8.6.1 Oracle Exadata Storage Serverの更新の概要

ストレージ・サーバーを更新する場合、更新が必要なソフトウェアには複数のタイプがあり、更新の実行方法も異なります。

Oracle Exadata System Softwareリリースの更新には、次に示すOracle Exadataストレージ・サーバー内のコンポーネントに対する更新が含まれています:

  • Oracle Linuxオペレーティング・システム
  • ファームウェア(Flash、Disk、RAIDコントローラ、Integrated Lights Out Manager (ILOM)、HCA)
  • Oracle Exadata System Software

更新されるソフトウェアおよびファームウェアは、ストレージ・サーバーに適用された現在のOracle Exadata System Softwareリリースおよび更新先のリリースによって異なります。Oracle Linuxオペレーティング・システム・パッケージおよびOracle Exadata System Softwareは常に更新されるのに対して、ファームウェア更新は選択した少数のコンポーネントに対してのみ適用されることや、まったく適用されないことがあります。

特に指定がないかぎり、Oracle Exadataストレージ・サーバーの更新は、Oracle Exadataデータベース・サーバーまたはRDMAネットワーク・ファブリックのスイッチの更新とは別に適用できます。リリースされるすべてのOracle Exadata System Software更新を個別に適用することが必要になるわけではありません。たとえば、リリースを2つか3つスキップして、より新しいリリースに直接更新できます。

Oracle Exadata System Softwareの更新は、常に「ホーム外」で実行されます。これは、Oracle Exadata System Softwareを含む新しいバージョンのオペレーティング・システムが、非アクティブなシステム・パーティションにインストールされることを意味します。Oracle Exadata System Softwareを更新するためのユーティリティは、その更新自体に付属しています。

クラスタ全体の停止時間が許容されない場合は、ローリング方式でストレージ・サーバーを更新できます。ローリングとは、一度に1つのストレージ・サーバーを更新することです。クラスタ全体の停止時間が許容される場合は、すべてのストレージ・サーバーをパラレルに更新できます。非ローリング更新では、所要時間全体が短縮されます。

Oracle Exadata System Softwareリリース18c (18.1.0)以降では、patchmgrを使用するよりもスケーラブルな方法でソフトウェアを更新できます。ストレージ・サーバーによって前提条件が自動的に検証され、指定したURLから更新ソフトウェアがダウンロードされます。各ストレージ・サーバーでは、ソフトウェアをそのアクティブ・パーティションにダウンロードした後、そのパッシブ・パーティションにロードします。指定した時刻に、ストレージ・サーバーは新しいバージョンで再起動します。ストレージ・サーバーでは、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)ディスクの非アクティブ化ステータスに基づいて、ディスクを安全に非アクティブ化して、ストレージ・サーバーを新しいソフトウェア・バージョンで再起動できるかどうかが判断されます。これらの更新スケジュールでは、patchmgrプロセスで現在使用されているものと同じスクリプトが起動されます。