1.2.12 検疫による障害分離

Oracle Exadata System Softwareには、過去のイベントから学習してエラーを回避する機能があります。

過去に不完全なSQL文によってサーバーがクラッシュした場合、Oracle Exadata System SoftwareはSQL文を検疫し、再度不完全なSQL文が発生した場合は、SQL文がスマート・スキャンを実行できないようにします。これによって、サーバー・ソフトウェアがクラッシュする可能性が減り、ストレージ機能が改善されます。使用できる検疫タイプは、次のとおりです。

  • SQLプラン: SQL文にスマート・スキャンを実行中にOracle Exadata System Softwareがクラッシュすると作成されます。その結果、SQL文のSQLプランが検疫され、SQL文のスマート・スキャンは無効化されます。

  • ディスク領域: ディスク領域のスマート・スキャンを実行中にOracle Exadata System Softwareがクラッシュすると作成されます。その結果、1 MBのディスク領域が検疫され、ディスク領域のスマート・スキャンは無効化されます。

  • データベース: Oracle Exadata System Softwareが特定のデータベースがセルの不安定性を引き起こしていることを検出すると作成されます。不安定性検出は、データベースのSQLプラン検疫数に基づきます。データベースのスマート・スキャンは無効化されます。

  • セル・オフロード: Oracle Exadata System Softwareが一部のオフロード機能がセルの不安定性を引き起こしたことを検出すると作成されます。不安定性検出はセルのデータベース検疫数に基づきます。すべてのデータベースのスマート・スキャンは無効化されます。

  • データベース内プラン: データベース内リソース・プランの処理中にOracle Exadata System Softwareがクラッシュすると作成されます。これにより、データベース内リソース・プランは隔離され、適用されません。同じデータベース内の他のデータベース内リソース・プランは引き続き適用されます。他のデータベース内のデータベース内リソース・プランは、影響を受けません。

  • データベース間プラン: データベース間リソース・プランの処理中にOracle Exadata System Softwareがクラッシュすると作成されます。これにより、データベース間リソース・プランは隔離され、適用されません。他のデータベース間リソース・プランが引き続き適用されます。

  • I/Oリソース管理(IORM): I/O処理コード・パスでOracle Exadata System Softwareがクラッシュすると作成されます。IORMの目標をbasicに設定すると、IORMが効果的に無効化され、すべてのリソース・プランが無視されます。

  • Cell-to-Cellオフロード: 詳細は、「Cell-to-Cellオフロード操作に対する隔離マネージャのサポート」を参照してください。

検疫が作成されると、何が検疫され、検疫が作成された理由、検疫を手動で削除できるタイミングと方法、検疫が自動で削除されるタイミングが管理者にアラートで通知されます。セルにパッチが適用またはアップグレードされると、検疫はすべて自動的に削除されます。

CellCLIコマンドは手動で検疫を処理する場合に使用します。たとえば、管理者は検疫を手動で作成、削除、検疫の属性を変更、検疫を表示できます。