6.3.4.4 Exadataスマート・フラッシュ・ログを監視する際の注意事項
一般的なパフォーマンス
REDOロギングに関連するパフォーマンスの問題として、通常、Oracle Databaseユーザー・フォアグラウンド・プロセスでのlog file sync
待機イベントのレイテンシが長い場合に、それに対応して、Oracle Databaseログ・ライター(LGWR)プロセスでのlog file parallel write
のレイテンシが長くなります。REDOログ書込みのパフォーマンス・クリティカルな性質のため、log file parallel write
の平均待機時間が許容される場合でも、log file parallel write
に不定期の長いレイテンシがあることで、データベース・パフォーマンスが変動することがあります。
これらのいずれかが発生している場合は、Exadataスマート・フラッシュ・ログのパフォーマンスに問題があることを示している可能性があります。
REDO書込みヒストグラム
log file parallel write
待機イベントは、データベースがREDOログ書込みを待機する時間を示します。log file parallel write
ヒストグラムは、指定された時間範囲内にREDO書込みが完了した回数を示します。同様に、redo log write completions
統計は、ストレージ・サーバーがREDO書込みリクエストの処理に費やした時間を示し、redo log write completions
ヒストグラムは、指定された時間範囲内にREDO書込みリクエストが完了した回数を示します。両方のヒストグラムは、AWRレポートのRedo Write Histogramセクションに表示されます。
不定期の長いレイテンシが多数あるヒストグラムは、ロング・テールがあると言われます。AWRレポートのRedo Write Histogramセクションの両方のヒストグラムにロング・テールがある場合は、ストレージ・サーバーでの書込みが低速であることを示すため、他のI/Oパフォーマンス統計をさらに調査する必要があります。セル・ディスクI/Oの監視を参照してください。
log file parallel write
ヒストグラムに、redo log write completions
ヒストグラムに存在しないロング・テールがある場合、原因は通常、ストレージ・サーバーではなく、ネットワークのボトルネックやコンピュート・ノードCPUの競合など、I/Oパスの別のものです。
スキップ
REDO書込みレイテンシの増加は、Exadataスマート・フラッシュ・ログがスキップされ、REDO書込みがディスクに対してのみ行われる場合にも発生する可能性があります。AWRレポートとストレージ・サーバー・メトリックの両方に、Exadataスマート・フラッシュ・ログをスキップしたREDOログ書込み数が表示されます。Exadataスマート・フラッシュ・ログにまだディスクに書き込まれていないデータが大量にある場合、スキップが発生することがあります。
REDO書込みでExadataスマート・フラッシュ・ログがスキップされる可能性のある要因はいくつかあります。
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書込みレイテンシが長いフラッシュ・ディスク。
このことは、AWRレポートのExadata Resource Statisticsセクションにある様々なIOレイテンシ表およびExadataの
CELLDISK
メトリックで観測できます。これは、FL_FLASH_ONLY_OUTLIERS
メトリックをチェックすることによっても識別できます。メトリック値が大きい場合、これはフラッシュ・ディスクのパフォーマンスに問題があることを示しています。 -
レイテンシが長いまたは使用率の高いハード・ディスク。
Oracle Exadata System Softwareリリース20.1より前では、REDOログ書込みはExadataスマート・フラッシュ・ログとハード・ディスクの両方に書き込まれます。ハード・ディスクのレイテンシが長い場合や使用率が高い場合は、REDOログの書込みパフォーマンスに影響する可能性があります。
このことは、AWRレポートのExadata Resource Statisticsセクションにある様々なIOレイテンシ表およびExadataの
CELLDISK
メトリックで観測できます。これは、AWRレポートのFlash Logセクションの外れ値列、またはFL_PREVENTED_OUTLIERS
ストレージ・サーバー・メトリックをチェックすることによっても識別できます。抑制された外れ値の数が多い場合は、ハード・ディスクの書込みに時間がかかっていることを示している可能性があります。この場合、Exadataスマート・フラッシュ・ログは外れ値を抑制しますが、ディスクに書き込む必要があるREDOログ・データのキューが原因で全体的なスループットが制限される可能性があります。
Oracle Exadata System Softwareリリース20.1では、ディスク・ストレージではなくExadataスマート・フラッシュ・キャッシュをライトバック・モードで使用する、スマート・フラッシュ・ログ・ライトバックと呼ばれる最適化がさらに追加されているため、潜在的なパフォーマンスのボトルネックとしてハード・ディスクが排除されます。システムのワークロードによっては、この機能により、ログ書込みの全体的なスループットが最大250%向上する可能性があります。
親トピック: Exadataスマート・フラッシュ・ログの監視