8.6.3 Oracle Exadata Storage Serverの更新ユーティリティ

Oracle Exadata Storage Serverを更新するには、patchmgr更新ユーティリティを使用します。Exadataストレージ・サーバー更新の場合、ユーティリティは更新自体と同梱(および出荷)され、ストレージ・サーバー更新としてMy Oracle Supportからダウンロードできます。

ノート:

Exadataストレージ・サーバーの更新に使用されるpatchmgrは、Exadataデータベース・サーバー・ソフトウェア更新の適用に使用されるpatchmgrとは異なります。

保有しているExadataハードウェアがユーティリティでサポートされているかどうかは、更新しようとしているExadataストレージ・サーバー・リリースによって異なります。ユーティリティは、指定したExadataストレージ・サーバー全体にわたって更新処理をオーケストレートします。ユーティリティでは、ローリング方式または非ローリング方式で更新を実行できます。更新ユーティリティは、Exadataデータベース・サーバー、またはOracle LinuxかOracle Solarisを実行している他のサーバーから実行できます。

更新ユーティリティは、次のタスクを実行します。

  • 準備、更新、検証の各ステップを自動化します。

  • ロールバックを自動化します

更新ユーティリティは、複数のセッションをサポートしています。そのため、Exadataストレージ・サーバーのリリース12.1.2.3.2以降およびExadataデータベース・サーバーのリリース11.2.3.1.0以降の同じサーバーから、複数の更新を同時に実行できます。つまり、同じサーバーから複数のラックを同時に更新できます。更新ユーティリティは、rootとしてもroot以外のユーザーとしても実行できます。デフォルトでは、更新ユーティリティはrootユーザーとして実行されることを前提としています。ただし、複数セッションのサポートを有効にしたり、root以外のユーザーとして実行する場合には、-log_dirフラグを使用する必要があります。-log_dirフラグは、ディスク上の場所とキーワードautoという2つのタイプの引数をサポートしています。autoを指定した場合、更新ユーティリティはcell_groupファイルにリストされているストレージ・サーバーに基づいて独自のログ・ディレクトリを作成します。この動作により、cell_groupファイルから1つ以上のクラスタが追加または削除されたものと同じクラスタ内に、更新の実行のたびに、更新ユーティリティによって新しいディレクトリが作成されます。このようなディレクトリを取得(および再利用)するために、更新ユーティリティでは-getフラグを使用して自分のセッション用のログ・ディレクトリを特定できます。-getフラグは、作業ディレクトリをスキャンしてログ・ディレクトリ内のディレクトリを調べ、cell_groupに対応するディレクトリを返します。たとえば、次のコマンド:

[oracle@nonExadataHost ]#./patchmgr -dbnodes ~/cell_group  -log_dir auto -get log_dir

以前のコメントによって、次のような出力が返される場合があります。

log_dir=/u01/test/patch_12.1.2.4.0.160802/log/dbm02celadm01_dbm02celadm02_9cfbc690

後続の更新セッションで、ログ・ディレクトリの場所を再利用できます。

[oracle@nonExadataHost ]# ./patchmgr -cells ~/cell_group -patch_check_prereq -log_dir /u01/test/patch_12.1.2.4.0.160802/log
/dbm02celadm01_dbm02celadm02_9cfbc690