4.1.2 Exadata RDMAメモリー
Oracle Exadata System Softwareリリース23.1.0では、Exadata RDMAメモリー(XRMEM)が導入されています。XRMEMには、リモート・ダイレクト・メモリー・アクセス(RDMA)を使用してストレージ・サーバー・メモリーに直接アクセスできるようにするExadata機能がすべて組み込まれており、レスポンス時間の高速化と読取りレイテンシの短縮が可能になります。
XRMEMには、永続メモリー(PMEM)に基づく以前のExadataデータおよびコミット・アクセラレータが含まれ、Exadata X8MおよびX9Mストレージ・サーバー・モデルでのみ使用できます。Exadata X10M以降、XRMEMを使用すると、専用の永続メモリーを必要とせずにRDMAのメリットを実現でき、メモリーおよびストレージ・ハードウェアでの開発を活用できる状態になっています。
Exadata X10Mシステムでは、株式取引やIOTデバイスなどの極端に短いレスポンス時間を要求するワークロードは、XRMEMキャッシュを利用できます。データベース・クライアントがXRMEMキャッシュから読み取ると、クライアント・ソフトウェアはキャッシュされたデータのRDMA読取りを実行します。これにより、ストレージ・サーバー・ソフトウェアおよびネットワーク・レイヤーがバイパスされ、高価なCPU割込みおよびコンテキストのスイッチングがなくなり、Exadataスマート・フラッシュキャッシュよりもはるかに高速に結果がもたらされます。この場合、XRMEMキャッシュはライトスルー・モードでのみ動作し、データベース書込みは永続ストレージに保存されます。
Exadata X10Mでは、XRMEMキャッシュはHigh Capacity (HC)およびExtreme Flash (EF)のExadata X10Mストレージ・サーバーで使用でき、サーバーで使用できる高性能な動的ランダム・アクセス・メモリー(DRAM)を利用します。この環境では、XRMEMキャッシュは自動的に機能するため、個別の構成や継続的な管理は必要ありません。
Oracle Exadata System Softwareリリース23.1.0を使用する既存のExadata X8MおよびX9Mシステムでは、PMEMキャッシュ(PMEMCACHE
)とも呼ばれる永続メモリー・データ・アクセラレータは、XRMEMキャッシュ(XRMEMCACHE
)と呼ばれるようになりました。同様に、PMEMログ(PMEMLOG
)とも呼ばれる永続メモリー・コミット・アクセラレータは、XRMEMログ(XRMEMLOG
)になりました。ただし、PMEMCACHE
およびPMEMLOG
のリソースを管理するためのCellCLIコマンドは、下位互換性のために引き続き使用できます。
Oracle Exadata System Softwareリリース23.1.0では、Exadata X10MシステムにXRMEMLOG
は実装されません。