10.6.21 Oracle Exadata仮想マシン

統合環境では、X5-2、X4-2、X3-2およびX2-2データベース・サーバー上で、ワークロード間をより高いレベルで分離するOracle Virtual Machine (Oracle VM)が使用されるようになりました。仮想マシンの分離は、信頼できないワークロードが共有環境でセキュリティ、CPUまたはメモリー使用状況を制限する場合に好都合です。たとえば、ホスティングされている環境、クラウド環境、クロス部門統合、テストおよび開発環境、データベース・マシンで実行されている非データベースまたはサード・パーティのアプリケーションなどです。異なるバージョンのClusterwareを必要とするワークロード(たとえば特定のClusterwareパッチおよびバージョンを必要とするSAPアプリケーション)を統合するためにOracle VMを使用することもできます。

仮想マシンを使用すると高度な分離が提供されますが、各仮想マシンに別々のオペレーティング・システムOS、Clusterwareおよびデータベースをインストールする必要があるため、リソース使用、管理負荷およびパッチング負荷の増大が代償として伴います。このため、1つの仮想マシン内で複数の信頼できるデータベースを統合することにより、Oracle VMをデータベース固有の統合と混用することが望まれます。Oracle Resource Managerを使用して、1つの仮想マシン内でデータベース用のCPU、メモリーおよびI/O使用を制御することができます。Oracle Multitenant Optionを使用すると、統合Oracle Databaseに、高度な統合とアジリティを提供することができます。

Exadata Virtual Machinesは、高速InfiniBandネットワークをSingle Root I/O Virtualization (SR-IOV)とともに使用して、仮想マシン内のパフォーマンスを、Exadataの有名なrawハードウェア・パフォーマンスに類似したものにします。Exadata Smart Scansは、仮想マシンへのメッセージ・トラフィックを激減させることによって、仮想化オーバーヘッドを、他のプラットフォームと比較して大幅に減少させます。Exadata Virtual Machinesは、その仮想マシンで動作しているアプリケーションのワークロード要件に基づいて、CPUとメモリーを動的に拡大または縮小できます。

Exadata上の仮想マシンは信頼できるパーティションとみなされるため、ソフトウェアを物理プロセッサ・レベルでなく仮想マシン・レベルでライセンスすることができます。信頼できるパーティションがない場合、データベース・オプションおよびその他のOracleソフトウェアは、そのサーバーまたはクラスタ上で実行されているすべてのデータベースが特定のオプションを必要としていなくても、サーバーまたはクラスタ・レベルでライセンスする必要があります。