpuTargetWatts属性に値が含まれていません。

    消費電力目標を指定するには、属性値を設定します。次に例を示します:

    DBMCLI> ALTER DBSERVER cpuTargetWatts=720

    cpuTargetWatts属性を設定する場合、指定可能な値は、サーバーのcpuTargetWattsMaxValue値の50%から100%の間で、サーバーCPUソケットごとに20ワット単位で増加します。

    たとえば、192個のCPUコアを備えた2ソケットのX11Mデータベース・サーバー(cpuTargetWattsMaxValue=800)では、cpuTargetWatts属性を400440480のように、最大800まで設定できます。また、32個のCPUコアを備えたシングル・ソケットのX11M-Zデータベース・サーバー(cpuTargetWattsMaxValue=240)では、cpuTargetWatts属性を120140160のように、最大240まで設定できます。

    cpuTargetWatts属性をNULLまたは空の文字列("")にリセットして、消費電力目標を無効にすることもできます。

    現在の消費電力目標は、属性値をリストするといつでも確認できます。次に例を示します:

    DBMCLI> LIST DBSERVER attributes cpuTargetWatts

低電力モード

  • lowPowerModeSchedule属性は、サーバーの低電力モード・スケジュールを指定します。lowPowerModeScheduleは次のように設定できます:

    lowPowerModeSchedule[+|-]=((startTimestamp="start-timestamp",durationMinutes=duration-in-minutes,frequency={daily|weekly})
                              [,(startTimestamp="start-timestamp",durationMinutes=duration-in-minutes,frequency={daily|weekly})]...)

    lowPowerModeSchedule定義の内容:

    • startTimestamp: 低電力モード期間の開始日時を指定します。値は、ISO 8601形式のタイムスタンプとして指定する必要があります。たとえば、"2025-01-03T18:00:00-07:00"です。

    • durationMinutes: 低電力モード期間の期間(分)を指定します。指定可能な最大値は、1440です。

    • frequency: 低電力モード期間の頻度を指定します。指定可能な値は、dailyまたはweeklyです。

    +=演算子を使用して、既存のlowPowerModeSchedule定義にエントリを追加したり、-=演算子を使用して既存のlowPowerModeSchedule定義から特定のエントリを削除できます。=演算子を使用すると、前の属性値が上書きされます。

    低電力モード・スケジュールのすべてのエントリを削除するには、lowPowerModeSchedule=NULLと指定します。

  • lowPowerModeUntil属性は、低電力モードを制限します。次の値を使用できます。

    • lowPowerModeUntil="end-timestamp": 指定した時間まで、手動で低電力モードをオンにします。値は、ISO 8601形式のタイムスタンプとして指定する必要があります。たとえば、"2025-01-10T23:30:00-07:00"です。
    • lowPowerModeUntil=""またはlowPowerModeUntil=NULL: 設定することで、すぐに低電力モードをオフにします。この設定を使用して、スケジュールされた低電力モード期間または手動で開始された期間をオフにできます。

    • lowPowerModeUntil=NEVER: すぐに低電力モードをオフにし、低電力モード・スケジュールを無効にします。

      低電力モード・スケジュールを再度有効にするには、lowPowerModeUntil属性をNEVER以外の値に設定します。

いずれの低電力モード期間中も、システムはシステム・パフォーマンスを保護するために継続的に自身を監視します。アクティブなワークロードが5分間検出されると、低電力モードは自動的にオフになります。アクティブなワークロードは、次のいずれかの特徴を持っています:

  • CPU使用率が30%を超えている。

  • I/O使用率が30%を超えている。

  • クライアント・ネットワークまたはRDMAネットワーク・ファブリックのスループットが200 MB/秒を超えている。

アクティブなワークロードのために低電力モードが自動的にオフになると、次のスケジュールされた期間まで、または手動でオンにするまでオフのままになります。