5.1.1 Oracle VMについて

Oracle VMを使用すると、サポートされている仮想化環境内にOracle Linuxオペレーティング・システムとアプリケーション・ソフトウェアをデプロイできます。

Oracle Exadata Database MachineOracle VMを使用する場合、ワークロードにCPU、メモリー、オペレーティング・システムおよびsysadminの分離を提供します。VMとネットワークおよびI/Oの優先度付けを組み合せて、完全なスタック分離を実現できます。連結の場合、Oracle VMで複数の信頼できるデータベースまたはプラガブル・データベースを作成すると、リソースをより動的に共有できます。

Oracle VM環境は、Oracle VM Server、仮想マシンおよびリソースで構成されます。Oracle VM Serverは、ドメインとも呼ばれる、仮想マシンを実行するための軽量でセキュアなサーバー・プラットフォームを提供する、管理された仮想化環境です。

Oracle VM Serverはベア・メタル・コンピュータにインストールされています。各Oracle VM Serverに存在するハイパーバイザは、フットプリントが非常に小さい仮想マシン・マネージャおよびスケジューラです。システムで唯一完全な権限を持つエンティティとなるように設計されています。CPUとメモリーの使用量、権限の確認、ハードウェア割込みなど、システムの最も基本的なリソースのみを制御します。

ハイパーバイザは、1台のホスト・コンピュータで複数の仮想マシンを安全に実行します。各仮想マシンは独自のドメインで実行され、独自のゲスト・オペレーティング・システムを持ちます。プライマリ管理ドメイン、dom0 (domain zeroの略称)は、ハイパーバイザの上部のゲストとしても実行されます。dom0には、ハードウェアおよびデバイス・ドライバへの特権アクセス権があります。

ユーザー・ドメイン(domU)は、InfiniBand HCAにアクセスできる権限のないドメインです。domUは、Oracle VM Serverでdom0によって起動および管理されます。domUは他のドメインとは独立して動作するため、domUの仮想リソースに適用される構成変更は、他のドメインには影響しません。domUの障害は、他のドメインには影響しません。

ドメイン、ゲストおよび仮想マシンは、ほぼ同じ意味に使用されていますが、若干の違いがあります。

  • ドメインは、構成可能な一連のリソースで、メモリー、仮想CPU、仮想マシンを実行するネットワーク・デバイスおよびディスク・デバイスを含みます。
  • ドメインまたは仮想マシンには仮想リソースが付与され、他のドメインまたはホスト・サーバー自体とは関係なく起動、停止および再起動できます。
  • ゲストは、ドメイン内で実行される仮想化されたオペレーティング・システムです。各ゲスト・オペレーティング・システムには、「ユーザー・ドメイン」と呼ばれるこのシステムの管理ドメインがあり、「domU」と省略されます。

最大8つのゲストは、それぞれ独自のドメイン内で同じOracle VM Serverで実行できます。これらのドメインは、InfiniBandHCAにアクセスできる権限のないドメインです。各domUは、Oracle VM Serverで実行されるdom0とともに起動されます。他のドメインはdom0と直接相互作用しません。これらの要件は、ハイパーバイザ自体によって処理されます。dom0はハイパーバイザを管理する手段のみを提供します。

Oracle Exadata Database MachineOracle VMを作成および構成するには、Oracle Exadata Deployment Assistant (OEDA)を使用します。